「皆さんは、楽器を弾いたことがありますか?」で始まる、音楽演奏家に向けた内容です。ですが、オーディオ演奏家にとっても、とても参考になると感じましたので、紹介のために日記にしました。
楽器の科学 美しい音色を生み出す「構造」と「しくみ」 (ブルーバックス)
著者 フランソワ・デュボワ (著),木村 彩 (訳)
内容は、楽器を題材にして「種類」「倍音による音の違い」「共鳴の活用」「コンサートホールの科学」「演奏の極意」などがまとめられています。ですが、読んでみるとオーディオで鳴らすことも同じであると思いました。
<目次とポイント>
プレリュード──音楽は「五線譜上のサイエンス」
・音楽の「縦軸」と「横軸」・・・<オーディオ再生に置き換えるとどうなる?>
・「ハーモニー」とは何だろう?
第1楽章 作曲の「かけ算」を支える楽器たち──楽器には5種類ある
・音楽には「縦軸」と「横軸」があり、縦軸は「かけ算」によって、横軸は「足し算」によって成立している
・楽器を分類する科学・・・コミュで問いかけのあったピアノは弦楽器か打楽器かも記載されていました
第2楽章 楽器の個性は「倍音」で決まる──楽器が奏でる「音」の科学1
・音とはなんだろう
・「音の高さ」とはなんだろう
・決められた基準音
・「音色」とはなんだろう
・振幅包絡とはなんだろう
◇音の勉強をしている人には「基礎知識」かと思いますが、楽器演奏を題材にしているのでより具体的です。
第3楽章 楽器の音色は「共鳴」が美しくする──楽器が奏でる「音」の科学2
様々な楽器の音色の秘密が書かれています。
第4楽章 「楽器の最高性能」を引き出す空間とは?──コンサートホールの音響科学
カーネギーホールの改装事件の話は、特に興味を惹きました。
・名音響だったカーネギーホール
・改装したら音響がひどく劣化した
・原因はステージ下のコンクリート層
・コンクリート層を撤去したら名音響が戻った
・が・・・コンクリート層は最初からあったことが発覚した
・では、なぜ名音響に戻ったのか・・・
第5楽章 演奏の極意──世界的ソリスト10人が教えるプロの楽器論
【Q1】あなたにとってのよい楽器とは、どういうものですか?
【Q2】あなたとあなたの楽器との「関係性」について教えてください
【Q3】今まで演奏してきて、最高の(あるいは最悪の)音響体験はありますか?
◇チェリストの長谷川陽子さんの回答は、オーディオマニアと同じだなと、
【A1】・・・弦楽器は、”銘器”とよばれるものに出会える確率が低いうえに、その楽器にとっての最高に相性の良い弓にも出会わなければなりません。そして、楽器にベストマッチな弓を手にしたら、今度は備品関係の整備も必要です。弦の種類や弓の毛の質や配合、エンドピンやテールピースなど、部品のひとつひとつによって音色は変化します。おびただしい数の組み合わせを試して、トライ&エラーの連続。そうやって少しずつ、最高の楽器になっていくのです。
さらに、その楽器を「良い楽器」に育てるのは、弾き手次第です。数年越し、あるいは10年以上かかる、長い楽器との対話が必要であり、その行程で少しずつ楽器の心が開いてくれるときに、演奏家としての最高の幸せを感じます。
◇オーディオ演奏家にぴったりな内容だと思いませんか?
コメント ※編集/削除は管理者のみ
ヒジヤンさん、こんばんは
レス頂いたお返しもあり、勿論、興味を引かれる内容なのでレスいたします。
>・音楽の「縦軸」と「横軸」・・・<オーディオ再生に置き換えるとどうなる?>
この本大変面白そうですが、オーディオとの対比も書かれているんですか?それならもっと、面白そう!!
>・音楽には「縦軸」と「横軸」があり、縦軸は「かけ算」によって、横軸は「足し算」によって成立している
それとこの縦軸、横軸、掛け算、足し算は興味津々です。周波数/倍音・・掛け算、時間軸が足し算ですかね??前線違うかも(笑)
楽器やコンサート会場の音響と倍音・残響の関係、音響心理を科学しているんだと想像します。そのうち、是非探して読んでみたいと思います。
Tomyさん、コメントありがとうございます。
この本は面白いですよ。でも、残念ながらオーディオとの対比は書いていないですね。
この日記は紹介のために書きましたので、あえて自分の感想や考えは控えめにしました。興味が湧くポイントは人それぞれですからね。
で、「オーディオとの対比」や「自分の感想や考え」は追々日記にしようと考えています。記録しておくことと、もし読んだ人がいたら意見交換できたらいいなという思いからです。
>楽器やコンサート会場の音響と倍音・残響の関係、音響心理を科学しているんだと想像します。
その通りです。
自分はAmazonで頼んだらその日のうちに届きました。是非読んでみて下さい。