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2015~2016 PACオーケストラのコンサートシーズン開幕

日記・雑記
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台風による大雨で北関東から東北にかけては、河川の氾濫などで大きな被害が出ています。
また、今朝は東京湾を震源とする中規模の地震があり、関東大震災かとヒヤリとした方も多かったのではないでしょうか?
被害に遭われた方にはお見舞い申し上げます。

さて、毎年定期演奏会のシーズン通し券を買っているPACオーケストラの、定期演奏会シーズンが開幕しました。
若手音楽家を対象に3年間の在籍期間で様々な演奏機会を与えトレーニングを行うアカデミーオーケストラが、このPACオーケストラです。
オーディションで毎年少しずつメンバーが変わりつつも、今年で10年目のシーズンを迎えました。

今回は指揮が佐渡裕、ピアノ独奏に小林愛美で、ハイドンの交響曲第7番「昼」、ベートーベンのピアノ協奏曲第4番、ストラヴィンスキーのバレエ音楽「春の祭典」です。

今シーズンからは相方の席も無く一人で通うシーズンになったので、チョット落ち着きませんね。
ハイドンの交響曲は、弦楽が4-4-3-2-1.5という室内楽オーケストラの編成ですが、各トップが協奏曲のソリストのように独奏を繰り広げるのでとても楽しめる曲です。

今回は、春の祭典をとりあげたこともあって、各トップにアカデミーオーケストラの指導者も兼ねる、欧米の著名なオーケストラで首席を務めるような名手揃いの素晴らしい演奏を聴かせてくれました。

ベートーベンのピアノ協奏曲を弾いた小林愛美さんは未だ19歳。
以前にミューザ川崎で聴いたのは確か中学生の頃でしたが、まだまだあどけない表情で初々しさが際立っています。
でも、ピアノに向かうと引き締まった表情に変わるのは音楽家ですね。
ピアノの響きは、ブリリアントな輝きが特徴的です。
メロディラインのタッチが他の音に比べて浮き立つような感じに聞こえるのは彼女の特質でしょうか?
ベートーベンではもう少しだけ左手に意識を向けてくれると、オケとのバランスが良くなると思いましたが、カデンツァでは自信に溢れた思い切りのいい演奏を聴かせてくれたので、これから経験を積めばきっと素晴らしい演奏家に育つことでしょう。
今年はショパンコンクールにも挑戦するらしいので、応援しますね。
さて、今年のPACオケですが、昨年に増して弦楽の充実ぶりが見て取れました。
一昨年より管楽は素晴らしいメンバーが揃っていたので、弦楽のレベルが上がれば申し分ないです。
勿論、今日のゲストトッププレイヤーに負うところも大きいとは思いますが。

春の祭典では、久々に鳥肌が立ちました。
弦楽のパートを細かく分割して別々の演奏をさせたり、フラジオレットを多用した幻想的な響きを聴かせたりは、並みのオーディオではスコアを見ながら聞いても中々耳には聞こえないものですが、流石に至近距離で生演奏を聴くと嫌でも耳に入って来ます。

開演前に指揮者がこの春の祭典の初演時のエピソードを解説していましたが、今日の演奏でもこのようなグロテスクな阿鼻叫喚の音楽に耐えきれずに、1楽章が終わると退席する方がチラホラと。
小生もややメニエルの症状を抱えているせいもあり、途中でやや平衡感覚がおかしくなりそうになる程の演奏だったと言えば、おわかりいただけるでしょうか?

春の祭典で鳥肌が立ったのは、大昔に小澤さんが大阪フィルハーモニーを振った演奏会以来のこと。

アンコールにはチャイコフスキーの弦楽セレナーデが演奏されましたが、この曲はサイトウキネンオーケストラの定番。
そう言えば今日のコンマスを務めた豊嶋さんもサイトウキネンのコンマスを務めた頃もありました。
若い団員が多いオケですが、これから経験を積めばきっと素晴らしい演奏家に育って行くでしょう。
そんな期待を込めて暖かい拍手を贈る聴衆も素晴らしい演奏会でした。

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