サルビア音楽ホール下見 – クァルテット・ディオティマ鑑賞

日記・雑記
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昨日は久しぶりにコンサートの鑑賞に行ってきました。目的は二つです。

①音響のよいホールで弦楽器の音を聴き、耳のリセットをするため

②ホールの響きを客観的に確認し、自分のコンサートに活かすため

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向かったのはサルビア音楽ホールです。このホールは何の変哲もない公共施設の音楽ホールですが、音響が素晴らしいです。弦楽の美しさを感じるにはホールの響きが必要ですが、このホールで聴く音は素晴らしいです。容積の小ささも有利に働き、弦楽四重奏でも十分な音量で聴くことが出来ます。よい音を聴くことは、耳を育て、オーディオのサウンド調整や確認にも役立ちます。生音にいつも触れてはいるものの、時折客観的に鑑賞することで思い込みのリセットが出来ます。以前に感動した時の記憶は、美化されていることもありますので、たまにはリセットも必要ですね。

 

更に、このホールは2月の自分のコンサートにも使用予定ですので、響きを客観的に確認する下見の狙いもありました。

昨日のチケットは、オーディオ調整をしているときに思い立って空席救済サービスのサイトで譲渡してもらったもので、聴きたくて選んだ公演ではありません。演奏者も知りませんでしたし、演奏曲も一度も聴いたことのない曲ばかりでした。それでも狙い以上に楽しめたコンサートだったと思います。

演奏は、「クァルテット・ディオティマ」で、パリとリヨンの国立高等音楽院卒業のメンバーで構成された弦楽四重奏団でした。長年活動しているユニットの息はピッタリで、一糸乱れぬ演奏です。座ったのは、第1列目の右寄りの席です。サルビアのHPを見たところ、昨日の演奏風景の写真がアップされていました。殆どわかりませんが、自分も少しだけ写っています。

聴いたことのない曲ばかりでしたので、聴いた順に簡単な感想を書いておくことにします。

・ツェムリンスキー:弦楽四重奏曲 第1番

近代音楽の作品で音楽的に馴染みの薄い作品でしたが、演奏のハモリの妙技に感動しました。先日の日記で、「ハモリの音取りに苦労する」と書きましたが、いくら聞き耳を立ててハモリの音を聞き取ろうとしてもわかりません。完全に主旋律に溶け込んでいました。さすが世界第1級の演奏ですね。

 

・リゲティ:弦楽四重奏曲 第2番

こちらは現代曲です。ユダヤ系ハンガリー人の作品ですが、第二次世界大戦時に、家族はバラバラに強制収容所に入れられ死に別れたという境遇とのことです。終始恐ろしいまでの緊張感を与える作品でした。この作品は、オーディオで聴いたら即止めてしまうのでしょうが、生演奏の気迫がすごくて、目を見開いて凝視していた気がします。音楽を聴くと言うより、暗闇の中で音を奏でる様を聴く感覚です。ナチスの収容所に捉えられ、獄中の心境を音にしたような演奏に浸り、最初から最後まで緊張の連続で疲れましたが、現代音楽に初めて感動する体験でした。

 

ブラームス:弦楽四重奏曲 第2番

最後はブラームスらしい色彩感豊かな音楽で気持ちが和らぎます。「ああ、やっぱりこういう音楽が好きだな」なんて思いながら、ウトウトとしてしまう場面もありましたが、安らぎや安堵を感じていました。近代から現代に、そしてロマン派とはよく練られた構成だと思います。リゲティで終わったら、暗く重い気持ちで帰宅しなければなりませんからね。

ホールの下見視点からは、第1列に座っても響きが直接音と絡みながら濃厚な音が聴けると思いました。これだったら聞え方を気にすることなく歌っても問題ないと思います。最前列では音がきつくなり過ぎないか心配でしたが、問題ない確認も取れましたので下見の狙いも果たせて満足なコンサートタイムとなりました。

感動度
ツェムリンスキー:弦楽四重奏曲 第1番 ☆☆☆☆☆
リゲティ:弦楽四重奏曲 第2番 ★★★☆☆
ブラームス:弦楽四重奏曲 第2番 ☆☆☆☆☆

コメント ※編集/削除は管理者のみ

  1. 写真をよく見たら、昨日の写真ではありませんでした。したがって、自分が少しだけ写っているというのは間違えでした。

    思い込みは怖いですね~

  2. ヒジヤンさん、こんにちは。
    遅レスごめんなさい。

    >このホールは何の変哲もない公共施設の音楽ホールですが、音響が素晴らしいです。

    写真で拝見する限り、ホール内の構造が非常にシンプルでとってもナチュラルな音が聴こえてきそうです。

    大きさ的にもちょうどいい塩梅で、genmi的にはこのホールでベートーヴェンの後期ピアノソナタを聴いてみたいです。迫力がありそうです。

    でもヒジヤンさんがここでご自身のコンサートをされるなんて凄いですね。
    色々な楽しみ方ができるヒジヤンさんが羨ましい限りです!

  3. genmiさん、コメントありがとうございます。

    12月に集中的にオーディオをやっていた時に、「耳のリセット」「コンサートの下見」を思い立ってチケットを譲ってもらいました。

    そんな邪心な目的でしたが、思いかけずに演奏も楽しめました。リゲティの現代曲はすごかったですよ。結婚式の挨拶よりも緊張し、お化け屋敷よりも怖い、新生アトラクションのようでした。オーディオであんな音の再生が出来るのか?少々疑問ですが、新たな課題も出来た気分です。

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