みなとみらいのRB席

日記・雑記
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面白い音が聴けると感じた横浜みなとみらいホールのRB席でした。神奈川フィルのみなとみらい定期演奏会のRB(LB)席はお得です。自分はチケット救済サイトで知ったのですが、2階のRB(LB)ブロックはB席扱いであり、定期会員になると1公演あたり2100円とのことです。RB(LB)席は、2階席のステージ前端から客席側の24席ほどのブロックです。観るにも聴くにもよいポジションだと思いました。ですが、サウンドばかりは「聴いてみなければわからない」ので、確認のために来たコンサートです。

座ったのは、2階席RBブロック1列3番です。

座席前に設置された手すりがやや気になりますが、ステージの見え方は悪くないです。
自分が座ったことがあるのは、ステージの真上にあるRA(LA)ブロックの前方と後方ですが、RBブロックはやや高い位置にあり、ステージの前上部から見る形になるので見易いです。問題は音ですが、読響やN響のコンサートではこの位置はS席となっていますので、聴くにも悪くないだろうと想像しました。これを検証したかったのです。


みなとみらいシリーズ定期演奏会第390回
指揮:シーヨン・ソン
ヴァイオリン独奏:辻彩奈
オーケストラ:神奈川フィルハーモニー管弦楽団

神奈川フィルの定期演奏会は、以前にみなとみらいホールの1階席前方で会員になっていましたが、演奏がもう一つだったのと、ホール音響もミューザ川崎に聴き劣りしたので早々に解約していました。ですが、大規模改修後の音響と2階のRB(LB)席のサウンドが気に入ったならば、定期会員を復活する考えです。このように言ったら失礼かと思いますが、オーディオとの対比をするのに程よいレベルではないかと思えたのです。そんな狙いでしたので、演奏曲の好みはよそに、音や音響を確認しに来たコンサートでした。

<演奏曲>
①F.プライス/アメリカにおけるエチオピアの影 ※日本初演
プライスはアメリカ初の黒人女性の作曲家で、「アメリカの黒人奴隷と差別の歴史を描いた曲」です。1932年の作曲ですから、近代曲の位置づけとなります。楽章ごとの表現は下記とのことでした。(Wikipediaより)
第1楽章:最初に奴隷としてアメリカに連れてこられた黒人の到着
第2楽章:彼の諦めと信仰
第3楽章:生まれつきの衝動と後天的な衝動の融合

②コルンゴルト/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.35
こちらも、1945年の作曲ですから近代曲の位置づけとなります。コンコルドはオーストリアで生まれ、幼少から作曲を行い神童と呼ばれ活躍したが、ナチス・ドイツのオーストリア併合によりアメリカに亡命。アメリカでは主に映画音楽の作曲をして活躍した。第2次世界大戦後は純音楽作曲家に戻ろうとウィーンを訪れたが、「映画に魂を売った下等な作曲家」とのレッテルを貼られて失意の内にハリウッドに戻ったとのことです。ヴァイオリン協奏曲ニ長調は、ロマン派の香りが強く、映画音楽の引用を含めて20世紀音楽としては非常に親しみ易い曲になっているとのことでした。(Wikipediaより)

③ドヴォルザーク/交響曲第9番ホ短調Op.95「新世界より」
この曲は、ドヴォルザークのアメリカ時代を代表する作品で、「どこかで聴いた音楽」と言える有名曲。

演奏曲は、日本初演の曲から耳タコ曲と言えるような曲までバラエティに富んでいて、「アメリカ」がキーワードとなる選曲されていました。指揮のシーヨン・ソンは韓国人女性指揮者ですが、同じ女性作曲家のF.プライス「アメリカにおけるエチオピアの影」を振りたいために組んだプログラムではないかと想像します。

さて感想です。
①F.プライス/アメリカにおけるエチオピアの影 感動度☆☆☆☆☆
日本初演とのこと。予習をし、中々いい曲と感じていたのですが、何も響いて来ませんでした。予習したのはストリ-ミングから、ジョン・ジーター指揮、ウィーン放送交響楽団 の演奏です。

クラシックの流れをくむ近代曲ですが、テーマのメロディが次々と形を変えて奏でられ、連れて来られた奴隷の気持ちを表す曲です。映画音楽のように親しみやすい曲なのですが、日本初演はもう一つでしたね。

②コルンゴルト/ヴァイオリン協奏曲ニ長調 感動度☆☆☆☆☆
こちらも聴き馴染みのない曲でしたので、しっかりと予習をしていました。ですが、予習する相手が悪かったのかもしれないです。
ムター、プレヴィン&ウィーンフィル盤 DG SACD

この曲の持つ、甘さも押し寄せるようなサウンドもオーディオの方が上と感じました。RB席の音響は決して悪くなかったです。ですが、情感の表現も、音を飛ばす力ももう一つでしたね。この曲では、映画音楽の引用がされていますので、押し寄せるようなスケールが感じられないと楽しめないのです。

③ドヴォルザーク/交響曲第9番ホ短調「新世界より」 感動度★☆☆☆☆
この曲は、2週間ほど前にチェコ・フィルのコンサートを聴いていましたので、期待していなかったのですが、思いの外によかったです。前半の2曲の感想から、ダメだろうと想像していた休憩時間でしたが、あにはからんや最後に聴かせてくれました。自分にも覚えがあるのですが、初めて取り組む曲では思い切りも出ませんし、上手に演奏する技量は簡単に身につくことではないです。「新世界より」では、何度も演奏してきた自信も思い切りも感じる演奏でした。先日のチェコ・フィルと比較すると、弦楽の厚みは遠く及びませんが、この位置から聴く木管楽器、金管楽器、打楽器の鮮度が高い音に耳が惹かれました。第2楽章のオーボエのソロは、郷愁感をうっとりと聴かせてくれて、RB席から聴くサウンドが面白かったです。

ヤンソンス&コンセルトヘボウ盤を帰宅後にオーディオでの聴き直しましたが、「バランスのオーディオ」「鮮度や楽しさの生」と感じました。

今回は楽しかった曲ともう一つだった曲と様々でしたが、2階RB席の楽しさを存分に味わいました。自分好みのサウンドからすると、低弦の厚みが欲しくなりましたので、LB側の方がよさそうです。この席で聴くサウンドが楽しかったので、LB席が取れたら来年度は神奈川フィルのみなとみらい定期会員に返り咲くことにします。

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