2chとサラウンドとAuro-3Dと – donguri邸

日記・雑記
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donguri邸初訪問日記の続きです。

前半の歓談と試聴に盛り上がったので、すぐにお昼の時間が来ました。

近くにある「三分一湧水」の蕎麦屋に向かいます。人気があり早めに行かないと混んでしまう、とのことで早々に向かったのですが、すでに満席です。待ち時間で、三分一湧水観光をしました。

夏でも日陰に入れば快適でした。そう言えば、donguri邸にはエアコンは付けていないとのことです。1000mの高地となるので不要とのことでした。窓を閉め切っても快適にオフ会が実施できる環境は素晴らしいです。車で向かう途中も「電源がよさそう」「音量も気にしなくてよさそう」「自分もこんな場所でオーディオがやりたい」と考えていました。本当に恵まれたオーディオ環境ですね。水か綺麗なためか、お蕎麦もとても美味しかったです。

 

さて、後半です。

持ち込み音源を促されたので、自分のセッティング用のCDで2chの追い込みレベルの確認をさせてもらいました。

①スティーブ・アーキアーガ / Cafe Paradiso CD

このCDはギターが多重録音された音源で、「左右のスピーカーの焦点合わせ」に使っています。donguri邸はピタリと合っていました。確認の主旨に反すると思い、当日は言わなかったことを一つ思い出しました。「ギターの音色がかなりきらびやかだった」ことです。多分、アキュフェーズの音が出ているのだと思います。2chの弦楽器の音は、一様にきらびやかな音色だと感じたからです。

 

②幸田浩子 / カリヨン CD

この音源では、「チェロ、コントラバス、ストリングスの定位」「歌声のブレのなさと前後位置」を聴いて再生の正確性を確認しています。donguri邸はすべて合格です。特筆すべきは、コントラバスのピッツィカートが全打共に、同じ音量で鳴っていたことです。4打目の開放弦が膨らむケースが多く見受けられますが、全打同じ音量で聴けるのはかなりの煮詰まりレベルだと思いました。定在波対策を自前のルームチューニングで実施した証になりますね。素晴らしいです。

 

③オルフェウス室内管弦楽団 / カノン CD

この音源では、「冒頭のコントラバスとチェンバロの沈み込み」「第1ヴァイオリンから第3ヴァイオリンまでの流れの定位」「実音と響きのバランス」を確認しています。聴き終えて最初の感想は、「おしい」でした。コントラバスとチェンバロの沈み込みをクリアして、第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリンまでクリアしたのですが、第3ヴァイオリンが左から聴こえました。だから、「おしい・・・」と言ったのですが、この感想にはdonguriさんは納得しません。どれどれとご自分で確認したところ、「第3ヴァイオリンは右から聴こえます」とのコメントです。あれ、と思い再度自分も確認したところ、第3ヴァイオリンは右から聴こえました。

どうやら原因は、最初に聴いた時は二人が横並びに聴いていたためで、一人で聴くと第1から第3ヴァイオリンまでの定位の流れは正確に再生されていることがわかりました。

上記の確認から、「正確性」は申し分なしだと思います。

 

基本的なことがクリアされたので、次は難曲です。

④マイケル・ティルソン・トーマス&サンフランシスコ交響楽団 / マーラー交響曲第8番 5ch SACD

「千人の交響曲」と呼ばれるこの難曲は、2chの再生から始まりました。

2chでも十分なスケール感を感じさせてくれました。ですが、やはり小型スピーカー2本で数百名の合唱を鳴らすのは無理があります。スピーカーが悲鳴を上げる寸前と感じ、室内音響的にも飽和しているように感じました。音量が大きすぎたかもしれないです。

 

では、ネイティブのサラウンドで聴いてみようということになりました。

サラウンドは素晴らしかったです。スピーカーが無理をしている感覚もなく、飽和感もありません。広がりも十分で、やはり大編成オーケストラはサラウンド再生に大きな優位性がありますね。

ならば、5chをAuro-Maticとしたらどうなるかも試します。

部屋中が音で溢れかえる感覚でした。風呂場の音響が好みの方には合うかもしれませんが、一つ一つの音が不明瞭となり、やはりネイティブな再生が合うことの確認となったと思います。

 

