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河村尚子ベートーベンシリーズ第1回(PAC大ホール)

日記・雑記
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昨日日曜日のお昼過ぎに、西宮北口にある兵庫県立芸術文化センター大ホールで開催された、表題のコンサートに行ってきました。
当初は一人で行く筈でしたが、知人のデーンちゃんがチケット1枚余っているとのことで、マイミクのCさんが恩恵にあずかることになり、思わぬ形でコンサートオフ会になりました。

開場前に待ち合わせをしたところいつものように雪駄を履いたデーンちゃんが現れました。
なんと!この1週間は広島の西條の日本酒イベントにはじまり四国各地を回って関西入りしたとのことでしたが、疲れなどどこにも見えないタフぶりです。

デーンちゃんとCさんの席はH列の中程やや左寄りでちょうどピアノの鍵盤辺り、小生は一列後ろのやや右寄りでピアノの響きを正面に受ける位置です。

本日のプログラムは、これから2年越しの4回シリーズで行われるオール・ベートーヴェン・プログラム の第1回目となります。
曲目は、前半がピアノ・ソナタ 第4番 、ピアノ・ソナタ 第8番「悲愴」 。
休憩を挟んだ後半にピアノ・ソナタ 第7番 、ピアノ・ソナタ 第14番「月光」 という構成です。

関東圏で開催されたコンサートの感想は、既にベルウッドさんが詳しく日記に書かれていますので、大きな期待を持っていました。

ステージ中央やや前寄りにスタインウェイのコンサートグランドピアノが置かれていますが、既に調律は終えられていました。

新緑のような渋めのロングドレスをまとって河村さんがステージに現れ、演奏が始まりました。
いきなりゴツゴツした硬質の響きと早めのパッセージに度肝をぬかれました。
ベートーベンが楽譜に込めた和音の響きと音楽の構成の意図をあぶり出そうという意図でしようか?
過去何度も河村さんのリサイタルやピアノコンチェルトを聴いた印象では、河村さんは曲のイメージに応じてピアノの響きを自在にコントロールするのに長けていると見えますが、ここまで男性的なゴツゴツした響きとは。

この印象は2曲目の第8番「悲愴」でピークに達します。
とにかく早いパッセージに楽器とホールの響きの収束が追い付かないために、折角硬質な響きでベートーベンの楽譜に込められた構成をあぶり出そうとしているのに、余りに強烈なフォルテッシモの打鍵の強さでその響きが混濁してしまう場面が多々ありました。
このシリーズコンサートは既に関東で数回開催されていますがホールの大きさは千人規模と中規模の会場に対し、今回は2千人規模の大ホールですので、ホールの大きさに応じた響きの収束時間に対応できていない印象がありました。

休憩時間の感想戦でもやはり演奏が速すぎることや、叩きつけるようなタッチに話題が集まりました。
休憩時間にもピアノ調律は行われてませんでしたので、これはピアノのせいではなく河村さんの弾き方だということでしょう。

休憩が終わって後半のプログラムが始まりました。
第7番の冒頭でおや?と驚きました。
音が僅かながら柔らかい透明感のある響きに変化しています。
この曲はニ長調ですので明るさ優しさが表現されているのでしょうが、楽器とホールの響きが綺麗にシンクロしていて柔と剛の対比も見事に表現されていると感じました。
休憩時間にマネージャーなどの関係者から演奏会場での聴こえ方などのアドバイスを受けて対応したのでしょうか?
その印象は最後の第14番「月光」でも変わることはありませんでした。
冴え冴えと輝く月の光の中でモノトーンに浮かぶ広大な湖と湖畔の風景といった「月光」のイメージが隅々まで表現された演奏でした。

曲が終わると一部でスタンディングオベーションが出る程の万雷の拍手がホール内に響きました。
何度もステージに呼ばれた後に弾いたアンコールの前に河村さんからは、このベートーベンシリーズに賭ける意気込みや、出身地であるこの西宮への思い入れと、いつでも暖かく応援してくれる地元のファンや友人達への感謝などで胸が一杯な様子が見られたので、やはり前半のプログラムでは意気込み入れ込み過ぎたのかなぁ?とも思い、次回以降のシリーズも欠かさず聴きに来ようと思わずにはいられませんでした。

アンコールはドビュッシーのベルガマスク組曲から「月の光」がベートーベンの「月光」つながりで演奏されましたが、ベートーベンの冴え冴えとした月光からドビュッシーの柔らかな月の光の朧げな表現に感心しました。
曲が終わり鍵盤の上にかかげた手が降りるまで10秒近くあったでしょうか?
その静寂がまさしく「月の光」の余韻が心のうちに響く時を共有させてくれました。

終わりよければ全て良しではないですが、この静寂のひと時を皆が共有できたのが一番だと感じて演奏会場を後にしました。

まだ16時でしたが夕方には別の会に出席予定のデーンちゃんと別れ、西宮北口北側にある居酒屋でCさんとの感想戦に臨みました。
互いに病み上がりとは思えないほど盛り上がり楽しんだ感想戦、Cさんには小生が行けなくなった今週末のアルテミスSQのチケットを託してお開きとなりました。

楽しいコンサートオフ会を過ごしたデーンちゃん、Cさん、ありがとうございました。

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