αGELとは、株式会社タイカが登録商標を持つ、シリコーンを主原料とした非常に柔らかいゲル状素材の総称で、スポーツシューズの中敷きなどのクッション材に使われていることは、以前から知っていた。
フローティング系インシュレーターの効果は、スピーカーから放射される物理的な振動が、床からオーディオ機器に伝播するのを遮断する効果だと考えられる。
インシュというと、木質系や金属系、鉱物系、合成樹脂系、それらの複合系など、素材の持つ特性を活かした音質チューニングを目指すタイプが一方にあるが、もう一方には、ゴム系、オイルダンプ系、バネ系、エアーダンプ系、磁石浮遊系?など、機器のフローティングを目指すタイプがある。
フローティング系インシュレーターの効果は、スピーカーから放射される物理的な振動が、床からオーディオ機器に伝播するのを遮断する効果だと考えられる。
マイミクのベルウッドさんが、このフローティング系インシュの効果に着目されて実験を繰り返されていた中で、このαGELの効果も確認されていたので、早速拙宅でも購入した。
メーカーの直販サイトで購入したのは、ゲルチップの15ミリ×15ミリ×5ミリのチップが25個のものだが、様々な用途に対応する製品があるので機器の荷重や使い方に応じて、最適なものを選ぶ必要がある。
早速チップを試してみる。
拙宅のオーディオ機器は、以前は真鍮の円錐で3点支持だったが、昨年春からは黒檀ブロックに制振シートを貼り付けしたもので3点支持する方向に変更していた。
今回の実験は、制振シートに代わってαGELを挟みこむだけ。
3点支持なので、1点側には2枚並べて貼ることで面積当りが受け止める加重を揃えるようにと考えた。
機器の送り出し側から、CDT、DAC、プリアンプまで全てαGELに交換した。
機器は押すと僅かに動くが直ぐに元に戻り、揺らしてもバネのようにユラユラゆれることも無く、いかにも柔らかい素材で振動が遮断されているように見える。
これなら床から伝播するスピーカーの振動が伝播することは無いだろう。
実はパワーアンプにも試そうと思ったのだが、このチップで支えるには重過ぎるので断念した。
パワーアンプまでフローティングするには、ブッシュかインシュレーターを使った自作ボードを製作する必要がある。
さて、導入してから2週間が過ぎた時点でのレポートだが、従来の制振シートに比べてS/Nが向上したように感じ、コンサートホール内で響きが綺麗に消える様が以前よりも鮮明に感じるようになったし、弦楽器やピアノの胴が響く様が綺麗に再生されるし、バイオリンの高音部で弦が直接放射する音や運指のタッチがリアルさを増した様に思う。
平行法の効果である立体的に音楽を感じ取れるところも、より鮮明になった。
金属系や鉱物系で感じるチューニングによる色づけは拙宅では感じとれない。
ゴム系のようにフォーカスが甘くなることもない。
拙宅では良いことづくめの結果のようだが、注釈を付けるならパワーアンプは黒檀ブロックでの3点支持のままで、床からの振動伝播の影響が残っているので、送り出し系を完全にフロートした状態でのレポートでないことはお伝えしておこう。
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