続く難曲は、Credoです。

⑤グリモー / Credo 5ch SACD

皆様ご存じの難曲です。この曲は、5chのサラウンドで鳴らしました。

合唱やピアノの質感が見事です。更には、合唱が後ろからも聞こえ、まるで教会で聴いているようなサウンドでした。中間のガチャガチャとした部分も過度にうるさい感じはなく、ラストの左に女声で、右に男声と別れる合唱のスケールと解像度も申し分なかったです。

 

サラウンドでここまでの臨場感や解像度が出せると、Auro-Matic化ではどうなるかの確認もしました。音のキレや解像度が落ち、3次元的な広がりも大差がないように感じました。

続いては、Auro-3Dのネイティブソフトです。

Auro-3Dのネイティブソフトは数が少ないとのことで、フォッサマグナツアーの課題曲からの選曲となりました。

⑥”MAGNIFICAT”教会音楽 Blu-ray Audio

こちらはAuro-3Dネイティブな代表音源ですね。Auro3Dさんがいつも提示されているので、既視感満載なソフトです。

もちろんAuro-3Dでの再生から聴きました。

臨場感満載で、教会で聴く感覚を大きくデフォルメしたサウンドと感じます。気になったのは、合唱の歌声が第2層の部屋の中間部あたりまで上がってしまうことでした。

そんな感想を告げると、donguriさんがサラウンドの再生をされました。

すると、上方から聴こえた合唱が地に足をつけました。お風呂場感は減退するものの、donguri邸ではサラウンド再生の方がよかったです。

続いてJAZZのAuro-3Dのネイティブソフトが鳴らされました。

 

⑦”Polarity” / Jazz Piano Trio Blu-ray Audio

この音源は、Auro-3Dのビッグバンドジャズです。真後ろからドラムの音が聞こえて来て、違和感と言いますが非現実感満載すぎです。

donguri:「この音はどう思われますか?」

ヒジ:「すみません。長く聴いていると頭が痛くなります」

donguri:「フフ、・・・フォッサマグナツアーみたい(笑)」

先ほどの歓談時の話が、生々しく浮かび上がってくるような会話の一幕でした。

 

同様にTacetのリスナーを取り囲む録音も違和感で馴染めなかったです。全員が楽器を鳴らしたときは心地よいのですが、個別の楽器が前から聴こえたり、後ろから聴こえたりする様は、アクロバット的としか感じませんでした。2LもTacetもマイナーレーベルの生き残りとして特殊なことをしているようです。

 

自分がAuro-3Dのよさを感じたのは、ウィーン ニューイヤーコンサートの映像ソフトでした。

⑧”New Year’s Concert 2023” Blu-ray

このAuro-3Dはよかったです。あざとさもなく自然な感覚です。ニューイヤーコンサートの録音はもう一つのものが多く、音声だけだと楽しめないケースが多いのですが、この映像ソフトは楽しかったです。映像付きですから音の細かいことは気になりません。ニューイヤーコンサートに行った気にさせる気分を味わせてもらいました。

持ち込んだ映像付きソフトも楽しく鑑賞できました。

 

⑨ツィメルマン、ラトル&LSO ベートーヴェン: ピアノ協奏曲 Blu-ray

ATMOS音源をAuro-Maticで聴きましたが、映像付きは楽しかったです。視覚があると音質は気にならなくなり、定位も視覚が優先しました。臨場感あふれる音も存分に楽しめます。自宅で聴く2chのSACD再生より遥かに楽しい時間を過ごしました。

 

その後も様々なソフトを楽しんだのですが、2chが合うもの、サラウンドが合うもの、Auro-3Dが合うもの、本当に様々ですね。

 

次回につづく

コメント ※編集/削除は管理者のみ

  1. ヒジヤン様

    donguri邸の試聴記、楽しく拝読させていただいております。
    Polarity試聴時の会話の部分では、思わず声を出して笑ってしまいました。きっとdonguriさんから、私の苦労話もお聞きしていると思います(笑)本当に大変だったんですから(笑)

    次回も、期待しております!

