旅の最後にブダペスト遠征に来た日記の続きです。ウィーンからブダペストへは、チェコの電車(レギオジェット)に乗りケレンフェルド駅に到着するまでは順調でした。ですが、ケレンフェルド駅で購入したチケットが場違いのものであったために、検察官に捕まり罰金を払う羽目になってしまったのが最初の悪夢です。その後は、ハンガリー料理や観光と市場を楽しみ、市内交通のフリーパスも入手出来て、メインイベントのブダペスト オペレッタ劇場に向かったところまでが前回でした。今回で17番目の日記となりますが、この最後の出来事の印象があまりに強かったため、タイトルが「天国と地獄のウィーン」となりました。
帰国日の朝方にウィーンに戻る強行軍としたのは、どうしてもミュージカル カルメンが観たかったからです。ブダペストのオペレッタ劇場行きは、旅行を計画する最初から狙ってはいたのですが、直前に遠征することを決めました。5月9日からカルメンが上演される情報を知った後も、旅程から考えて無理とあきらめていたのです。ですが、ブダペスト-ウィーン間の交通手段を調べる中で、夜中発で朝着の夜行バスがあることを知り、欲を出しました。
ワイルドホーン作曲のミュージカル”カルメン”は日本公演を観て感動しました。このミュージカルはチェコ発ですが、同じ中欧のハンガリーでは何度も再演されていたのです。DVDやYouTubeで何度も観て歌った”カルメン”でしたので、どうしても本場で観たい気持ちがおさまりませんでした。
ブダペスト オペレッタ劇場に来たのは、十年ほど前にミュージカル”エリザベート”を観て以来2度目です。日本の劇場と比べて、こじんまりとしているが派手に感じるのは昔のままです。
座ったのは2列目のセンターで、ステージの目の前で観れて、オケピットからの生音も堪能できる、自分好みのポジションでした。この席はキャンセルが出たようで、出遅れてチケットを確保したから取れたようです。以前に確認した時は埋まっていたので不思議です。もしかすると、年間座席を予約した人のリセール システムがあるのかもしれないと思いました。
会場の特徴としては、センター通路がないため40名ほどの横一線に並ぶ観客の出入りが非常にしにくいことです。こんな座席配置のためか、自然と真ん中付近の人から着座していく慣習となっているようです。
待望の本場で観るミュージカル”カルメン”は素晴らしかったです。ハンガリー語で行われる舞台のセリフはわかりません。ですが、日本版の公演は2回観ていますし、チェコ版のYouTubeも見ていますので、動き、表情、音楽、照明などからどんなシーンかわかります。ミュージカル カルメンでは、恋に落ちたホセを一途に思い、元の恋人ガルシアがホセを殺そうとするのを自分が刺されることで助け、ホセとの愛をつらぬくのです。同じ原作からのアレンジですが、カルメン像がまったく違うことに驚きます。クラシックと現代版の趣向の違いでしょうか。
妖艶なカルメンの演技と歌唱力のすばらしさ、サーカスをそのまま舞台に持ってきたような舞台、最高でした。
この動画は、世界初演時のチェコ版のものですが記念に載せておきます。
https://www.youtube.com/watch?v=z9t_Nz4xrZ0&list=RD3tNVR8KHryw&index=2
ハンガリーの人はミュージカルが大好きみたいです。若い人からお歳の方まで、皆で盛り上がっていました。渦中にいる自分も、後押しされるように興奮しました。
ミュージカルでは、その役に見える容姿も重視されますので、妖艶なカルメン、色男なホセ、悪人ガルシア、可愛いミカエラ、色女なミカエラ母など役柄と見た目もピッタリでした。こんな公演がリーズナブルに観れるのは最高です。しかも、日本の半額、ウィーンの1/3のリーズナブルさです。大満足でミュージカル”カルメン”観劇を終えました。<ホクホク14>
ここまでは天国気分を味わえていました。そしてこれから先に地獄に落ちます。一気に書いてしまおうとも思ったのですが、ラストへの思いが強いので、引っ張るようですがこの先は次の日記にしておきます。
ここまで ホクホク:14 ガックリ:8








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