ハーベス部屋を後にしてワクワクしながらJBL部屋に向かいました。事前の日記でのお惚気が半端ではなかったからです。
「JBL部屋最終形態完成!の巻」では、
『肝心の音は?!いかにも現代風にS/Nも良く解像度が格段に良くなりました。マッキントーンは相変わらずの音色なのもマッキンユーザーの期待を裏切りません!』『JBL部屋のバズケロサウンドではジャズが本命なのですが、今回ピカイチの出音はモノラルレコード再生!本当に心底惚れ惚れするようなモノラルジャズサウンドに魂持って行かれました…、これに対してステレオレコードはジャズとクラシックやボーカルやロックがメインなので中庸で無難なバランスですがそこはマッキンサウンド!これも惚れ惚れする出音にゾッコンです。そしてCDPは高解像の賜物としてSACDが別格感を醸し出してくれました。これもアナログでは到達できないクリアな音場や音の深さ、情報量の多さとワイドレンジでストレスフリーな音楽に無我夢中になれます。どの入力カテゴリーも優劣つける必要もなく素晴らしい!というのが最大の喜びでした。これからのJBL部屋が無茶苦茶楽しくなるC53への更新となりました。』
「JBL部屋アナログ・面白アース!の巻」では、
『このところ春爛漫!散歩道の桜は咲き誇り、先週下手くそだった鶯の囀りもホーホケキョ!オーディオも楽しくてウキウキ気分のバズケロです。』
もう勝手にして頂戴と言いたくなるような浮かれ様ですね。でも、これが本当にバズケロさんが聴いている音なのだとオフ会が終わった数日後に気付きました。
青い光に照らされたJBLとマッキントッシュのアンプ群が眩しいです。
早速のようにリクライニングチェアに座ると、今回ピカイチの出音と言われるジャズのモノラルレコード再生でした。ソニーロリンズのサキソフォン・コロッサスがかかりました。「確かに出音の鮮度が上がっています」ですが、ジャズ聴きでない自分には、目を閉じて聴くモノラル再生は、中央に凝縮した感覚で楽しく感じませんでした。そこで求めるサウンドの話になりました。
バズ:「ぎゅっと凝縮したような濃い音が好きなのです」
ヒジ:「でも、中央に凝縮してしまうと濃くはなるのですが、臨場感がありませんよね」
バズ:「そうですか?私は広がりも感じますが・・・」
そこで、目を開けて聴いてみると、
ヒジ:「確かに広がりますね」「目を閉じるとセンターに凝縮しますが、目を開けると広がって聞えて臨場感が出ます」
何年も付き合ってきたのに、ここでようやくバズケロさんの好みがわかった気がします。今回は「鮮度命!」と何度も語られていたことも理解の助けになっていました。
ヒジ:「バズケロさんはライブハウスで聴くような音が聴きたいのですね?」
バズ:「そうなんです。海外生活をしていた時のジャズライブの体験が忘れられなくて・・・」
なるほどと思いながら、ステレオのアナログ再生に進みました。
レイブラウンのソウラー・エネルギーです。
この音源では「鮮度が高く、音像も広がり、濃いサウンド」を聴かせてくれました。
さすがにお惚気の新生JBLサウンドだと。
続いてはデジタル再生でしたが、この辺りから不穏な空気が流れ始めました。
どの音源かは忘れましたが、クラシックのチェロのソロでした。一通り聴き終えた後で、
「鮮度が高いですね」「ですが、チェロの響きが右に流れるのが気になりました」
この感想を述べると、バズケロさんは険しい目つきに変わりました。
バズ:「チェロが右から聴こえますか?私にはセンターに聴こえます」
ヒジ:「響きが右に流れて聞えるのです」
バズ:「この音源は左にチェロで右にピアノの配置です。右から聴こえるはずないです」
ヒジ:「ですが、右に響いて聞えましたよ」
バズ:「なら別のトラックをお聞かせします」
ヒジ:「このトラックは、センターにチェロがいて、やや右にピアノの配置ですね。」「右に流れる響きは感じませんでした」「ただ、最初のチェロのソロの方が鮮度が高く感じました」
バズ:「そうなんです。1曲目のチェロの鮮度が高いので選びましたが、右からは聞えません」
かなりの間やり取りをしていたのですが、これは実際に聴いて確認するしかないと思い、バズケロさんにリスニングポイントに座ってもらい同じ曲を聴き直してもらいました。
バズ:「右からは聞えませんでした」
ヒジ:「響きの部分ですよ」もう一度聞いて・・・「この部分です」
