10日目 7th Wien – 新たなサウンド指標が決まった

日記・雑記
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ハルシュタットから戻った翌日は日曜日です。日曜は1日3公演のコンサート三昧な日となりますが、この日のコンサートが最高の体験となり、オーディオでの新たなサウンド指標が決まった日でもありました。

2024年3月10日 天気:曇りがちな晴れ
5時:目覚め
7時:朝食
10時半:コンツェルトハウス コンサート
15時半:ムジークフェライン コンサート
19時半:コンツェルトハウス コンサート

10数年ぶりにウィーンに来て、最初の6日間はアパートメントで自由な行動をして、間のハルシュタット遠征は現地のホテルに泊まり、最後の3日間は以前から評判がよかったホテルで過ごします。評判の高いポイントが朝食でしたので楽しみにしていました。

朝食の場所は、「ディナーに適した空間」「明るめな室内」「太陽光がたっぷりなカフェルーム」と3か所ありました。その中で気に入ったのはカフェルームです。

朝食はバイキングなので、好きなものを好きなだけ食べれる幸せを味わいました。

写真は1皿目ですが、初日はうれしくて3回おかわりしましたよ(笑)

ゆっくりした朝食の後は、コンサートに向かいます。マチネはコンツェルトハウスの公演です。日曜の静かな街を歩いてホールまで向かいました。


コンツェルトハウスの公演はウィーン カンマー管弦楽団のコンサートで、シベリウス、リスト、モーツァルトの小編成オーケストラ曲と現代作曲家クトロワッツの2台のピアノの協奏曲第1番です。着座位置は、モーツァルトザール(中ホール:約700席)の2階席中央の2列目です。

予約していた席はもう一つ右側だったのですが、「友人が1席離れた席になったので代わってほしい」と言われたので、座席位置を交換しました。この席からステージの見え方は下記です。中ホールだと、2階席でもステージまでの距離が近いので、演奏者一人一人の動きもよくわかります。


中ホールの2階席で聴く音響は、「実音と響きのバランスがいい」「明瞭で会場全体の響きも味わえる」「音量はやや物足りない」という印象でした。
・シベリウスのシュトライヒャーチェスター即興曲は、大きな広がりと明瞭な音が、静かなこの曲に合っていました。
・リスト ラプソディNo2とモーツァルト セレナーデは音量的にやや物足りなさを感じます。
・白眉は、クトロワッツの2台のピアノ協奏曲第1番でした。作曲者が1台目のピアノを弾き、相方がもう1台を担当します。指揮者付きの小編成オーケストラでの演奏でしたが、作曲者のクトロワッツ氏が全体を指揮していました。その気迫が、離れた客席にもひしひしと伝わって来ます。この演奏は本当に素晴らしかったです。冒頭に現代曲を思わせるフレーズが流れると、民族音楽のようなパーカッションが流れます。その後にリストを思わせる2台のピアノの共演。第2楽章では、ジャズのように軽快なリズムでリズミカルな音楽が流れます。第3楽章はワルツにのり。第4楽章では、ピアノ、オーケストラ、パーカッションによる総奏で盛り上がり幕を閉じました。

演奏に引き込まれるように興奮しています。終演後はホール中に響くような「ブラボー」を腹の底から出しました。

遠くから飛行機に乗ってウィーンまで来ていますので、この感動を求めています。終演後も、帰国後もこの曲のCDがないかと探したのですが今は発売されていないようです。思い出深い曲ですので、この先もウォッチしていくことにしました。

終演後はいったんホテルに戻ってから、次のコンサートに備えて休憩しました。朝食をお腹一杯に食べていますので昼になっても腹持ちは十分です。ムジークフェラインの午後公演に向けて、歩く途中のヌードル店で軽く腹ごしらえをして向かいました。

午後は、昨日に引き続きムージークフェラインでのゲヴァントハウス管弦楽団の公演です。今回の公演は、オールチャイコフスキープログラムで、「シンフォニーバラード」「ハムレット序曲」「交響曲第6番”悲愴”」でした。座ったのは、1階席左バルコニーセンター通路前の1列です。

この席はよかったです。今回のムージークフェラインでは6種の違った位置に座りましたが、一番自分好みなサウンドでした。
・シンフォニーバラードでは、音に圧倒されます。明瞭でダイレクト感のあるサウンドがぐいぐいと迫ってきました。実音と響きのバランスも自分好みです。
・ハムレット序曲では、より激しい曲ですのでダイレクト感に圧倒されていました。
・交響曲第6番”悲愴”では、好きな曲であることもあり、ビリビリと来ました。ピアニッシモからフォルテシモまで明瞭かつバランスの取れたサウンドが曲の良さと演奏の良さを引き立てます。音量も測ってみたのですが、「音量感と計測値は別もの」ですね。同じホールの同じ計測値であっても、感じ方はまったく違います。この位置で聴くゲヴァントハウス公演は、今回7th Wienのベストサウンドでした。


この演奏の後も、腹の底から可能な限りの「ブラボー」を送りました。すると、斜め後ろにいた女性も、「キー」という声を張り上げていましたので、自分と同様に感動した気持ちを表現したかったんだろうと思います。素晴らしい公演でした。

午前公演、午後公演と盛り上がりましたので、これにて終了としてもよかったのですが、夜にはコンツェルトハウス公演も控えています。火照った身体を冷ましながら次なる会場に向かいました。


チェコフィルの2023年から2024年にかけての遠征公演のウィーン版です。同様な演目の公演を日本でも昨年の10月に実施されています。自分も最終のみなとみらい公演を聴きに行きました。演奏曲も主要な曲は同じ「オール ドヴォルザーク プログラム」です。ですから、今日と明日にかけてのチョコフィル公演の聴きどころを、「日本公演とウィーン公演の違い」とおいていました。

1日目の演奏曲は、「ヴァイオリン協奏曲」、「交響曲第8番」他です。座ったのは、1階席左側 横向き席 前方の2列目です。この席は、スウェーデン放送響の時にもう一つであることの確認済でした。音は悪くないのですが、ダイレクト感がなく、音量も思うほど感じないのです。

・ヴァイオリン協奏曲では、ソロのダイレクト感が感じにくくてウトウトとしてしまいました。
・交響曲第8番は、好きな曲でしたので楽しく聴けました。ですが、日本公演はお気に入りのホールのお気に入り席です。対してコンツェルトハウスでは、もうひとつと感じている席です。この条件で比較したなら、日本公演の方が満足度が高かったです。しかしながら、同じ曲を聴いて演奏の違いも感じていました。弦の厚みがあるのは同様です。その上で、日本公演はバランスがよい演奏。ウィーン公演は気迫の演奏と感じました。金管楽器の音が真横から聴いても大きいです。指揮者の動きからも気迫を感じました。時にあやうさも感じましたが、やはりウィーン公演での気持ちの入れ方は違うのでしょう。10日目は、午前午後と感動しまくりでしたので、夜公演に大きな感動はなかったのですが、うならせるような演奏でした。


ウィーンに来て10日目の日曜日は、うならされっぱなしの1日でした。この日の体験から、自宅オーディオ サウンドの新たな指標が決まりました。

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