インマゼール指揮、アニマ・エテルナのAuro-3D版ベートーベン交響曲全集がリリース

日記・雑記
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年末と言えばベト9ですが、それに合わせて(?)、Spirit of Turtle からAuro-3D版のベートーベン交響曲全集が発表されたのを知りAuro-3Dファンのdonguriダウンロード購入して聴いてみました。 
「これ、10年以上前に一度聴いたころある」という方も少なからずおられるはず。というのは、2008CDで発売されている全集のリミックス版となります。ここ数年以内の録音という事ではないのですが、以下の点でAuro-3Dファンとしては注目せざるを得なかったです。
 録音時期は20052007年で、セッション録音ですが、その時点で、Auro-3D (9.1ch)でのミックスを意識した収録が行われていたようなのです。根拠として、ブックレット中には、「Original High Resolution Surround Recording」 との記載があり、現在のSpirit of Turtleのウェブサイト上のRemix に関するNoteには、「The original High Resolution Immersive versions have been kept secret for too long and are really hidden gems to be enjoyed now by many.」という記述があり、これを書かれている録音エンジニアのBert van del Wolfさんにcmiyajiさんが今回のリリースについてコメントを送ったところ、ご本人からの返事にて、当時の録音は、Auro-3Dの創始者であるWilfried van BaelenさんからAuro-3D 9.1chを想定した録音をしてはどうだと言われており、2008年時点ではステレオのミックスしか出せなかったわけですが、コロナ禍で時間が出来た時にAuro-3Dミックスに取り組むことが出来たという事の様でした。Wolfさんからの原文はこのリンクでご確認ください。
 ということで、もともとの2ch用マスターを疑似的に3D化したのではなく、たぶん世界初のNative Auro-3D版ベートーベン交響曲全集であると言っていいと思います。
 まあ、録音がよくても、演奏がどうよ?といぶかる方には、HMVのウェブサイトを見てもらうと、録音の様子についてと、聴いた方々の評価が載っております。まあまあ高評価が多めですね。
 ブックレット中には、かなり詳しく指揮者が御託を述べておりますが、古楽器演奏に関する徹底的な研究によってベートーベンのイメージした音の再現ということで、すでにホグウッド、ノーリントン、ガードナーなど古楽器によるベートーベン交響曲集が出ていたところ、それを超えるものを狙った野心的なプロジェクトとなっており、ノンビブラートの弦合奏の徹底、各パート最少人数による室内楽的な雰囲気の仕上がりになっています。
 先週末はとりあえず6、8、9番を鑑賞いたしましたが、音のクリアさ、リズムの切れの良さがdonguriには好印象で、非常に楽しめる演奏でした。Tacetレーベルのように円形にリスナーを取り囲むミックスではなく、前方に演奏者が配置します。
 第
9は現在の大規模オケ+大合唱とは対極にある表現で新鮮です。第3楽章が現在の主流のしっとり感とは違う方向性、第4楽章の合唱の迫力が足らんとかの不満を抱く方もあるかもしれません。特に6番は良かった。澄んだ音で描く鮮やかな「田園」はdonguri好みで素晴らしいと思いました。一般家庭の部屋で聴くのにちょうどいい、現代のコンサート会場はなかなか聴けないベートーベンの交響曲サウンドとも言えるかも。
 2chバージョンは、donguriのサブスクしているAmazon Prime Musicに全曲リストアップされております。聴き比べてみましたが、Amazonバージョンは空間的広がりの点で劣り、音質も、料理で言えば香り、うまみが飛んでおり、せっかくの古楽器の味わいが減弱しているようです。Auro-3D環境のある方はもちろん、Atmosスピーカ配置ないし5.1ch環境の方々でも、サブスク音源で演奏が悪くないと確認できたのであれば、3D又は2Dマルチチャンネル版でさらに幸せになれるかも。ただし、音楽、音質に関する評価は個人ごとに大きく変わると思われますので、購入後お金が無駄だった!と思われる方がおられましてもdonguriに補償は求めないようにお願いいたします。

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