    • グランドスラムさん

      フォッサマグナツアーでは大変なご苦労がおありだったようですね。donguriさんから、じっくりとお話を伺いました。

      ですが、オーディオ人の多様性を知るよい機会だったのではないでしょうか。自分の反省でもあるのですが、これほどまでに個々人の違いがあることは今回の皆さまの日記やお話から、今更ながらひしひしと感じた次第です。

      どうしても、自分基準になりがちですからね。自分も第2の人生は「オーディオ研究の一般解」を求めて彷徨ってみようかなと考えていまして、フォッサマグナツアーの話もdonguri邸訪問もとても勉強になっています。

      次回も楽しみにしていて下さい。

  2. ヒジヤンさん

    訪問記の続きの掲載ありがとうございます。
    各ソフトの再生結果についてのヒジヤンさんの感想が良くわかりました。

    Polarityですが、ピアノ+キーボードとドラム、ベースと基本3人のアーティストの録音のようなので、ビッグバンドというよりジャズトリオのアルバムと言う方が良いかと思います。
     この「違和感」が面白いという人もいるので、作品にたいする評価は、本当、人それぞれだなとつくづく思う今日この頃。
     後面のクロゼット扉に貼っていた拡散版が前日にはがれて醜い状態となっていたのが恥ずかしく、残念でした。今度は扉板にしっかりねじ止めします。

    • donguriさん、ご指摘ありがとうございます。

      Polarityですが、自分でも読み返して「アレ?」と思いました。
      タイトルがピアノ・トリオなのに、文章にビッグバンドと書いている点です。なぜだろうと考えたのですが、考えられる原因は二つです。

      1)後に聴かせてもらった、ビッグバンドジャズと混同した
      2)Auro-3D再生で音数が多いため、大きな編成と感じた

      思い返してみると、葵トリオもAuro-Maticで聴いた時に、ピアノ四重奏に聴こえていました。こちらもトリオですよね。

      やはり、13個もスピーカーがあると「焦点を合わせるのは至難の業」なのかな?なんて感じます。5本のサラウンドは滲みのない再生でしたし、2chはピタリと合っていました。

      Auro-3Dで13本のスピーカーの焦点を合わせるためには、「機械の力を借りないとダメなのか?」「音響的配慮が大事なのか?」新たな疑問も生じました。この先の体験で見極めていきたいと思います。

      さて、それにしても驚異的なスピードでの追い込みは大したものです。初めて訪問したお宅で、自分のチェック音源をオールクリアしたお宅は初めてでした。「100点満点」素晴らしいです。

      沈着冷静な、研究者ドクターのなせる業なのかな?などと、頭の中をグルグルとさせています。事実の列挙はすいすいと筆も進んだのですが、「なぜ?」と考え始めたら、いきなり筆が止まってしまいました(笑)

  3. ヒジヤンさん

    コメントありがとうございます。

    >Auro-3Dで13本のスピーカーの焦点を合わせるためには、「機械の力を借りないとダメなのか?」「音響的配慮が大事なのか?」新たな疑問も生じました。

    donguriも5.1chを超えるスピーカー群の音響の調整には、実測にもとづく電子(ソフトウェア)的な適正補正が必須と思えてきました。
    まだAudysseyでの補正も突き詰めてなかったので、まずはAudysseyの適正化で良くなるのか試してみようと思います。それで満足できなければ、Dirac Liveの導入に行くしかないか。

  4. ヒジヤンさん、こんにちは

    海外にいて、非常に遅レスですいません。donguriさん邸の音は素晴らしいとのこと、楽しく記事拝見しました。

    >合唱の歌声が第2層の部屋の中間部あたりまで上がってしまうことでした。
    MagnificatのAuro-3Dは合唱が上から聞こえるとのことですが、反響だけでなく、声の出どころも高かったですか?第2層の部屋の中間部あたり・・の位置がはっきりと理解できないので、どの程度の高さかもう少し詳しく教えてください。拙宅のロケットシアターだと、確かに反響は高いところから降ってくるように聞こえますが、声の出どころはそんなに高くありません。中央のソプラノの高さとそう変わらないくらいです。

    Magnificatはパイプオルガンの重低音も聞きどころの一つだと思いますが、その辺は如何でしたか?

