啓蟄の音風景:ジョン・ケージからクルターグへ

日記・雑記
日記・雑記
Sponsored Link

今年は初めての投稿です。
たいへん遅ればせながら、本年もよろしくお願いいたします!
ちょくちょくオーディオの取り組みはやっているのですが
まだあんまりまとまったネタがありません。。。
そこで今晩は久しぶりの日記ということで
ほんとに日常のお話の延長線上のつぶやき(X)で
いきたいと思います。

今日3月5日は暦の上では「啓蟄」なんだそうで
でも調べたら、これはほんとは期間を表す用語で、
今日から入りで19日までが啓蟄の期間らしいです。。。
「春の気配を感じて、冬ごもりをしていた虫たちが活動を開始する頃」
といった意味なのですが
個人的にそんな風情に似合う音楽を最近よく聞いているので
それをご紹介したくなっちゃったのです。

その音楽とは、アネリー・ガール(Vn)
クラウス・ラング(keyboard フェンダー・ローズ)による
2010年リリースのアルバム
「John Cage: Melodies & Harmonies」
なんであります。
https://www.youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_l3GDSaRFruu3AGQs58VMVadPVOnCg0ykU

音楽的には、疎密の度合いで言ったら
明らかに疎らな方で
どうも最近、その逆のタイプの音楽が長い時間聞けなくて
こういう音楽を流しながら何か別のことにいそしんだり
そうでなかったり。。。という余暇時間を過ごしていることが多いです。
ヴァイオリンとキーボードのための6つのソナタ(1950)
13のハーモニー(1985)が収録されています。
単純に聞いていて気分が良い音楽で、
フェンダー・ローズとヴァイオリンのかけあいが
土がもっこり盛り上がるのと虫たちがその中から顔を出す感じに
聞こえてきてしまった。。。というわけなのです。
特にフェンダー・ローズっていう楽器の選択に
ひょうひょうとした好ましさを感じています。

さて話題変わって、みなさん
味噌汁の具で菜っ葉を入れるってなったら
何を入れたいでしょうか?
私はなんとなく最近は小松菜なんです。
ちょっとした煮物に合わせるのもいいですしね。
おいしいです。。。

でも人間ばかりでなく、小松菜は虫たちにも一番人気らしく
農家のみなさんによると、いちばん葉っぱを食われやすいのが
小松菜なんだそうです。
獣害にもいちばん遭いやすく、
農家さんのいちばん育てたくない作物ランキングでは
トップとのこと。。。
私が仮に虫であったとしたら
土の中からでてきてまず食べられたら幸せっていうのは
やっぱり小松菜なんだろうな~なんて思ったりして。。。

また話題変わって、昨日から2日連続『クラシック俱楽部』で
ピエール・ロラン・エマールの演奏会をやってました。

バッハ・シューベルトとクルターグのピアノ曲を断片的に
織り交ぜて演奏するというプログラムで
エマール先生も、たとえばバッハは主題の枝葉を拡げていく音楽であり
クルターグは主題むき出しの極限まで切り詰めた表現の音楽だ
とおっしゃってましたが、
そういった正反対の属性をもつ両者の楽曲をミックスすることに
どういう意味(意図)があるんだろう?と訝りながら聞いていました。。。

やはり中心にあるのはクルターグの考え方なのかな~
日常生活のあらゆる様相に曲想を求めた彼の思想を通して
バッハやシューベルトを弾き直してみようっていうことなんだろうと。。。
エマール先生は、クルターグ作品のもつあいまいさが
バッハやシューベルトの楽曲をつなぐのによい働きをするんだ
というようなことをおっしゃっていましたが
クルターグのライトでバッハやシューベルトを照らし返してみる
っていう趣きをやはり感じたということです。

クルターグといえば、
昨日たまたまカルテット・アロドのCDについていた
ドキュメントDVDを見まして

カルテット・アロドの4人がブダペストのクルターグを訪ね
『弦楽四重奏のための12のミクロリュード』Op.13のレッスンを
受ける様子が収められていたのです。
クルターグはピアノと声と身振りでもって指導をしていくのですが
その様がとても優雅で、
ここはベートーヴェンのreminiscenceだなんて言いながら
そのベートーヴェンのフレーズをピアノでポロンポロンやったりして
ああ、こういう風に歌わせるんだ~っていうのがよく伝わってきました。
で、驚いてしまったのが、その収録の後半、クルターグは
一部のフレーズを1オクターブ下げて弾くように
第1ヴァイオリンに提案するのです。
その印象が好ましかったのか、彼はその場で
1オクターブ下げるように楽譜を改変してしまうのです。
これにはアロドの4人もびっくり!
でもそういう一連の様子がとってもカッコ良かったです!
クルターグは、音楽に対しては厳格な先生かもしれないけれど
一方でとても開かれている感じがして感動してしまいました。。。

ううっ、これで私の中で眠っていた音楽愛好の虫が目覚めるか?
そんなことを書きながら考えていたのですが。。。
でも小松菜の夢を見る虫みたいなやつではやっぱりダメかな~。

コメント ※編集/削除は管理者のみ

タイトルとURLをコピーしました