Performance6は804Diamondに圧勝か ~新スピーカ導入その2

日記・雑記
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音質の評価部分だけ読みたい方は「■804diamondも試聴」の箇所からご覧ください。

■アフロオーディオ訪問

前回の続きです。探していたMordaunt Short Performance 6の中古在庫があったお店、アフロオーディオへおじゃましました。いつ在庫が捌けるかわかりませんので、早めに伺うことにしました。早い対応とスピーカの試聴OKに加え、こちらの手持ちアンプを持込してもOKかどうかお聞きしたところ、これも快くOKを頂きました。お店はやや遠方でしたがここまで対応してもらえるならば、わざわざ出かける甲斐もあるというものです。

お店につくと思ったより若手の店員さんが対応してくださいました。この日は他にお客さんがいなかったからかもしれませんが、色々と雑談をして長時間居座ってしまったのですが嫌な顔をせずに対応してくれて好印象でした。全然関係ない話ですが、アフロオーディオでは店員がアフロに髪型をセットする代金は会社持ちだそうです。でも対応していただいた方はアフロではありませんでした。

試聴スペースにつくとすでにPerformance 6がセッティングされていました。(写真を撮り忘れてしまいました…)

■Performance6の音を聞いてみる

私がこの試聴で確認したかったのは、低音の出方、低音の質感、音数や音量が増えた時の飽和感でした(飽和とはそれぞれの楽器が大雑把な鳴り方になってゆき個々の音の質感や細かい情報が失われてしまうことです)。高域の質や癖のなさ、基本的な素性の高さについては何度かイベントで聞いた範囲でも十分素晴らしい領域にあることがわかっていましたので、問題になるのは上に上げた部分です。特にハイエンドオーディオショーで聞いた時には低音が激しく暴れていたことがあって、このスピーカを狭めの室内で鳴らしたらどうなってしまうのだろう?と心配したものです。

しかし、アフロオーディオの試聴室にて自前機材をセットし持込音源を掛けたところ、第一印象は「思ったよりもずっと低音が薄い」というものでした。ここでの音は自宅の低音に比べて随分薄めに感じたのです。

今までPerformance 6はバラバラの環境でしか聞いたことがありません。初めて目にしたのは数年前のダイナミックオーディオのマラソン試聴会です。この時は川又さんのデモでしたが非常に鳴らし方が巧みで、このスピーカの欠点が全くわかりませんでした。非常に優れた中高域の品位と質感を持っていることは間違いないだろうとおもったのですが、逆に音数が増えた時の飽和の程度、低音のビビり等、個人的に大半のスピーカで気になりやすいポイントについては全く分からなかったのです。いつもそうなのですが、マラソン試聴会の川又さんのデモではそのスピーカの欠点が全然わかりません。逆にそれだけ「いい部分だけを意図的に見せている」といえるかもしれません。製品に対して良い印象を持つことは良いことなのでこの鳴らし方はショップのやり方としては正しいのだと思います。

ともかく、聞く度にスピーカの音質傾向が異なるという結果になりますと、本来の素性がなかなか見えてこない訳ですから購入の決定打にかけます。決断が非常に難しいところです。念のためショップの店員さんにこの試聴室での低音の出方について聞くと、ここの環境は密閉された部屋ではなく隣の部屋も開放されているため通常の部屋よりも広いこと、床がコンクリートであること、スピーカの設置場所が台の上で下にスペースがあることなどから、通常の室内に比べたら若干低音が薄く聞こえる可能性はあるという回答でした。

店内を見渡すと、中古在庫にB&Wの804Diamondがあることに気づきました。私が現在使用しているのは初代のNautilus803ですが、Nautilus804も一時期所持していたことがあります。なのでN803とN804の低音の出方の差は知っています。世代は異なるものの同系列の804Diamondの音をこの場所でチェックすることができれば、この場所でのスピーカの低音の出方の傾向をチェック出来るのではないかと思いつきました。

■804diamondも試聴

お店には大変手間を掛ける話なのですが、店員さんにもし可能ならば同じ条件で804Diamondの音を確認したい旨を伝えたところ、快く受けて頂けました。そしてその後やってきたもう一人のスタッフさんと一緒にPerformance 6と804Diamondの設置交換の作業をしてもらいました。全く同じ設置場所に全く同じアンプ。条件が異なるのはスピーカだけです。

