防音サッシを入れるにあたって悩むのが、防音ガラスを如何するか?です。
DR30(T-2からT-3程度)であれば、入れられるガラスは基本、サッシ枠のメーカーと同じガラスになるので選択肢はありません(裏技で入れられなくもないけど)。
DR30クラスだと、YKKAPプラマード、LIXILインプラス辺りです。
これより上の規格は、DR35、DR40(T-4、T-5)で、サッシ枠は大信工業プラスト、AGCまどまどstd、AGCまどまどplusになります。
大信工業は樹脂メーカーなのでサッシ枠しかなく他社の防音ガラスを入れる事になりますが、唯一入れられないガラスはAGCのマイミュートです。
マイミュートを入れられるサッシ枠は、同社AGCのまどまどPlusだけです(stdは不可)。
なので、大信工業プラストに入れるガラスは、T-3以上であれば日本板硝子で「スペーシア静」、「ソノグラス」。AGCでは「ラミシャット」になります。
防音ガラスはメーカーやグレードで得意分野?があるので、何かを入れれば全ての条件で最強とはなりません。
以下にT-4以上の防音ガラスの減衰特性グラフを上げておきます↓
グラフを見慣れない場合、下のグラフを見ると、「ほとんど変わらないじゃん?」という感想が出るかもしれません。
しかし、実際に違うガラスを入れると、ハッキリと体感出来るくらいに防音度合いが変わります。
グラフを見ると、各社(各グレード)で得意な周波数が違う事が分かります。
なので、どの騒音周波数帯域を対策したいかで選ぶ防音ガラスが変わってきます。
サッシのガラスは2カ所の帯域で減衰量が落ち込む現象が起きる事があります。
1カ所が「低域共鳴現象」、2箇所目が「コインシデンス」といい、低域と中高域に落ち込みが発生するので、これを抑制したガラスが優秀とされます。
この両方の落ち込みは、上記グラフの複層ガラスFL6+A10+FL6のガラス(灰色実線)で強烈に出現していますね。
この複層ガラスは、プラマード、インプラスで断熱ペアガラスに使われるモノと同等品です。
書き出すと長くなるので詳しくは説明はしませんが、ピアノ、トランペットやバイオリン、フルート等の高音域楽器演奏を外に漏らしたくない場合は「ソノグラス」。
屋外の人の会話や車のマフラー音量を対策したい場合は「マイミュート」といった感じです。
もう一つ、AGCのラミシャット・シリーズのグラフも上げておきます↓(比較対象は「マイミュート」)
T-4以上レベルとして満足のいく防音ガラスは、日本板硝子のソノグラス12.8mm、AGCのマイミュート、ラミシャット35辺りまでで、それ以外はあまりお勧めはしません。
日本板硝子の「スペーシア静」は一応、防音ガラスを謳っていますが、上記3モデルに比べると価格が高いわりに防音性能はイマイチです。
ただ、日本板硝子代理店のサッシ施工業者だと、売上金を高くしたいがためにソノグラスではなくスペーシアを勧めてくる業者がかなり多いので注意が必要ですね。



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