バズ:「右からは聞えません」
ヒジ:「でしたら、この音源は拙宅に持ち込んで聴いてみましょう!」
そう言えばと思い出したのが、自宅のオフ会でgenmiさんからホルンの響きのアンバランスを指摘された時に、自分も聴き直したが認識できなかったことです。なぜだろう?と頭の中がグルグルしました。
何かお互いにモヤモヤした状態で試聴は進みました。この響きの流れのことは、翌々日も同じ話をされていたので、かなり気にされていた様子だったのです。
お勧めの音源をジャズ、クラシックと数々聴かせてもらった後で持ち込み音源タイムとなります。
これらの中から、最初に幸田浩子のアヴェ・マリアを聴かせてもらったと思います。
「鮮度が上がったような気がします。」「コントラバスの一打毎の安定度はハーベス部屋の方が高かいように感じました」「歌声が少し薄く感じます」
この感想には、バズケロさんも納得されたようです。
そしてカノンです。
ここでハプニングが起こりました。冒頭の左から順番に鳴るはずの第1ヴァイオリンから第3ヴァイオリンまでのカノンが、全部右から聞こえてきたからです。
ヒジ:「これはおかしいです」「一番最初にバズケロ邸で聴かせてもらった時にも、左→真ん中→右とカノンが流れていたのに、今回は全部右から聴こえます」
バズ:「最近、アッテネーターのバランスを弄っているので、そのせいかと思います」「直しますのでちょっと待ってください」
リスニングポイントで聴きながら、何度も何度もアッテネーターのバランス調整をし直しましたが、やはり右寄りから聞こえて来ました。
バズ:「今日はこれ以上は無理なので、後で直すことにします」
こちらも消化不良でしたが、先に進むことになりました。
このような状況でしたが、今回目玉の現代音楽であるリゲティ弦楽四重奏/ディオティマ盤と”Credo”を聴かせてもらいます。
リゲティ弦楽四重奏では、弦楽四重奏の配置がバラバラだったので中断しました。
”Credo”では、左の女声の合唱はオーケストラを乗り越えるような勢いのある歌声がよかったのですが、右の男声の合唱がウーファーの位置から聞こえてきて首が傾く感じでしたので中断しました。
やはり課題曲として聴き込んでいるものは耳が立っていていけません。なぜこうなったのかは、バズケロさんからの情報もいただき後で理解することになりました。
このままでは終われないと言うことで、バズケロさんのお勧め音源であり、生涯の課題曲とされているとお聞きした、マイケル・ティルソン・トーマスの”マーラー交響曲第8番(千人の交響曲)”を聴かせてもらいます。
こちらも合唱がメインの曲でしたが、混声合唱だったためか高い位置からオーケストラを飛び越えるように歌声が鳴り響き、大迫力のマラ8でした。
ハーベス部屋のたぐいまれなる進化度合いと、JBL部屋の鮮度アップ、そして数々の認識を深めるサウンドを聴かせてもらった2023年GWのバズケロ邸でした。ですが、お互いに何かモヤモヤとしたものを抱えながらお開きとなった初日だったと思います。
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ヒジヤンさん、こんにちは。
すでに謎が解き明かされていてヒジヤンさんが仙人の領域に足を踏み入れていることを知りながらも、読んでいてもうヒヤヒヤものでした(笑)
JBL部屋の今回のキーワードとしては『鮮度アップ』だったのですね。
あのサウンドに鮮度が増しましになったら一体どうなっちゃうのでしょう???
でもヒジヤンさんのいつもの課題曲がことごとく「失格」になった理由が早く知りたいですね。
また言っちゃいますが、オーディオって難しいですよね~
オーディオや音楽の経験値、様々な制約、どのように聴こえたら正解なのか? そして、どのように聴きたいのか?
続編を楽しみにしています(笑)
genmiさん、コメントありがとうございます。
この相互交流の雰囲気を知っている、と言いますかバズとヒジのやり取りを身をもって知っているgenmiさんは日記を読んでも臨場感が湧くでしょうね。ですが、今回のバズケロさんの雰囲気は今までとは異なり、目が怖かったんですよ。きっと自信を持って望まれたんだろうなと感じました。
>JBL部屋の今回のキーワードとしては『鮮度アップ』だったのですね。あのサウンドに鮮度が増しましになったら一体どうなっちゃうのでしょう???
