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ムジークフェラインでブラームスの1番を聴く

日記・雑記
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久し振りの投稿です。

義姉夫婦がロンドンの拙宅に来られた機会にウィーンも訪れたいということで、我々夫婦も同行しました。ウィーンに行くのにムジークフェライン(Musikverein)でのコンサートを聴かない訳にはいきません。イベント・カレンダーを確認すると、ウィーン・フィルは留守でしたが、ロッテルダム・フィルがブラームスの交響曲1番を演奏します。指揮者もオケもよく知らないまま即座に予約しました。

 

ムジークフェラインで聴くのは2008年以来、2度目になります。その後、ロンドンの主要コンサートホールに加えて、ルツェルンのKKL、アムステルダムのConcertgebouw、ブダペストのMüpa、ハンブルクのElbphilharmonie、ベルリンのPhilharmonie等々、欧州の著名ホールを聴いてきました。

それらのホールと比較すると、記憶にあるムジークフェラインの音は、シューボックス型の形状と奥行きの浅いステージの効果が相まって、少し「古い音」の印象がありました。「古い音」と表現したのは、間接音が多く、包み込まれるような臨場感がある反面、音場が平面的で解像度が少し乏しい、JBLやTannoyのような音を想起させるからです。

19:30の開演を前にガイド付きツアーにも参加して、全部で4つあるホールの全てを見学しました。観客の居ない「大ホール」は、木質系の柔らかい響きで、残響時間が2秒ということですが実際はもっと長く感じました。

 

10月6日のプログラムです。

Rotterdam Philharmonic Orchestra

Lahav Shani, conductor

Kirill Gerstein, piano

 

JOHANNES BRAHMS

Tragic Overture in D minor, op. 81

 

BELA BARTÓK

Concerto for Piano and Orchestra No. 3

 

JOHANNES BRAHMS

Symphony No. 1 in C minor, op. 68

 

音楽に関してコメントできるほどの知識は無いので、オーディオ的に述べます。

最初の『悲劇的序曲』は今一つという印象でした。構成は、ざっと見で、弦楽器が44(バイオリン24挺、ビオラ6、チェロ8、コントラバス6)、プラス3管編成の21、打楽器2の総勢67名編成で、ムジークフェラインを音で満たすにはもう少し大きな編成が望ましく感じました。席が平土間の後ろの方(27列目)ということもあり、音が前の方で塊となり、弦楽器の位置を聴感で特定することが難しく、トゥッティでも音が回ってこないと感じることがしばしばありました。

続く『バルトーク』は一転して軽快で分離の良い音でこちらの方が楽しめました。各楽器が色彩豊かに舞うようです。

 

インターバルを挟んでお待ちかねのブラームスの1番です。人員が増えることを期待していましたが、グランカッサを担当していた打楽器奏者が減り66名編成となりました。これではどうかな?と思っていたところ、第一楽章冒頭のティンパニの連打からして音量もリズム感も前半とは全く違います。一気に引き込まれました。第四楽章は圧巻でした。

なるほど、この包まれるような臨場感はモダンな素材で造られたヴィンヤード型のホールではなかなか味わえないものです。

確かに80人ほどの編成ならばもっと厚みのある音が聴けたのかもしれませんが、若い指揮者のダイナミックでキレのあるこのようなブラ1も良かったです。

コメント ※編集/削除は管理者のみ

  1. のびーさん、お久しぶりです。

    ウィーンの楽友教会ホールで聴かれたのですね。羨ましいです。
    自分も最近、このホールの演奏スケジュールを見ているのですが、確か
    ティーレマン&ウィーフィルのブラームスがあったよなと思い、ワクワクして拝見したのですが、ロッテルダムフィルだったのですね。ですが、このホールなら67名体制でも充分ではないかと想像しました。ロッテルダムフィルは少し前に、来日していましたね。日本のホールでの感想文も探してみたいと思います。

    >記憶にあるムジークフェラインの音は、シューボックス型の形状と奥行きの浅いステージの効果が相まって、少し「古い音」の印象がありました。「古い音」と表現したのは、間接音が多く、包み込まれるような臨場感がある反面、音場が平面的で解像度が少し乏しい、JBLやTannoyのような音を想起させるからです。

    そうなんですね。生演奏を聴くホールも、オーディオと同様に好みが分かれますね。自分は、日本のホールですが、ヴィンヤード型は好みに合いません。音が薄く感じてしまうのです。シューボックス型が濃密で好きです。

    ですが、ダイナミックでキレのあるブラ1が聴けたようでよかったです。自分も虎視眈々とウィーン再訪を計画中です。

    好みの違いがあるから面白いのでしょうね。

    • ヒジヤンさん、レスありがとうございます。
      ムジークフェラインはヒジヤンさんのレファレンス・ホールでした!

      私はシューボックス型とヴィンヤード型のどちらにも惹かれるのですが、近年は音場が掴みやすいヴィンヤード型に魅力を感じることが多いかもしれません。ジャーマンフィジックスとJBLを同居させながらGFをメインに使用していることもその嗜好の反映でしょう。

      ただ、どちらの形状のホールでもオケに十分な力量を要求します。特に音量を出せないと、ヴィンヤード型では薄い音に、シューボックス型では音が回らず、臨場感に乏しい結果となるようです。今回、ロマン派の交響曲にはシューボックス型がピッタリくることを再認識しました。

  2. のびーさん ご無沙汰しております。
    気軽にムジークフェラインを訪れることが できるなんて とってもうらやましい!!
    日本は空前の円安! まあ 来年の前半までは それどころじゃないんですが?
    来年には 為替も安定してくれるでしょう。 そうなれば 私も 体験しに行けるかな?
    やはり 音楽は 演奏もですが ホールによって鳴り方,聴こえ方が 随分違いますよね。重厚で 音場感に優れている演奏とホールに出会いたいですね。

    • X1おやじさん、

      こちらこそご無沙汰です。ムジークフェラインはX1おやじさん好みだと思います。

      欧州には著名なホールが数多ありそれぞれ個性があるので、「ホールの音」を味わうツアーというのもアリだと思います。演奏を評価するよりオーディオ的に楽しいです(笑)

      その際には是非、ロンドンにもお立ち寄り下さい。

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