    映像付きのBlue-rayは個人的にはあまり好きなものは多くありません。何故かというと、映像に合わせて音像配置をセットしているものが多いからです。そうすると、スクリーンから大きくはみ出た音場にはならないですよね(反響音は別にして)。映像無しのものはスクリーンの何倍ものステージが現れるものがあり、そういう音源が好みです。Tuvayun(スペル違うかも、笑)は聞かれませんでしたか?前方に広大な音場が現れたと思います。

  5. Tomyさん、コメントありがとうございます。建設的な会話が出来てうれしいです。

    donguri邸の音は素晴らしいのですが、2chとサラウンドのことです。Auro-3DやAtomosは音声だけの場合はあまりよさが感じられませんでした。

    Auro-Maticのことは横において置いて、”Magnificat”のAuro-3Dのネイティブ再生では、きっと素晴らしい効果を感じるのだろうと期待していたのですが、結果は5.1サラウンドの方がよかったのです。

    録音風景の写真が付属していると思いますが、あきらかにサラウンドの方が生の再現性が高く感じました。(再現性が高い再生をよしとしている指標からの感想です)

    >MagnificatのAuro-3Dは合唱が上から聞こえるとのことですが、反響だけでなく、声の出どころも高かったですか?

    声の出所が高く感じました。反響ではないです。第1層と第2層の間ですが、第2層寄りの高い位置でした。

    原理的に第1層と第2層から同じ音を出せば、中間から聞こえるはずですが、そんな安易なミキシングをするはずもないし、いくら2Lとは言え、生の再現を狙ったミキシングがされていると想像します。

    多分、合唱が上に上がった原因は、部屋の第1層部の吸音が強く、第2層より上の部分の残響が強いために上に引っ張られていると推定するのですが、あくまで仮説です。donguriさんが諸々の方法で、仮説検証されるとのことで楽しみです。

    もしこの仮説が正しいとするならば、Auro-3D再生も部屋の残響特性への配慮が必要になるということですね。

    ⇒ここまで書き進んで、「当たり前のこと」だと思いました。
    第1層、第2層、第3層とあるのですから、全ての層での音響特性の調整が必要になりますね。ですが、そんな難儀なことは出来ないので、電気的な補正で調整する手なのだろうと思いました。

    <質問>Dirac Liveでは、スピーカー毎(あるいは層ごと)の個別な調整は可能なのですか?手動が出来るか否かも知りたいです。

    >Magnificatはパイプオルガンの重低音も聞きどころの一つだと思いますが、その辺は如何でしたか?

    これは印象が薄いので、重低音の魅力は出ていなかったと思います。オーナー自身も、「この低音で充分」と言われていました。ですが、低音好きの自分でも、低音不足の不満は感じませんでした。それよりも、中高域の魅力ですね。

    それよりも、幸田浩子/カリヨンの第1曲目のコントラバスの正確性の素晴らしさに感動しました。低音を伸ばさない魅力もあるんだなと感心してしまいました。

    >Tuvayunは聞かれませんでしたか?
    確かTomyさんとdonguriさんが、このソフトがお気に入りと会話されていた記憶があったので、その映像付きのソフトはないですか?とお聞きしたのですが、わからなかったです。

    あっ、”Tuvayun”は、donguriさんが日記に写真を出して、そこにTomyさんが「このソフトは私も好きです」とコメントされたものでよかったでしょうか?

  6. ヒジヤンさん、

    >声の出所が高く感じました。反響ではないです。第1層と第2層の間ですが、第2層寄りの高い位置でした。

    私のところでは、そんなに高くはなりません、どうゆう訳か!なので、足が地についていない・・と感じることはあまりありません。何故だろう?

    5.1chであっても、マルチはソースやSP配置などで、ボーカルが上に上がってしまうケースがあります。私も1Fのマルチチャンネルでそれに悩んだことがります(Chick CoreaのRendevous in New York, これもスペルが怪しい、笑)。理由は未だに良くは分かりませんが、各SPの音量バランスだけでなく、SPの角度(LPに対する)なども影響するように思います。拙宅では、L/Rも視聴位置が”軸上”に来るようにセットしています。それが理由で、2chとの完全な共存は諦めています。2chだと内振りの微調整をしないと、ベストには到達しないと思うので(ほぼ軸上で、ホンの僅かな内振り調整のみします)。

