前回載せた、BDP-105JPに関連する話です。
というか、PCを含む、光学ドライブ全般と言っても良いでしょう。
オーディオ系で50万円(←あくまで目安)しないドライブには、割りと大きな問題を抱えている事が多いですが、その問題の中で一つ、ディスクの偏心量があります。
回転系では巷でも問題視されていますし、原因もいくつかありますが、その中で、
クランパーディスク内のマグネットの偏心問題
を提案します。
ここで、105JPのクランプディスクASS’Y画像を出します↓
ディスクのクランプ方式は色々ありますが、トップマウント方式などでスタビライザーを手で載せるタイプ以外は、トラヴァースユニットが下からせり上がってディスクを挟む方式は、PC用を含め、特に2000年以降ではだいたい同じ構造をしています。
画像の長方形の板がブリッジで、中央の円形がディスクですが、問題は円形の方(ブリッジも問題っちゃー問題だけど)。
分解画像が無いのが残念ですが、ディスクを分解すると、大抵のモノは中にマグネットが入っています。
そのマグネットが完全に固定されていなかったり、固定されていても偏心していたりする事が結構あります
105JPも純正では同じ問題を抱えていました。
酷いのは、クランパーを外して振ってみるとカタカタ音がするモノまであります。
ついでに書くと、某S社のSACD、CDドライブのディスクも、中でマグネットが偏心していました。
その状態でBD、DVD、SACDのように高速回転をすると、クランプディスクに軽く触れるとビリビリ振動しているのが分かるくらいです。
クランプ用のマグネットの重さは、CDやDVD等のディスクよりも重量が重いので、頭上で自重が重い偏心している物体が高速回転している事になるので、如何に影響があるか分かるかと思います。
それでも大量のサーボを掛け、ピックアップを追従させている訳ですが、サーボ電流を掛ければかけるほどオーディオ系は音質劣化、ビジュアル系は画質劣化を招き、PC系は高速回転でサーボから外れエラーを吐いたりします。
メーカー名はあえて公表しませんが、とある機種ではサーボを掛け過ぎてカチカチ音がしているドライブまでありました
この系に多いのが、オシロで波形を見ると分かりますが、ピックアップを追従させるためにRF電圧を通常より高く設定する傾向にあり、同時にピックアップの寿命が比較的早く迎える傾向にあります(サービスマニュアルを見ると、結構推定できます)。
面白いのが、ディスク偏心、面ブレを徹底的に抑えたエソのVRDS-NEOドライブですが、バージョン問わずRF電圧が通例よりもかなり低く採ってあります(←サービスマニュアル参照)。
エソのプレーヤーが最高とは言ってないので念のため(回し者ではないです)。
この事からもなんとなく分かりますね。
特にPCは倍速運転をするので、ドライブによってはエラーになって再リードして速度低下が起こったりします。
という事で、105JP用にマグネット偏心を排したクランプディスクを再設計しました。
詳細を書くと長くなるのでオミットしますが、実際に作ったら、マグネットの偏心は無くせても、マグネットが強過ぎてディスク・リリースしない問題が発覚w
まあ、製品も1回の試作で完成せず問題が発生し、何回も作り直したりするのが当たり前なので、1回で完成させるのはおこがましい訳ですが、試作に結構な金額を出したので、フェライトコアに変更、設計図変更の必要があったため、もう一回作る気は起きず断念・・・・・
ブリッジだけを高精度公差で新造し、純正のディスクだけ偏心量を無くす改良をして載せました↓(ディスクの見た目は変わってません)
3D-CAD図面です。まあ、この程度なら3Dは本来要らないけど↓
これらの結果、各々のピックアップ含むドライブの駆動音全般がかなり静粛化し、画質にも音質にも貢献していると思われます(色々やり過ぎて何の効果が判別できないw)
ちなみに、このマグネット偏心問題ですが、某、オーディオ会社とこれが原因で言い争いになりました。
結局、「ウチはドライブは外注だからどうしようもない」と匙を投げて終了。
なんの補填や保証もなく、「仕様です」の一点張り。
私はその後、その問題の機材は某オクでさっさと流しました。
誰かにババを引いてもらうためにw(←性格悪ッ?)
※今回の件ですが、既に時効的な話ですが、詳しい詳細は話せませんのであしからず。
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