4月25日の昼、ミューザ川崎シンフォニーホール。
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4月に入って4回目、今年15回目のコンサートは、東京都町田市に1975年創立された市民オーケストラ、町田フィルハーモニー交響楽団の第70回定期演奏会だ。
昼過ぎに並んで手に入れた当日券A席指定は1階最後列といっても11列目の真ん中21番というまずまずの座席で、ステージを見るとこんな感じ。
パイプオルガン席には、オーディオ仲間のH氏が席を取っていたというが、この時点ではまだ人もまばら。
ホール天井を見上げると結構な高さがある。
本日の演目は、増井信貴氏の指揮で、前半のプログラムがグリーグ作曲、組曲『ペールギュント』より 「花嫁の略奪とイングリッドの嘆き」、「山の魔王の洞窟にて」、「オーゼの死」、「朝の気分」、「アラビアの踊り」、「ペールギュントの帰還」、「ソルヴェイグの歌」、休憩を挟んでメインがベルリオーズ作曲、幻想交響曲Op.14というもの。
「ペールギュント」といえば荒唐無稽の冒険物語だが、ここ町田フィルは冒頭の曲から一気に物語の中に聴衆をグイグイ引き込んでいく演奏技術の高さを持っていた。
還暦をとうに過ぎた年配の演奏者と脂ののった中年の演奏者が上手くバランスされたオケラで、弦楽器の各トップ3列目あたりまでは本当に演奏水準が高い。管楽器、打楽器群もよく訓練されていて秀逸。
よく統率された各パートは音程の確かさが生み出す綺麗な響きを随所に見せて、聴いていて本当に心地よい。
指揮者の増井氏はプログラム写真で見るよりもずっと年配に感じたが、指揮ぶりは本当にエネルギッシュで、あるときはオケを挑発しあるときは優しくなだめるような仕草で、このオケを完全に手中に収めていた。
メインの幻想交響曲は、一般的なテンポで展開していたが緩慢なところはなく、息をつくまもなくあっというまにフィナーレまで疾走するオケラにあわせて聴衆も一体となった瞬間がそこにあった。
管楽器の音量はもう少しあっても良いかなと思えるところもあったが、ハーモニーと響きを大切に練り上げられたアンサンブルは見事としかいいようがない。
エネルギー溢れる音の洪水がホール中を駆け巡って天井まで駆け上りシャワーのように降り注ぐような感覚はここミューザではお馴染みだが、アマチュアオケでこれだけ満足させられたのも久しぶりである。
演奏会がはねた後、パイプオルガン席で観賞していたH氏と合流し、反省会で軽くビールを1杯やってから帰宅の途についた。
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