    >Dirac Liveでは、スピーカー毎(あるいは層ごと)の個別な調整は可能なのですか?
    SP毎にターゲットカーブやベースマネージメントのOn/Off、クロスオーバー周波数を設定できます。手動の意味が良く分かりませんが、ターゲットカーブは各SPについて、手動で設定できますし、音量も手動で変えることができます。ターゲットカーブは音域によっては0.1-0.2dB 変化させると音が変わります。

    >”Tuvayun”は、donguriさんが日記に写真を出して、そこにTomyさんが「このソフトは私も好きです」とコメントされたものでよかったでしょうか?
    これは、仰るとおりです。このソフトはAuro-3D映えします。

    ヒジヤンさんが仰る「正確な再生」とは、2chについては、良く調整された色々なお宅のシステムで聞かれた経験から、このような音像配置に聞こえるはず・・・ということから「正確さ」を判定されているのだと思います。5.1chマルチについては、どのように正確な音像配置と判定されているのでしょう。私は、未だに、この音像配置で良いのか・・?と悩むときが良くあります。

    • Tomyさん、回答いただきありがとうございます。
      今日は自宅のオフ会でしたので、返信が遅くなりました。


      >Dirac Liveでは、スピーカー毎(あるいは層ごと)の個別な調整は可能なのですか?

      SP毎にターゲットカーブやベースマネージメントのOn/Off、クロスオーバー周波数を設定できます。手動の意味が良く分かりませんが、ターゲットカーブは各SPについて、手動で設定できますし、音量も手動で変えることができます。ターゲットカーブは音域によっては0.1-0.2dB 変化させると音が変わります。

      そうなんですね。素晴らしすぎです。
      手動とは、スピーカー一つづについて個別の設定が、「自分の意思で可能か」が知りたかったことです。

      donguri邸のAuro-3DやAtomosはすべてこれで解決するはずです。
      自分も今さらながら、マルチスピーカーに取り組んでみたくなりした・・・が、自分が最終的に進む道を決めたのが、「ソフトの多さ」だったので・・・少し悩んでみます。ですが、腕はなるなる、耳はなるなるで興奮して来ました。


      >声の出所が高く感じました。反響ではないです。第1層と第2層の間ですが、第2層寄りの高い位置でした。私のところでは、そんなに高くはなりません、どうゆう訳か!なので、足が地についていない・・と感じることはあまりありません。何故だろう?

      この推測はかなり自信があるのですが、donguri邸の第1層は音響的なことへの配慮がそこにかしこに実施されていて、「平均よりデッド」と感じました。天井は高く、第2層と第3層が高い位置にあるのですが、こちらは音響的な配慮は殆どされておらず、donguriさんが部屋を作られたときに、「ライブ過ぎて音がまとまらなかった」状態のままだと思います。

      ですから、第1層の残響特性と第2層より上の残響特性に差が大きいために起こる現象と推定します。第2層より上の残響が多い=音量が大きくなる、ために音像が上方に引き上げられると思われます。

      なので、Dirac Liveでスピーカー毎の調整が可能であれば解決するはずであると思いました。


      >ヒジヤンさんが仰る「正確な再生」とは、2chについては、良く調整された色々なお宅のシステムで聞かれた経験から、このような音像配置に聞こえるはず・・・ということから「正確さ」を判定されているのだと思います。

      Magnificatは録音時の写真がありましたので、その現場の形が再現出来ているかで判断しました。

      通常は生演奏のイメージがわくかどうかで判断しています。例えば、ソフィー・ミルマンの”Take Love Easy”の13曲目は、ピアノが上方定位するとの日記に、二人ともに反応しましたよね。
      ⇒自分はそんな変なミキシングをするはずはないという思いでした。だから、その考えを検証するためにCDを購入して確かめました。

      donguri邸に持ち込んだチェック用のCDは、「写真」「YouTube」「楽譜」「沢山のお宅での確認」に加えて、「演奏の心」から、「基準としての姿」を徹底的に検証したものです。それが、「基準としての姿」通りに再現しましたので素晴らしいと判断しました。


      >5.1chマルチについては、どのように正確な音像配置と判定されているのでしょう。私は、未だに、この音像配置で良いのか・・?と悩むときが良くあります。

      自分が今まで、「追い込まれた」マルチチャンネル(サラウンド)を聴くかぎりでは、2chとサラウンドは定位は同じです。ただ、サラウンドの方が「ステージは深く、大きくなり」「音場空間も大きくなる」が「定位の相似性と音色は同じ」というのが結論です。

