町田フィルハーモニー交響楽団第72回定期演奏会

日記・雑記
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単身赴任宅の隣にある公園の桜が今年も満開になった。
例年なら桜の花の下で沢山の人が花見の宴会をするのだが、今年は静かなもの。
おかげで、心穏やかに桜を愛でることが出来る。

ブログの方もご覧ください。

今日は今年7回目、震災以来久しぶりのコンサート。
横浜みなとみらいホールで開かれる町田フィルハーモニー交響楽団の第72回定期演奏会に出かける。
本日のプログラムは、モーツァルト :歌劇「フィガロの結婚」序曲K.492、Vc独奏に東京都交響楽団主席チェロ奏者の古川展生氏を迎えてドヴォルザーク :チェロ協奏曲ロ短調Op.104、休憩を挟んだメインはドヴォルザーク:交響曲第九番「新世界より」Op.95。

町田フィルは、1975年創立以来、荒谷俊治氏の指揮と指導を受け、関東屈指の市民オケとして活動を続けていたが、氏も齢81歳を越えて音楽監督から退かれることとなり、団より桂冠指揮者の称号を贈られることとなり、本日の演奏会が定期を振られる最後だという。
当日指定券を手に入れて入場したのは1階席中央やや左の席。

演奏会に先立ち東日本大震災で亡くなられた方々への追悼演奏として、バッハ:管弦楽組曲第3番より「G線上のアリア」が演奏された。ステージに現われた白髪の荒谷氏は濃紺のスーツ姿で、とても80歳を越えられた歳とは思えないほど確かな足取りで指揮台に上ると、客席に一礼すると演奏を始められた。
ホールに広がる弦楽合奏の調べ。
皆が目を閉じ追悼演奏に聞き入る。

様々な思いが重なってくる。
小生も今を生きている幸せをしみじみ味わいながら、本当に待ち望んでいた生演奏が心にすぅーっと入っていく。
ホールを満たすアリアの調べに思わず涙がこぼれた。

改めてチューニングが終わると、モーツァルトの序曲が演奏された。
荒谷氏の指揮は長身と長い手を生かしたダイナミックなもので非常にわかりやすい。
曲の特徴を的確に捉えた軽やかな演奏を事も無げに披露する町田フィルの実力は相当高いことがわかる。

ドボルザークのチェロ協奏曲では、古川氏のチェロが難しいパッセージも難なく弾きこなす演奏技量も素晴しいが、それ以上に温かみの素晴しい音色で聴衆を魅了した。
氏の演奏をサポートする町田フィルも荒谷氏の的確なタクトさばきで、ものの見事にドボルザークの世界を描ききっていた。
メインの「新世界より」でも、指揮者の意のままに一糸乱れぬボウイング、明瞭に聞き取れる2ndVnとVaの旋律で、このオケの弦楽器の演奏水準は相当高い聞き取れる。
管楽器奏者も粒揃いで、特にホルンの暖かく厚みのある音色が素晴しく、オーボエ、フルート、ファゴット、クラリネットのトップによるアンサンブルも出色の出来だ。
フィナーレまで一気に駆け抜ける疾走感に身を委ねていると、心が開放され音楽に満たされ癒されていく満足感と幸福感。
震災以来、どこかしら不安がつきまとい暗くなり勝ちだった小生も、この演奏を聴いていると元気になって前に進んでいく力を与えられたようになった。

音楽の力は偉大だ。

全ての演奏が終了すると、流石に立ち通しで疲れたのか、ステージサイドに下がる際思わずよろめいた指揮者の荒谷氏を見て観客が思わずどよめき。
その後再び指揮台に上り桂冠を授けたオケに対し、アンコールでモーツァルトの「後宮からの誘拐」序曲を演奏して、コンサートは終了した。

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