3年ほど前に針先がなくなったMCカートリッジAudioTechnica AT-33を修理しました。
同じ物が有るので予備に保管していたのを前回日誌の”LPプレーヤーのアームリフター”の改造を機に使用してみました。
ところがLP数枚でこの状態です。
前回と同じように針先のみがなくなっています。
AT-33は感知レバーが細いベリリュウムだそうですが針先を接着剤で固定するには無理が有るかも?
しかたなく修理した所にメールすると次の回答が
修理後3年経っているので仕方ないと云えば仕方ないですが・・・
とは云え正常品は別に有り LPの使用頻度も低いので高額を払ってまで修理する気は起きません。
そこでダメ元で自分で修理してみるか!
カートリッジの修理なんて考えた事も無かったので とりあえず感知レバーの径を測ると0.2mmでした。
なら通常の中空アルミレパーの針先なら被せるだけで治せるかも???
針先のみを接着剤で固定するより強度が出る!
それとAT-33はシバタ針?で針先が小さくレコード奥のゴミを掻き出して埃がとっても着き易いです。
このためLPの中頃で音が割れだし針先の清掃が必要になります。場合によっては10分置きに何回も・・・
超音波洗浄をすれば良いかもですが今更のような気がします。
アナログに見切りをつけた原因の一つがこの埃だったような???
性能は良いのでしょうが実用性に問題があるように思います。
そして購入したのがこの針です。
アルミ中空のダイヤモンド丸針で送料まで含めて2本で千円程度でした。
早速加工をと極細のラジペンで摘まむと見事に潰れてあっけなく1個目はボツに
これほど華奢だとは想像の斜め上を行っています!
2個めは長く切断後に0.25mmのドリルを通してカッターナイフで時間をかけてなんとか目的の長さの切断に成功しました。
切断した針先と本体のカンチレバーの仮止めの状態です。
当初の目論みどおりカンチレバーにすっぽり被さる形にしました。
被せる部分は長いほど加工し易く頑丈ですが針先の質量を軽くするには短くしたいです。
初めての事なので加減が分からず写真の長さにしました。
二種混合のエポキシ接着剤で固定しました。
溶接強度とかすごい謳い文句の接着剤ですが大きさに対して接着剤がネバ過ぎてゴテゴテした感じになってしまいました。
正面から見た針先の垂直の状態です。
接着剤が固まる前に正面に0.8mmの鋼線を当てがって睨みながら垂直を調整しました。
この状態なら何とか使えるかな?
プレーヤーに取り付けました。
問題なく音が出ました。
動作チェックのためのテストレコーを取り出しました。
古すぎてビニール袋が変色していますが、動作チェック程度は出来るでしょう。
説明文を見ると全ての項目で聴いて判断なので客観性は???です。
どうにか測定出来たのが70~10KHz(5点)の周波数特性とトレーシング能力です。
周波数特性はテスト信号の範囲では問題ないです。
トレーシング能力は規定針圧1.5gに対して0.7gまではOKでした。
これは何処まで下げられれば良いのか分からないので何とも云えません。
少し聴いた感じでは正常品のAT-33Eと比べて違いは無さそうなので修理OKと判断します。
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