ロシアン・カラーズ:カミーユ・トマとユーリ・ジスリン

日記・雑記
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                     2020年07月18日

ちょっとご無沙汰していました。
気ぜわしく6月が過ぎ、7月に入ると大雨。。。
その間、音楽を聞いていないわけではありませんでした。
でも日記に記事をあげようという意欲もわかないというか
毎日なんとなく呆然とした感じで過ごしていたというのが
ホントのところでした。。。
そんな中、ちょっとご紹介してみようかと思うようになったのが
Russian Coloursというフレーズをタイトルに冠した2枚のアルバムです。

1枚目はカミーユ・トマ(チェロ)ベアトリス・ベリュ(ピアノ)による
『A Century Of Russian Colours』(2013)です。

カミーユ・トマは1988年(ベルギー)生まれフランス育ち、
40年以上のドイツ・グラモフォンの歴史の中で初めて契約した
売り出し中の女性チェリストなのだそうで、
先日リリースされた新作『Voice of Hope』では
エベーヌ四重奏団のメンバーだったマチュー・ヘルツォークが
指揮者(+編曲者)として参加しています。
今日ご紹介するアルバムは彼女のデビューアルバムで
個人的には2nd『Réminiscences』(2016)で
彼女のことを初めて知ったのですが
フォーレやフランクの作品をとりあげたこの2ndは愛聴盤でした。
次のアルバムでグラモフォンに移籍
サン=サーンスやオッフェンバックの作品を演奏しています。
このころの溌溂とした演奏ぶりをちょっとご覧いただきましょう。

「Popper Hungarian Rhapsody – Camille Thomas / Stars von Morgen – Rolando Villazón / ARTE TV」
https://www.youtube.com/watch?v=tkg89ne7mMg

前振りが長すぎました。。。
上の動画では2曲収録されているのですが
2曲目はカザルスの鳥の歌なんであります。
渋い選曲なのですが、どちらかというとデビューアルバムは
彼女のそういう面がフィーチャーされた選曲で
ラフマニノフ:チェロ・ソナタ ト短調 op.19はまだよいとしても
カバレフスキー:チェロ・ソナタ 変ロ長調 op.71やら
アウエルバッハ:24の前奏曲 op.47やらは
デビューアルバムの選曲としては、やや異色というか。。。

でも私はスイート・ロマンティックなラフマニノフから
ゴリゴリした中に苦いロマンが散見される後者2人の楽曲にいたる
このアルバムの流れになんだかハマってしまっています。。。

続いては先ごろリリースされた
ユーリ・ジスリン&カメラータ・チャイコフスキーによる
その名もズバリ『Russian Colours』であります。

「Russian Colours – Glazunov Concerto op. 109a arranged for viola and orchestra by Yuri Zhislin」
https://www.youtube.com/watch?v=zSkGDfnCqw8

「ロシア出身のユーリ・ジスリンが
ロンドンで結成した室内オーケストラ、カメラータ・チャイコフスキー
による、19世紀から20世紀にかけてロシアで花開いたロマン派作品集。
ジスリンは演奏だけでなく、アレンスキーを除く全ての作品に編曲を施し、
独自の響きを創り上げています。
ヴィオラと弦楽オーケストラのために編曲されたグラズノフの
『アルト・サクソフォン協奏曲』をメインとし、
チャイコフスキーへのトリビュートともいえるアレンスキー、
そしてチャイコフスキーとラフマニノフによる
お馴染みの美しいメロディを楽しめる一枚」
と、発売元の宣伝を全部引用してしまいました。。。

ジスリンは1974 年生まれ。
ロシアの著名なヴァイオリニスト、グレゴリー・ジスリンを父とし
とプロフィールにあり、
調べてみると、お父上もヴィオラも演奏していたようで
後年は音楽教師として、たとえばダニエル・ホープなんかを育てたそうです。

聞いてみればわかりますが
地味なアルバムです。。。
ヴィオラが全面的にフィーチャーされているせいでもありますが
ゴリゴリ感はまったくないスイートなストリングスが
延々続く感じです。

同じRussian Coloursで、こうも違うのか。。。
と思ってしまいますが
でも不思議や不思議
やっぱり「ロシアの色」は両者に一貫して感じられるのです。
知見も語彙も不足していて、うまくお伝え出来ないのですが
社会主義リアリズムのようなゴリゴリとしたものの奥には
ジスリンが優しいヴィオラで描いてみせたような
実にふんわり切ないメロディアスな「ロシアの色」が潜んでいることを
この2枚のアルバムの聞き比べは
気づかせてくれた感じがしています。

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