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オーディオと実演 – 好きな音

日記・雑記
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オーディオと実演の活動は似ていると感じる日記も「好きな音」編で最後となります。

「正確な音」・・・楽譜通りに正確に演奏できるようにすること

②「いい音」 ・・・楽譜通りの正確な音程だとしてもいい音と感じるか否かはオーディオをやっているひとなら誰もが感じていることです 第1回第2回第3回

③「好きな音」・・・こちらは個性の部分。個々の音楽性を発揮する部分でもあります

 

③の好きな音とは、好みの領域となり、個性を発揮する部分にもなりますね。代表的なことでは、同じ楽譜を使っても指揮者の解釈は様々です。演奏の緩急や強弱などを組み合わせながら自分の音楽を作っていきます。声楽だって同じです。聴く人に伝えるために、どんな緩急や強弱、そして音色とするとより伝わりやすいかなどを考えて作り込んでいきます。一例では、オペラの女王と呼ばれるマリア・カラスは、「演じる役になり切った歌声が素晴らしい」と言われています。

 

音楽を聴く側から考えると、「ホールの真ん中あたりで聴くのが好き」「前で聴くのが好き」「後ろで聴くのが好き」など様々です。これはいい悪いではなく、好き嫌いの話になりますね。

 

指揮者や演奏者の話も同様かと思います。指揮者では「フルトヴェングラーが好き」「カラヤンが好き」「小澤征爾が好き」など様々ですし、オーケストラでは、「ウィーンフィルが好き」「ベルリンフィルが好き」「コンセルトヘボウが好き」など、ヴァイオリニストでは「ムターが好き」「ヒラリー・ハーンが好き」「イザベル・ファウストが好き」など本当に様々です。楽器においても、「スタインウェイがいい」「ベーゼンドルファーがいい」「ヤマハがいい」などと言われますね。

クラシック音楽では、同じ楽曲を異なる指揮者や奏者が演奏するのが普通です。同じ演奏者であっても、演奏年度や演奏場所などでも聴く音は様々ですね。ですが、最初に聴き込んだものがスタンダードとなり、「好きな音=いい音(自分にとっての)」なるケースが多くあると感じます。このスタンダード化したものを超えて、新たな「好きな音=いい音」とするのは結構なハードルがあるものです。ですので、古くからのクラックファンには、未だに「フルトヴェングラーでないと・・・」などと言われる人がいると推測しています。

他方、ポップスでは最初に歌った人がオリジナルで、他はカバーなどと言われることが多いです。それだけ個性が重んじられる音楽なのかと思えたりもします。

 

オーディオにおいては、「JBLが好き」「B&Wが好き」「ソナスファベールが好き」や、「マッキントッシュが好き」「マークレヴィンソンが好き」「アキュフェーズが好き」など再生機器に対する好みが様々にありますね。「ホーン型が好き」「無指向性が好き」「平面バッフルが好き」などは、「いい音」編の様々な歌い方:「歌のおねえさん」「ミュージカル」「オペラ」「幼稚園の先生」にも通ずることのように思えました。同様に「高音フェチ」「低音フェチ」などの言葉があるように、どの帯域に感性が揺さぶられるかも人それぞれのようです。

 

ですが、オーディオの場合も「自宅で聴くサウンド」や「最初に聴き込んだ音」が自分のスタンダードとなり、「普段に聴く音=好きな音=いい音」となるケースも多いのではないかと思います。もっと言えば、「好きな音=正しい音」などと飛躍するケースもあるのではないかと感じています。趣味ですから自分が気に入ればそれでよいのですが、他者への押し付けをするのはいただけないですね。まして、それが正しい事かのように振舞わるのは、受けるのも見ているのも感じのいいものではありません。

 

今回も話が飛躍してしまいましたが、自分の「好きな音」を見つけられればそれで本望ですね。「好きな音探し」、これも大きなテーマです。ただコミュニティの中では、「正確な音」「いい音」「好きな音」と区別しながら話を進めると、より発展的な会話が出来るだろうと思います。

 

今回は自分がやっている声楽/オペラの活動から学んだこととオーディオを対比しながら思うことを書いてみました。普段から感じていることも、こうして文章化すると頭の整理になりますね。エッセイのすすめではないですが、他のテーマについても思うことを書いてみたいと思いました。

コメント ※編集/削除は管理者のみ

  1. ヒジヤンさん、こんにちは。

    「好きな音」シリーズをオーディオから実演まで拡大し深堀りされましたね。

    オーディオの議論や思考の場で上手く噛み合わないことがあります。そのような時に、これは「正確な音」の話かそれとも「好きな音」の話か等、次元を揃えると上手くいくのではと考えました。

    まあ、通じない人にはどうやっても通じないし、実際は境界が曖昧なのですが、「だから楽しい」くらいに考えてポジティブにいきたいです。

  2. のびーさん、コメントありがとうございます。

    >オーディオの議論や思考の場で上手く噛み合わないことがあります。そのような時に、これは「正確な音」の話かそれとも「好きな音」の話か等、次元を揃えると上手くいくのではと考えました。

    本当にそうですね。話の次元や指標を揃えれば議論がそれほどズレることはないのでしょうが、価値観の違いが壁になってしまうように感じます。

    >通じない人にはどうやっても通じないし、実際は境界が曖昧なのですが、「だから楽しい」くらいに考えてポジティブにいきたいです。

    さすが前向きですね。自分は一旦は努力しますが、無理と思ったら切り捨てる性分です。人付き合いもあまり得意ではない方ですし。思索した結果を検証するのが好きみたいです。

    その面、「指標に対する正確性」「絶対評価的な良し悪し」「自分の好み」に区分して考えるのは何においても共通して活用が出来ますね。よい切り口だと思います。

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