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「ペール・ギュント」を読み、聞く: weissen rosslさん・Orisukeさんのお薦めより

日記・雑記
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                    2022年05月29日

5月最後の週末、陽射しが強く
今シーズン最高の気温をマークした地域も多くなりました。
午前中、庭仕事でうっかり半袖Tシャツで作業していたら
かなりの日焼けで、腕が真っ赤になってしまいました。。。
午後は室内にこもり、読めていなかった本を読んだり
音楽を聞いたりといった過ごし方でしたが
みなさんはいかがお過ごしでしたでしょうか。

で、その読めていなかった本というのが
イプセンの戯曲「ペール・ギュント」でした。

そもそもこの本を読んでみようと思ったのは
当コミュニティーのお二人のおすすめの言葉を目にしたことが
きっかけでした。
時系列順に申し上げると
Orisukeさんのビーチャム指揮ロイヤルフィルによる演奏の
タワレコ復刻のSACD盤のご紹介がありました。
https://community.phileweb.com/mypage/entry/4063/20220316/69433/

続いて、あべさんの日記へのレスで
weissen rosslさん(というより、以前のどんぐりさん)がお薦めされた
ブロムシュテット指揮サンフランシスコシンフォニーによる演奏の盤
がありました。
https://community.phileweb.com/mypage/entry/4504/20220409/69570/

「ペール・ギュント」というと、私のイメージは
小学校の頃、音楽の授業でレコードを聞いたくらいのもので
良く知られた「ソルヴェイグの歌」(Solveigs Sang)や
「朝のすがすがしさ」(Morgenstemning)のメロディーラインは
覚えているかな~ってところでした。。。
長じてクラシックを聞くようになっても
グリーグっていうと、ピアノ曲や歌曲ばかり聞いていました。。。
今回、改めて繰り返し何度も聞くことで
この楽曲の魅力の一端は理解できるようになったかもしれませんが
もう少し深掘りしてみたくなって
戯曲にまで手を伸ばしたというわけなのです。

翻訳は原典に忠実だということでしたが
「劇詩」とイプセンが銘打った通り、
散文的というか、詩的というか
オペラなどとはちがったことばの味わいがあるような気がしました。
また田舎育ちの荒くれもののビルドゥングス・ロマンという筋立ては
戯曲の字面だけだと、荒くれ感がど~んと押し出されてきて
喜劇だとしても、主人公ペールの人間像は
「う~ん。。。」ってところは正直ありました。
しかし、世界を放浪しまくって、
奇妙奇天烈な人間模様がこれでもかと展開されて
自分探しにもう疲れてしまったな~っていう感じの老齢の主人公が
故郷に戻った第5幕(終幕)、
やせた男(悪魔?)とのやりとりは
なんだかしんみりしつつも
この作品の救いのような気がしました。。。

自分の悪行ぶりを告白するペールに
やせた男は、そんなものは大したことではないと言った後で
次のような科白を吐いて去っていきます。

「いいかね、人は二通りでおのれ自らになる。
着物の表か、裏返しか、
近頃パリで発明された日光写真を知っているかね。
まともに写すか陰画にするかで、
光と影があべこべになる。
しかし、同じ形に違いはない。
もし、ある魂が写真にとられ
陰画になっても、原板は棄てられない。
わしのところに送られてきて、
硫黄をぶっかけて焼き上げると
陰の絵姿が表に出てくる
これが陽画と呼ばれるもの。
だが君のように、半分こすられて絵がぼんやりしていると、
硫黄もアルカリも役に立たない」。

ちょっと長い引用でした。。。
差し詰め私なぞはそもそも
絵が描かれていたのかわからないくらい
ぼんやりしているのかな~と、妙なところに自己投影してみたり
では、現在のロシアのかの人物の「原板」はいかに?
などと妄想をたくましくしてみたり。。。
でも「おのれ自ら」に固執する思いは
小市民的な自分のなかにも、こっそりとはしていても
実は案外くっきりとした「原板」として
保存されているのかもしれない。。。
そうなると、ペールも私も大差ないのかな~
なんてことにも思いは及び、
と同時に、大部分の人はみんな融かされて
ボタンか金びしゃくにされるのが関の山っていう結論は
悪くないな~とも思えてきました。
少なくとも私は気持ちが軽くなりました。。。
このオチで良かったんじゃないかっていうことです。

個人的な感想はさておいて
現在はほとんど目撃する機会もなくなったグリーグの音楽つきの
この劇の上演ですが、音楽だけは生き残っています。。。
それこそOrisukeさんが
お父上とのレコードにまつわる幼少時の思い出を開陳されたのに始まり
weissen rosslさんが
人生の後半において大病を経験された後に
ある種の感慨をもってお聞きになったのであろう音楽として。。。

そのレンジの広さに、私は興味をひかれたのですが
単純にリズムやメロディーの親しみやすさは
わが国で音楽鑑賞の教育素材として長年用いられてきた歴史が
示しているところでもありますが
じっくり聞いてみると、やはり耳に残るというよりも
身体にしみついてくるというか、反応してしまう自分がいます。。。
その意味ではビーチャムのヴァージョンのもつ
人懐っこいおおらかさがお好きだというのは理解できました。

また個人的な感想とも被るところがありますが
このグリーグの音楽は戯曲のムードからすると
ロマンティックに過ぎると、率直に申し上げて思うのです。
でも脳内で劇を合成してみると、
ブロムシュテットのヴァージョンの
端正さというか折り目正しさのようなものは
逆に気持ちを軽くする効果を生んでいるような気がしてきました。
このブロムシュテットのアルバムで
第5幕(終幕)が劇の進行順にすべて収録されているのは
そういうことと無関係ではありますまい。

で、どちらもいいな~と愛着が湧いてきているのが
只今現在なのであります。。。
そしてこんな素敵な体験に導いて下さった
weissen rosslさん・Orisukeさんのお二人に
感謝申し上げたい一心で
この日記をまとめさせていただきました。
ありがとうございました!

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