804の音を出して驚きました。低域は先程のPerformance 6より更に薄くなりました。そして中高域についてもユニット間の繋がりが悪化し、それに加えて中高域に強いキャラクターと癖を感じてしまいました。少なくとも私の耳には先ほどのPerformance 6の鳴り方のほうがずっと自然でナチュラルな音に感じました。価格だけで言えばB&W804diamondはPerformance 6よりずっと高額です。(中古価格では75万円と30万円の差!)しかし音質について言えば価格とは全く異なる傾向を示したと感じます。正直私の評価軸でいえば中高域はPerformance 6の圧勝、さらに低域もPerformance 6のほうが若干出ていて803に近いレベルなのではないかと思いました。その他804のほうが良いと思える部分が殆ど無く感じられるほどです。

以前私は丁度この音の差と同じような体験をしたことがあります。それはまたマラソン試聴会です。B&Wの800だったと思いますが、これを聞いた直後にVivid AudioのG2へと交換した時がありました。その時もやはりB&Wの音はユニットのつながりが悪く、中高域の個性が際立ちすぎている、不自然であると感じたのです。対してVivid audioのG2は中高域が滑らかにつながっており、質感に統一感があり一体となった自然な音に感じました。クラスは大きく異なりますが、どちらも現代的なスピーカであり筐体が余計な振動音を出さない設計という点も同じ条件です。

もしかしたらPerformance 6は中高域だけでいえば、Vivid AudioのGiyaシリーズに近い質感を持っている可能性があります。もちろん低音の出方は全く異なるので似たような音と言ってしまうのは言いすぎかもしれません。でもスピーカユニットや筐体の設計を見ると、両者が似た音である理由はユニットや本体の材質によるのかもしれません。B&Wは低中高全て異なる素材のユニットを使っているので、それぞれの音の分離は際立つ反面、全体の自然さには欠けてしまうと言えそうです。この辺りは設計思想、メーカーの理想の違いとなるのでしょう。既にNautilusシリーズ登場から大分時間を経過している800シリーズは登場当時こそ圧倒的な音だった記憶がありますが、現在でも当時と大きく基本設計の変更をしていない為、現代ではやや古めの設計になったといえるのかもしれません。

■総評

少なくとも私にとって、この804との比較によって回答は明確に決まりました。低域も高域も初代よりアップデートされているはずのB&W804Diamondよりも更にPerformance 6のほうが優れている(いや、好みであると表現したほうが穏便かもしれません)わけですから、旧式のN803からPerformance 6へ買い換えることはほぼ間違いなく大きな飛躍になると判断しました。

一応補足しておきたいと思います。もともとの価格帯を考えるとPerformance 6は非常に高い評価になっているのですが、Performance 6も完璧なスピーカというわけではありません。中高域については個人的には非常に高いレベルにあると感じましたが、アフロオーディオの試聴室では低音が薄くなってしまうということは、ある程度以上広い部屋では十分なクラスのスピーカではないことを今回の試聴では示しています。音の飽和についてもやはりある程度以上の音量で、かつ低音の多い曲をかけた時に発生していました。なのでこのスピーカがその真価を発揮するシーンは、おそらく狭めの室内で現実的な音量で聞く限りは、という条件付きで欠点を意識することはないだろうということです。そこから先の大音量や揺るぎない低域を求めるならばやはりもっと大型のスピーカが必要になってくるでしょう。

ただ非常に残念ながらPerformance 6はすでに製造中止。このような素晴らしいスピーカがほぼ無名のまま消えていくのは残念でなりません。マーケティングの不条理というものを痛感します。私がここで宣伝をしたところでほとんど反響は期待できないですし、運命を今更変えることは不可能でしょう。

一方B&Wのオーナーの中には今回の試聴結果について否定的に見られる方もいらっしゃるかも知れません。しかしここに書いたことは少なくとも私にとっては真実でした。このあたりが各人の理想と真に合致するかどうかは耳で確認していただくしかありません。

■なんとPerformance6の新品在庫が

試聴を完了し、アフロオーディオの店員さんには、新品の在庫確認が明日まで取れなかった場合はここで購入しますと約束しました。と同時にNautilus803の下取りもお願いすることにしました。新品がある可能性は殆ど無いと言われていたのでそのまま購入することになるだろうと思っていました。しかしその帰り道、在庫を探してもらっていた近所のオーディオ店から電話があり、なんと新品在庫の残りがあったという連絡が!色々と対応していただいたショップには大変申し訳無いと思いながら、新品の購入希望を電話で回答しました。しかしここまで親切に対応していただいていましたので、不要になったN803の引取は引き続きアフロオーディオにお願いすることとしました。

長文を読んでいただきありがとうございます。次回は購入後にまた詳細なレポートをアップする予定です。

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