これはきっとgenmiさんはわかっていて書いたものだと思うのですが、読む人が勘違いするといけないので補足させて下さい。
<<何かを変えると最初はよい面を感じて嬉しくなるものだが、失われたものがあることに後で気付くものである。特に機器を替えたときは、それまでの追い込みをしていた人ほどバランスが崩れるので、よい面を生かしながら失われたものを修復するには時間と労力が必要になるものである>>
だから機器は替えたくないよね~、なんてバズケロさんとも何度語り合ったかわからないのですが、いざ自分のこととなると容易に落とし穴に嵌ってしまうものなんですね。
そんな教訓を自戒するためにも枝葉も含めて記録しています。
>また言っちゃいますが、オーディオって難しいですよね~
本当にそう思います。念には念を入れたつもりでも落とし穴があるものなんですよね。それを見つけても言い合える仲と、言えない関係もあるという話題もこの交流の中で沢山しました。
今回は二人でしたし、お互い煮詰まってきていて、歳もとり頑固になったので、かなり激しかったかもしれないです。
まだまだ続くオフ会の記録を楽しみにしていて下さい。
ヒジヤンさん
いよいよJBL部屋バトルの感想が出てきましたね。
この項が今回の一連のオフ会ツアーでの重要なポイントに繋がるのです。
さて、今回は少し補足が必要かなと思いましたので以下ちょっと背景の補填をしますね。
大前提として、機器の更新をしたが、ヒジとバズが聴いているポイントが合わなかった。
これがキーワードになります。
バズケロは今回は鮮度と解像度が改善されたことによる可能性にウキウキしていた状況で完成度はまだまだ手に負えない状況である旨を前持ってお話ししていました。
「今回はハーベスがメイン、JBLはおまけ」という感じです。
バズケロはジャズを楽しむための最重要事項の鮮度に注目してアナログを先に仕上げていった段階でのお披露目で、クラシックについては前回からの継承のままで手付かずでしたから、課題がたくさんあることは重々承知という状況です。
だけどバズケロには前よりいい音に聴こえているのがミソ。
何を優先的に取り組んだのか?!これがポイントの一つ目。
そこに加えて…
バズケロ宅へ遊びにいらっしゃるお客様の9割以上は何故かクラシックマニアです。
それもあってこれまで長年バズケロはオフ会で日常的に楽しんでいる本気ジャズを鳴らすことはほぼありません。
皆様に馴染みのある演目が主体で、後は持ち込み音源を倒しんでいただくといったように、バズケロのオフ会はホームであってアウェーという不思議なスタンスです。
こうした交流経験がクラシック音痴のバズケロのJBL部屋でクラシックが楽しめるようになった大きな糧になっています。
ヒジヤンさんが自宅のジャズがなるようになったと言われていたこともあって、せっかく楽しく聴けるようになった自分の日常の本気ジャズ音源の一部をお披露目したのですが、ウケがあまり良くない訳です。
今回は出だしから全く歯車が合わなかったのですよね〜
ポイントの二つ目なのですが…
ヒジが真っ先に気にしたのが、クラシックの音場バランスの基本の部分。
ヒジヤンさんにとって少なくともクラシックのチェック音源のバランスくらい整えておくのがオフ会の最低限のマナーというほど大切にしているポイント。
ところがバズケロは鮮度と解像度命でジャズを聴いていて舞い上がっていたので、クラシックの基本的な音場バランスは初めから聴いちゃいないというのが今回の顛末の根元になりますよね。
だからヒジには聴き取れる音がバズには全く聴こえないという問題がクローズアップされてきたのです。(当然ながらその逆もある訳です)
要するにオーディオを仕上げる過程での優先順位が二人で全く違うというのが面白いところで、ヒジヤンさんのバズケロサウンド感想が毎回天地ほど評価にばらつきが生まれる理由なのです。
今回の深さに至る途中経過を眺めるだけでは、皆様ヒヤヒヤしますよね〜
いずれにせよ今回は一種のオフ会タブーに踏み込んだ意見のやり取りが重要でしたね!
この先の思考展開や得られた成果日記も楽しみです!
本当に音楽とオーディオって人ありきで面白い!!!
では、では
バズケロさん、おはようございます。
深淵なる沼に入り込む序曲が鳴り始めました。
<<大人になると結果がすべて、でも結果を出すためにはプロセスが大事>>
そんなことも身をもって体験できたオフ会でした。
>大前提として、機器の更新をしたが、ヒジとバズが聴いているポイントが合わなかった。
これはそうなのですが、「合わなかった」というよりは、「そもそも違う」の方が正確な表現かと思いました。
>今回は出だしから全く歯車が合わなかったのですよね〜
これもそうなのですが、「そもそも音楽の聴きどころ、楽しみ方が違う」の方が正確な表現かもですね。
>要するにオーディオを仕上げる過程での優先順位が二人で全く違うというのが面白いところで、ヒジヤンさんのバズケロサウンド感想が毎回天地ほど評価にばらつきが生まれる理由なのです
ここも少し見解(表現かも?)に相違がありますね。サウンド作りの順番が違うのです。
ヒジ:正確な音→いい音→好きな音
バズ:好きな音→いい音→正確な音
そして、求めるサウンドの違いですね
ヒジ:クラシックの原体験
バズ:ジャズの原体験
◇そんな違いは誰にでもあることなのだけれど、そこを理解して音を聴かないと、相手が出している音を正確に聴くことは出来ない
こんな教訓が自分の得た成果でした。
違いを知ることから相互理解が始まるんですね。
互いの思考の違いも楽しみながら、この先も今後も切磋琢磨してまいりましょう!