      考えてみれば、一流レーベルのミキサーであれば、2chであれマルチであれ、自分が狙ったステージや空間になるように丹念に仕上げているはずです。それでこそ、「プロの仕事」と言えると。


      >マルチはソースやSP配置などで、ボーカルが上に上がってしまうケースがあります。私も1Fのマルチチャンネルでそれに悩んだことがります
      私は、未だに、この音像配置で良いのか・・?と悩むときが良くあります。

      これは2chでも同じです。この違和感を無くすように丹念に調整していくのが、「私のオーディオにおける追い込み」の主要な作業です。方策は、主なものが「スピーカー位置や角度の調整」「ルームチューニング」「振動対策」「電源位相」など数々あります。

      ですが、Tomy邸はDirac Liveがありますから、「あれ、おかしいな?」と思ったら調整ですね。自分はそのイメージが湧いてきて、「腕や耳がなりました」

      丹念な追い込み、これはソフト制作もソフト再生も同じだと思うのです。

  7. ヒジヤンさん Tomyさん こんにちは〜♪

    単なる思いつきで、首の仰角について少し。

    ステレオ2chを試聴するとき首は左右正面向くのは言うまでもありません。
    他方、Auro-3Dなど層がある場合にはもう一つ首の仰角を 0° 水平に意識する必要が追加であるのかもなと。

    拙宅の5.1ch、左から音がすると無意識に首を左に向けてしまい、その瞬間に左の定位が霧散して我に返り… 正面を向き直すなんてことが、まぁまぁあります。  神社で『後ろに人がいると感じても決して振り向いてはいけません』的な(笑) 

    ヒトを招いてのオフ会の場合、
    セッティングを行っている普段からやや俯向き加減で首の仰角がマイナス(俯角)のホストと、元気ハツラツなゲストの首の仰角に差があると、聴き取り結果にも違いが出てくるのかも? と。

    思い付き投稿でした m(_ _)m

    • nightさん、コメントありがとうございます。

      あるあるです。
      「こう聴こえるはずと思うと、そう聴こえたり」「意識が右に行けば右から聴こえたり」
      だから、「あれ、おかしいな」と思ったら、心を無にして聴きなおすとかもやりますね。あるいは、翌日に聞き直してみるとか。

      自分が主に行っているのは「目を閉じて聴くです」
      モノラルのCDを目を開けて聴くと広がりがあるように聴こえるのに、目を閉じるとモノラル録音であることが確認できたりするからです。

  8. 思い付き追加。 ″仰角″に、″座高″(身長)も追加。
    (但し映画館など大きな箱ではスピーカーとの距離から相対的に人の座高長の差は殆ど無視できる。段々の座席などで広いサービスエリアを作るなどの工夫も映画館にはありますし。 前提条件はホームユースとして映画館は除外する感じ。 座高を気にする場合の話。)

    • 一つづつ見て書いているので追いレスになります。

      耳位置は大きな影響がありますね。
      今日もオフ会でその話題に盛り上がりました。
      背の高い方が、「聴こえ方がおかしい」と言われたので、「自分が聞き直したらあっていました」「耳位置の違いだね」という結論に至りました。

      そう言えば、昔BWさんを招いたときに、「定位が互いに違う位置から聴こえる」というアンマッチから激論になったことがありました。みんな自分が正しいと思い込んでいる証にもなりますね。

  9. ヒジヤンさん、nightさん、こんにちは

    >拙宅の5.1ch、左から音がすると無意識に首を左に向けてしまい、その瞬間に左の定位が霧散して我に返り… 正面を向き直すなんてことが、まぁまぁあります。

    これについてですが、拙宅のロケットシアターでRendevous in New Yorkの音像配置についてレポートしたことがあります(https://philm-community.com/tomy/user/diary/2023/02/01/15029/)。ステージは前方で大きく左右に広がっていますが、首を音の方向に向けても、同じ場所に聞こえるんです。Tuvayhonの音像配置もそんな感じなんです。これも不思議です。

