オフェリー・ガイヤールの陽気なチェロ -『アウボラーダ~スペイン、南米、ブラジルの音楽』

日記・雑記
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GWは全国的にまずまずの天候に恵まれ、
さわやかな空気のなか、自分自身が聞く音楽も
すこし爽快で明るめのものを選択していたようです。
そのなかでも、とびきりのお気に入りになったのが
今日ご紹介する
フランスのチェリスト、オフェリー・ガイヤールの新作
『アウボラーダ~スペイン、南米、ブラジルの音楽』です。

まずは、HMVのレビューから
「オフェリー・ガイヤールの最新盤は、ファリャやグラナドスによる民謡色濃厚な作品から、ヴィラ=ロボスやピアソラなど南米の作品までを網羅した2枚組。どんな作品でも、ガイヤールの音色のエレガントさ、スタイリッシュさ、そしてあたたかさはぶれることなく存在していて、非常に楽しい内容に仕上がっています。カサド作品も、ともするとドライになりやすいものですが、ガイヤールは切れ味とやわらかさ、見事なバランス感覚で聴かせます。ボサノヴァの神様トッキーニョも参加しているという超豪華なゲスト演奏家の顔ぶれにも注目です」。

曲目:
Disc1
1. ファリャ:7つのスペイン民謡より『ホタ』
2. ファリャ:7つのスペイン民謡より『子守歌』
3. グラナドス:『ゴイェスカス』より『間奏曲』
4. ファン・カルロス・コビアン&エンリケ・ドミンゴ・カディマーコ:
Nieblas del riachuelo
5. カルロス・カシャーサ&カルトーラ:Alvorada
6. モイセス・シモンズ:El Manisero
7. イソリーナ・カリージョ:Dos Gardenias
8. ホセ・ダメス&オラシオ・バステッラ:ナーダ
9. エグベルト・ジスモンチ&ジェラルド・カルネイロ:水とワイン
10. ピアソラ:鮫
11. ピアソラ:オブリビオン
12. ピアソラ:ル・グラン・タンゴ
13. ホアン・カルロス・コビアン&エンリケ・ドミンゴ・カディマーコ:
ノスタルジアス

Disc2
1. フリアン・プラサ:パジャドーラ
2. フェリクス・リペスケル:ロマンティカ
3. アルフレード・ゴッビ:A Orlando Goni
4. トッキーニョ&ヴィニシウス・ヂ・モライス:イタポアンの午後
5. トム・ジョビン:波
6. ヴィラ=ロボス:黒鳥の歌
7. ヴィラ=ロボス&ルース・ヴァラダレス・コレア:ブラジル風バッハ
第5番 『カンティレーナ』
8. El canto dels ocells
9. カサド:無伴奏チェロ組曲

まずもって、このアルバムは、
実にこの人にピッタリの楽曲のチョイスなのであります!
おなじみのピアソラのタンゴなんかを演奏しても、
どこか快活な印象さえあって、
でもそんなところも含めて、
おおらかに音楽のダイナミズムに身を任せてしまっても
じゅうぶんに楽しめる感じが気に入ってしまったのでした。

ガイヤールの世評はというと
「フルニエ、トルトゥリエら、
フランス・チェロ楽派の正当な継承者ともいえる存在」
なんだそうで、バッハ、ヴィヴァルディ等バロックを
本格的な古楽の演奏で聞かせるアルバムを
何作もリリースしてきていますが、
一方でシューマン、フォーレ、ショパン
といったロマンティックなものも手がけていて、
実は私はそちらのほうの彼女の演奏が好みなのであります。

語弊があるのを恐れず申しますと、
彼女のチェロは資質的にロマンティックなものに
より適性があるような気がするのです。。。
なにか隠しきれないものがでてしまうという感じでしょうか。
ロマンティックなものを弾くと、たぶんご本人が思っている以上に
エモーショナルな表現ができてしまう。。。
こういうことをご本人に告げたら、あんまりいい顔はされないかな~
でも、私にはそう感じられるのです。
しかもメランコリーな表現というより、大胆で熱情的な表現がいい。
そうなると、南米の音楽がぴったりはまるのは
当然といえば当然のようにも思えてきます。

くわえて録音がとてもいいです。
ちょっとポップス寄りのミキシングといいますか、
先日ご紹介した
大貫妙子の『pure acoustic』なんかとも通じ合うところがあって、
肩肘張らないで聞ける良質のクラシックアルバムのひとつであると
自信をもっておすすめしたいと思います。

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