KY氏からの指摘に端を発して、自宅の環境では「リスナーの耳高さにより聞え方(定位、空間)が大きく変化する」ことがわかった。その後の検討で、耳高さによる聞え方への対処策は、スピーカー前ボードの前後位置調整により「耳位置に最適な音」の調整が可能と自己判定した。(自分で聴いた範囲からの推定)
そこで、tonkatsuさんとのオフ会の中で「他者事例での検証活動」を実施した。・・・tonkatsuさんの身長は自分よりやや高い173cmなので若干の変化と推定した。
試聴用の音源は、KKVレーベルの男声ボーカル+合唱のCD
この音源を使って、A:男声ボーカルが定位する位置、B:合唱の聞え方 をスピーカー前ボードの位置により、1)どのように変化するか、2)最適位置出しを実施した。
①最初は、私の最適位置で聴いてもらう
・自分の耳では、A:ボーカルが「センターボード前の目線の位置」、B:合唱が「ボーカルより後方の少し高い位置で、2段(下が女性コーラス、上が男性コーラス)」に聴こえている。
<tonkatsuさんの感想>
・ボーカルがやや高い位置で、少し下にコーラスが歌う。
・ボーカルが上で、コーラスが下というアンマッチが起こった。
②、①の状態からボードを30mmスピーカー側に移動
<tonkatsuさんの感想>
・ボーカルも合唱も上がってしまう・・・想定通り
③、①の状態からボードを30mmリスナー側に移動
<tonkatsuさんの感想>
・ボーカルも合唱も下がってしまう・・・想定通り
④、この感想を受けてヒジがtonkatsuさんに最適と想定した位置案を提示・・・①に対して2mmほどリスナー側に寄せた位置
<tonkatsuさんの感想>
・う~ん、①の方がよかったかな?と言われた
⑤、④の結果からtonkatsuさんに最適と想定した位置案改を提示・・・①に対して2mmほどスピーカー側に寄せた位置
<tonkatsuさんの感想>
・まだボーカルが高く感じるが、合唱が上がり、これがよいと言われた
◇上記の確認から、⑤:ヒジの最適位置からボードをスピーカー側に2mm移動した位置で試聴を進めることとした。
【検討結果】
1)どのように変化するか・・・ボードをスピーカー側に寄せると「音像位置は高くなる」。反対にリスナー側に寄せると「音像位置は低くなる」。
2)最適位置出し・・・tonkatsuさんは、ヒジの最適位置に対して2mmほどボードをスピーカー側に移動した位置が最適だった。
【考察】
・耳位置の違いによる聞え方の最適化は、スピーカー前のボードの前後位置で調整が可能と推定する
⇒(課題)N数の増加による検証
・耳位置の高い人向けには、ボード位置をよりスピーカー側に移動し、耳位置の低い人向けには、ボード位置をよりリスナー側に移動すると調整が可能と推定する
⇒(課題)N数の増加による検証
・上記は、中高域の入射角と反射角の関係で説明できる
・tonkatsuさんと自分の身長差からすると、スピーカー側に2mm移動は妥当な数値である
・定位の感じ方は、人により個人差がありそう
⇒自分とtonkatsuさんは、ボーカルと合唱の関係が逆転して聞こえた
⇒(課題)N数の増加による聞え方の確認
◇以上、「スピーカー前ボードによる耳高さの調整」について、tonkatsuさんのケースでの確認が取れた。今後もオフ会ごとに最適位置の確認を実施しつつ、N数の増加を図ることとする。
<参考>
tonkatsuさんの日記:ヒジヤン邸訪問記
コメント ※編集/削除は管理者のみ
CENYAさん、おはようございます。
レスいただいた件についてですが、こちらの日記に応レスした方が適当かと思いましたので、こちらから失礼いたします。
>ちょうどのタイミングですが、私もオフ会で視聴位置(耳)の高さを指摘されました。「ベースボードの追加」と「サイドツィーターの廃止」により、以前よりもツィーターの位置が高くなっていたにもかかわらず、同じ椅子で聞いていたというわけです。
とりあえずは椅子の下に木の柱を引っ付けてベースアップしてみようと思っています。
その後の微調整はご報告にあった床の反射量調整で頑張ってみたいです。
スピーカー前ボードによる耳高さへの最適化の自分の考え方を記載しておきます。同意はされなくても問題ないです。
・通常のオーディオルームで、リスナーはスピーカーから出る音+室内の反射音を合成する形で聴いている
・この時に、3ms~5ms程度遅延する音は、同じ音として脳が認識する。
・3ms~5msを距離で表すと・・・340×5/1000=1.7mとなる
・この距離は、直接音+1~3次反射音程度まで含む合成音を一つの音として聴いていることを示す
・定位はこの合成音を聴いた結果を脳が判定する
・スピーカー下のボードは、ツイーター、スコーカーの1次反射として下から上に向かう音を作るため、定位の上下に影響する(ボードを採用した本来の狙いは、カーペット敷きの部屋で低音を沈み込ませるために高域を床面近くで拡散させることです)
・ボードをスピーカー側に近づけると、入射角が深くなり、反射角も急になるので、リスナーへの高い位置に音を向かわせる
・結果として、定位の感じ方が上下する
自分の解釈はこんな感じです。
ヒジヤンさん
こんばんは。
解説ありがとうございました。
ヒジヤンさんの考察を下記のように理解しました。
ボード部分で反射された中高音がリスナーの上に行くか下に行くかで定位が上下する。
前提条件としては、ボード以外の床は絨毯等で吸音されている事。
3mS以内の鏡像との合成定位を考えると腑に落ちない部分もありますが、現象としてはそうなっているのですよね。
耳に直接届く一次反射の床の場所は固定されていますから、そこがボード上になるのか絨毯になるのか、はたまたブレンドなのかによって反射量(鏡像の強さ)が変わって合成定位の位置(高さ)が変わるんじゃないかと想像しています。
どちらにしても床に近い高さで聴くよりも床から離れた方が音が良いような気もしますので、先ずは10cm高くしてみますね。
何事もやってみてから。
ですね。
CENYAさん、おはようございます。
>何事もやってみてから。 ですね。
まさにこれかなと、
一つだけコメントさせてもらうと、
「音は光のように直進はしない、(周波数にもより変化するが)球面状に広がりながら進行する」
という点でした。