東京交響楽団 第57回名曲全集

日記・雑記
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昨日土曜日に続いて5月30日、日曜日の昼のミューザ川崎シンフォニーホール
今日は今年20回目のコンサート、東京交響楽団第57回になる名曲全集の日。

ブログの方もご覧ください。

昨日聴いたモーツァルトマチネが素晴しかったので、今日のコンサートも当日券で聴くことにした。

コンサート開始前にはこのように手回しオルガンの演奏が行われるのが、ここミューザの慣わし。
サントリーホールは機械仕掛けのパイプオルガンが鳴り出すのだが、ミューザは人間が手回しするのが可愛らしい。

日曜日の昼下がりのコンサートなので座席はほぼ完売に近かったが、幸いにもステージ左サイドのC席2LA4列12番を取ることができた。
ここならステージからも程よい近さで、管楽器のベルから出る音は間接的に聞える位置だが、指揮者がよく見える席で3000円とリーズナブルである。
ここから見るステージはこんな感じ。
座席から後方の3階4階席を見る。
ステージからは正面になるが高さがあり音響も良いミューザの座席としては一番距離がある席で、3階席でもB席4000円であることを考えると、ステージ横の席はオケの配置が逆になること以外は、ワインヤード形式ではとてもお得な席だ。

今日の演目は、指揮にユベール・スダーン、シューベルト作曲、交響曲第4番ハ短調D.417「悲劇的」休憩をはさんでメインはシューベルト作曲、交響曲第8番D.944「ザ・グレイト」というオール・シューベルトプログラムだ。

第4番は、1stVn、2ndVnが4プルト、Va、Vcが3プルト、Dbが2プルト、管楽器がいずれも2管編成という室内管弦楽団を思わせる小編成で演奏された。
指揮者は指揮台を使わず指揮棒も持たずにステージに現われ、躍動するような指揮ぶりでオケを引っ張っていた。
指揮者の解釈なのか、バイオリンからコントラバスまでが音が中空に拡散するような、非常に歯切れがよい弦楽器のボウイングが特徴的な演奏。

メインの第8番「ザ・グレイト」は弦楽器の人数が約2倍と拡大されてステージを埋め尽くしたが、管楽器は基本2管編成のままでホルンも3本と最小限とシンプルな編成。
他のオケがこのシンフォニーを演奏する場合は、管楽器が3管編成ホルンも5本と全奏部用のサブを付けるのが多いことを思うと、できるだけシンプルな編成でという、これも指揮者の意向と思われる。

流石に大編成なので指揮者も指揮台の上に立つが、指揮棒を使わないのはユベール・スダーン氏の指揮スタイルか。

最初の4番の歯切れの良い演奏とはうってかわり、叙情的でロマンティックなとても柔らかい響きの演奏で、特に木管楽器ソロパートのアンサンブルが素晴しい出来栄えで、やはり東京交響楽団は弦楽器よりも管楽器が優れているオケだと再認識した次第。
といっても弦全体が弱いわけではなく、チェロやコントラバスは素晴しいけれど、1stVnに比べると2ndVnとVaが僅かに弱く、響きや旋律の絡み合いの部分では指揮者も指示を盛んに出して豊かな響きと対旋律の妙を引き出そうとしていた。

演奏の解釈はオリジナリティがあり、他のどの指揮者とも違う、ユベール・スダーンの「ザ・グレイト」がそこにあった。
1楽章だけで完結しているかのような完成されたコーダを持つ第1楽章。
やや速めのうねるようなリズムにオーボエソロを中心とした旋律が乗った叙情性溢れる第2楽章。
まるでダンスを踊っているごとく体をくねらせる指揮者に合わせて躍動するスケルッツォと対照的にのんびりした響きのトリオが見事な第3楽章。
そして、特徴的なリズムを永遠に刻み続ける弦楽器と木管楽器の掛け合いに、金管群が華麗で重厚な響きを重ねあわせていく壮麗な第4楽章。

演奏時間の長さを忘れて、できれば永遠に、このリズムとメロディの繰り返しの中に身を置いておきたいとも思えるほど素晴しい、ザ・グレイトシンフォニーであった。

土曜日のモーツァルト・マチネーでオーボエ協奏曲を吹いた主席オーボエ奏者の荒絵里子氏が、2楽章の聴かせどころでも大活躍で、演奏終了後に大喝采を浴びていた。

久々にプロオーケストラの演奏会を堪能した週末の2日間であった。

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