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慶應義塾ワグネル・ソサイエテイー創立110周年記念演奏会

日記・雑記
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平日11月30日の夜、仕事を終えてからJR湘南新宿ラインとみなとみらい線を乗り継いで到着した横浜みなとみらいホール
今夜は今年26回目の演奏会。
関東大学オケの中でも歴史と伝統を誇る、慶應義塾ワグネル・ソサィエティーの創立110周年記念演奏会だ。
慶應義塾ワグネル・ソサィエティーは1901年(明治34年)、日本で初めて音楽科以外の学生による音楽団体「ワグネル・ソサィエティー」として、誕生し、当初はオーケストラと合唱が一体となって活動していたが、現在ではオーケストラ男声合唱女性合唱の3団体が別々に活動を行っているという。

今夜の記念演奏会は、創立時に立ち返って、オーケストラと合唱団が合同で開催する演奏会となっており、2000人収容の大ホールはOB・OGを含めた満員の聴衆が押しかける大盛況のうちに開演となった。
今日のプログラムは、指揮者に飯守泰次郎氏を迎え、第1部は合唱つきの演奏で、ワーグナー:歌劇「タンホイザー」より大行進曲『歌の殿堂を称えよう』(合唱付き)、ボロディン:歌劇《イーゴリ公》よりだったん人の踊り(合唱付き)。
そして第2部はマーラー:交響曲第1番ニ長調「巨人」というもの。

定刻になりパイプオルガン側のP席に男性合唱団、女性合唱団が入場して演奏会が始まった。
左手3階バルコニー席にはトランペットのバンダが配置され、華やかなファンファーレとともにタンホイザーが鳴り響いた。
指揮者のタクトに合わせてオーケストラが音楽を奏で、合唱団が大行進曲「歌の殿堂を称えよう」を高らかに歌い上げると、開場一杯に音楽が満ち満ちて、見る見るうちにステージと聴衆とが一体になっていくのが肌で感じ取れ、思わず鳥肌が立ってきた。
前回、ここで聴いた演奏会では3階バルコニーとステージとの呼吸のずれを感じたのだが、今夜の演奏では全くシンクロした素晴しいトランペットのバンダであった。
2曲目の「だったん人の踊り」も中央アジアらしい妖しげなメロディに乗って合唱団が見事な歌唱を聴かせてくれた。
オーケスストラの単独演奏だけでも聴く機会の多い名曲であるが、やはり合唱つきは一味違う。

第2部のマーラー巨人は、マーラー没後100年の記念の年に相応しい素晴しい演奏で、これが学生オケか?と思わず唸るほどの秀演であった。
各パートのトップがそれぞれのセクションを見事に統率し切っていて、日頃の訓練の成果を存分に発揮しているのがわかる。
飯守泰次郎氏の指揮は、緩急と強弱の指示を的確にワグネルを自在に操っていく。
最弱音からトゥッティまでのダイナミックレンジの広さ。
管楽器奏者にとっては一人一人の音色から演奏テクニックまでがあからさまに判る曲であり、ともすれば緊張のあまりミスも出ようかという場面でも、難なくこなすだけでなく高い音楽性を示していた。

管楽器奏者だけではない。
弦楽器奏者で特に驚嘆したのは、一糸乱れず統制の取れたボウイングと運指で見事なアンサンブルを聴かせたこと。
音に濁りがないため、最弱音でも客席にしっかり音が届いてきた。

第1部から良い関係になった聴衆の反応もよく、最後まで素晴しい演奏を披露したワグネル・ソサィエティー・オーケストラに対し、万雷の拍手とブラヴォーの嵐。
OB・OG達も大満足で開場を後にしたに違いない。

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