    • Tomyさん

      >ステージは前方で大きく左右に広がっていますが、首を音の方向に向けても、同じ場所に聞こえるんです。

      これで正解です。
      追い込まれたオーディオで聴くサウンドは、少しくらい「耳位置」や「角度」を変えても「同じ場所から聞こえる」ものです。
      少しでも顔を動かすと定位が変わるのは、追い込み不足の証拠です。

      ただし、自分が聴く場合です。
      他人とは、「耳位置」だけでなく「脳内ソフト」の違いでも定位は変わりますね。BWさんとの論争の時もそうでした。

  10. Tomyさん 海外からの応レス恐縮です

    ロケットシアター記を拝読しました。不思議な事は尽きないですが、なにげに皆で同じソースで聴き比べをするのは経験値を上げるのに非常に有用な手法で、その点で安心して日記を読めます。

    座高の事を書いたのは、2chステレオ再生の急先鋒?Philewebコミュニティ時代にグルマンさんがスピーカー前でスクワットしていたなぁと、、、思い出したのもあります。かくも2chステレオ再生は視聴位置にきびしいというか針の穴に糸を通すが如きスウィートスポットの狭さを感じさせます。

    音の発生元が多い再生方法のマルチchはそこまで視聴位置の3次元的座標に拘らなくても容易にヴァーチャルリアリティ的な快感を得やすいのだとは ″個人的に″ 理解しています。取り囲まれれば当然。サービス提供相手(聴者)も複数人の事が多いだろうし、お一人様専用&針の穴セッティングが必要なソース(難しい音源)は少ないのかも?とも、想像してみたり。

    ヒジヤンさんフォローありがとうございます。(移動の合間に書いているので、このコメ書き始めてから四時間くらい経過してしまいました(笑))
    良く出来たセッティングは少しくらい頭や耳を動かしてもそんなに変わらない。安定している。ほんの少しで破綻するのはセッティングが煮詰まっていない証拠で不安定な状態。それはそうだと思います。

    私がはじめに書こうとした事と少し矛盾を孕んでしまいますが、ある1つの特定位置(3次元的座標)で聴くとベストな結果が得られるセッティング、いわゆる針の穴セッティングは、2chステレオではまぁまぁあることですよね。基本、聴くのは一人なので。
    マルチch再生でも、聴者とスピーカーの距離そして角度。これを理想的にすることでディレクターの意図をよく汲み取れる再生が得られる、、、。
    そこで少し疑問が再びあがってきます。一人しか格別の体験が得られないなんて事でいいのか? ディレクターは ″ただ一人″ の 為にミキシング(ミックスダウン?)しているのか?と。。。 Auro3dさんがよくいわれるように現実の演奏会場で目を瞑ったら(耳に入るの殆どが残響とゆー事もあって)楽器の位置関係などは分からない。視覚で楽器の位置を補足(捕捉)しているので視覚的な影響が大きい。ステレオ装置での再生で楽器の位置関係が明確に聞き取れるのは現実の演奏では得られない体験(指揮者の位置で聴く演奏は例外)。これはAuro3dさんが言うからではなくて事実、そうだろうと思います(私も目を瞑った経験から同じ感想)。

    マルチch再生に否定的な人の中にはSPEAKERユニットのネジの(毎日の)増し締めが大変だからなんて人もいましたが、そのひともマルチchで針の穴をやろうとする傾向のひとでした。個人的にはマルチch再生はステレオ2ch再生の延長に考えるのではなくて、基本は同じで別の流派と考えると良いと考えています。2chステレオ再生ですら精一杯なのに、もっと増やすなんて有り得ない!というのも理屈としては一見正しそうに見えますが、実はそうではない。そう思います。

    何が言いたいんだコイツ!と思われそうなので結論らしきものを最期に書きます。精緻な定位はステレオ2chでだけ楽しんで、マルチch再生では(演奏会場で目を瞑ったときのように)精緻な定位はあんまり望まずゆったりと楽しんだら良いのかもなぁ。(極上のシステムでなければ再現不能な定位のAuro-3Dネイティブ音源は、存在すれば面白いし挑戦し甲斐いもありますが死骸も累々になりそうだす。)

