オペラシティのP席

日記・雑記
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自分がこれまで、東京オペラシティコンサートホールで聴いた経験からは、P席が音が一番いいと感じていました。通常のコンサートホールでは、「P席は安いのだけれど音も視界もよくない」という感覚があるのですが、オペラシティではその常識は通用しないと思っていました。

 

オペラシティのP席の音の良さに気付いたのは、旅のなつかしさから、ウィーン少年合唱団の来日公演に行ったことです。チケットは、ステージ正面のS席が7K、ステージ裏側のP席は1Kでした。この安さにつられたのがきっかけです。ですが、聴いてみると思いのほか音がいいのです。合唱団は客席側を向いているのに、まるでこちらに向かって歌っているように感じました。そして、王宮礼拝堂で聴いた歌声よりもよかったのです。これは・・・・・と思いました。

 

オペラシティは自宅から時間がかかるので、普段は出向かないのですが、またP席で聴きたいと思っていました。そんな折に、チケット救済サイトで半額の出物がありましたので、飛び付いたというわけです。

 

東京交響楽団 東京オペラシティシリーズ第134回

<出演>

アンガス・ウェブスター(Cond)、ジェス・ダンディ(コントラルト)、東京交響楽団

 

<曲目>

・アンナ・クライン:彼女の腕の中で

・エルガー:海の絵 op.37

・ブラームス:交響曲第4番ホ短調 op.98

 

当日に座ったのは、正面から見てパイプオルガンの左側の席です。

この座席からは、ステージ前方は見えますが、後方の金管楽器群や打楽器群は見えません。

正面は、オペラシティの特徴である三角形の屋根が一望でき、1,2,3階の客席がよく見えます。

パイプオルガン前の部分に26席しかないので希少席と言えるかもしれません。

 

さて、コンサートの感想です。

 

①アンナ・クライン:彼女の腕の中で  感動度★★☆☆☆

存命する現代音楽の女流作曲家の作品です。亡くなった母に捧げられたとする、12分ほどの弦楽合奏曲ですが、これが中々面白かったです。5種類の弦楽器が3本づつの編成の演奏ですが、同種の3台の弦楽器が別々の音を出しながら演奏します。多分、一番音数が多くなる部分では15台の楽器が別々の音を出しているのだと思います。遠めに楽譜を覗き込んで確かめようとしたのですが、よくわかりませんでした。演奏する様子が上からよく見えるので、こんな楽しみ方も出来ます。

この優しく包み込むような弦楽合奏の音色とハーモニーを存分に楽しみました。音量も大きすぎず、小さすぎずでちょうど良かったです。

 

②エルガー:海の絵 op.37 感動度★☆☆☆☆

エルガー作曲の歌曲集です。歌曲とは言えオーケストラと歌が対比した曲で、歌の情感とオーケストラのダイナミックさが共に楽しめる楽曲です。体格が日本人の倍はあろうかと思えるジェス・ダンディが歌いましたが、さすがに声量を浴びることは叶わず、子音も聞こえにくかったです。ですが、オーケストラのダイナミックさは1階席の前方でも味わえないほどです。しかも音が綺麗で柔らかい。1階席と2階席の良さを併せ持ったようなサウンドに惚れ惚れしました。

 

③ブラームス:交響曲第4番ホ短調 op.98 感動度★★★☆☆

メインの交響曲は圧巻でした。弦楽器の浮がび上がるようなハーモニー、柔らかく包み込むような金管楽器の音色、腹に響くグランカッサなど、この席でないと味わえないようなサウンドをたっぷりと堪能します。難を言えば、オーケストラの配置が普段聴いている音楽と逆になることでしょうか。ですが、そんなことは全く気にならないほどのハーモニーの渦を味わっていました。

 

やはり、オペラシティのP席はいいですね。

 

オーディオとの対比はしたくなくなりますが、これが私のライフワークですので簡単に記載しておくことにします。

①アンナ・クライン:彼女の腕の中で

・この曲はYuoTubeにしか見当たりませんでしたので、対比は割愛します。

 

②エルガー:海の絵 op.37

ガランチャ&バレンボイム指揮 シュターツカペレ・ベルリン盤 CD

歌声は編集の力もあり、オーディオの方が力も濃密さもあります。しかしながら、オーケストラの柔らかくてダイナミックな感覚は、生が圧倒的でした。ダイナミックさだけなら音量を上げれば、オーディオでも味わえるのですが柔らかな心地よさとの両立は難しいです。

 

③ブラームス:交響曲第4番ホ短調 op.98

フィッシャー&ブダペスト祝祭管弦樂団盤 SACD

こちらは、オーディオで聴くのが嫌になるほど差が大きかったです。ブラームスの交響曲は第1番でも再生に取り組んでみたのですが、やはり生が圧巻でした。ブラームスの交響曲のオーディオ再生は難しいです。

 

久しぶりに聴いた、東京オペラシティコンサートホールのP席でしたが、やはりいいです。柔らかいのに豪快なサウンド、この音にうっとりし、興奮しました。26席しかない希少席となりますが、興味がわきましたら是非聴いてみてください。

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