    最後に、2chステレオ再生時に部屋を暗くするとステレオイメージが凄く良くなりますね。明るいときとは凄く違う。

    • 夜、部屋を暗くして音楽かけるとシステムを1グレード上げたかのような?音質向上感があります(拙宅では)。

      心理的な影響なのか蛍光灯やLEDシーリングライトの光(またはノイズ?)が良くないのかどうか分かりませんが、演奏会場も暗いよなぁ。。。

      オーディオって不思議な事がいっぱい。
      夜のオフ会で部屋の照明を落としたら空間や定位の印象が変化するか、あるいはしないか、、、いつか誰かレポしてくれると有り難いです(^~^;)

    • nightさん

      長い文章でしたので簡潔に、
      ・生演奏の大ホールのオーケストラ演奏の場合は、2階席などで聴くと間接音ばかりで、確かに定位はわからないです。ですが、自分は1階席の5列目あたりで聴きますが定位はわかりますよ。

      先日、Lotusrootsさんとのオフ会でのこと、ホールの1階席の10列目あたりで聴かれるとのことでしたので、
      ヒジ:「10列目では定位はわからないでしょ?」
      と言ったところ、
      Lotusroots:「そんなことない、わかりますよ!」
      とかなり強い口調で言われました。

      室内楽などは、近くで聴けばはっきりとわかります。

      ジャズライブも同じですね。

      ◇ですが、オーディオの方が定位はわかりやすのは確かです。ですが、この違いが「現実でないことに対するリアリティを上げる」デフォルメであると捉えています。
      教会の響きなども、現実にはあんなに響いては聴こえません。ですが、そこがあたかも教会で聴いているようなリアリティを生み出していると感じています。

      ◇オーディオと生は、同じにはなりませんが、生を想起させるようなリアリティを求めています。

      >夜、部屋を暗くして音楽かけるとシステムを1グレード上げたかのような?音質向上感があります(拙宅では)

      同意です。
      視覚は無くした方が音を捉えやすいです。心理効果もあるかと。

      >夜のオフ会で部屋の照明を落としたら空間や定位の印象が変化するか、あるいはしないか、

      視覚は無くした方が、定位は正確に捉えられます。

      • ヒジヤンさん 応レスありがとうございます

        そうです。前の列では聴いた経験がありませんです。(奏者のヒトと目が合うのと、こっちのぶっきらぼーな表情を見られるのが嫌で。。かといって終始ニコニコもしてられない。3列目なんかはその国の大臣クラス居たりするんですよね。やっぱり気後れしてしまうのと、生音が逆に落ち着かなくて家で聴いてるのが落ち着きます(笑)。それがオーディオに拘る理由だったりします。)

        ウィーン学友協会も参考までに前までは行きましたが、中に入った事はありません。聴けるチケットが入手できても躊躇しますね。。。私は無教養だし畏れ多い。。。パリのガルニエ宮も公演のない時に館内見学のみ。演奏会の話をワイワイされている皆さんを、遠くから見て『ほえーー 凄い世界だ』と眺めているだけ。最近だとAuro-3Dのスーパーハイエンダーの饗宴ですか。そちらも『ほえーー 凄い世界だ』です。棲む世界が違う。 コミュニティがなかったら一生接点を持たない人々と、こうして? 少し接点ができるのがコミュニティの醍醐味ですかねぇ(⁠^⁠^⁠) 自分語りでした。

        • nightさん、返信ありがとうございます。

          nightさんも生を聴かれるのですね。理論やPCにやけに詳しいので、そっち方面ばかりかと思っていました。ですが、人物的には以前から興味を持っていました。

          Tomyさんとは機会があったら聴き合おう、と話していたのですが、これをご縁に3者相互オフ会でもやりますか?

          nightさんもTomyさんも関西ですよね。関西の友人にいつも来てもらっていることもあり、関西遠征に行かないといけないな、とは思っていました。

          Tomyさん、いかがですか?
          と、断りにくいように持って行くのがヒジヤン流です(笑)

  11. ヒジヤンさん、nightさん

    >自分も今さらながら、マルチスピーカーに取り組んでみたくなりした・・・が、自分が最終的に進む道を決めたのが、「ソフトの多さ」だったので・・・少し悩んでみます。ですが、腕はなるなる、耳はなるなるで興奮して来ました。

    是非取り組んでみてください!第一層だけでなく、第二層も含め!Auro-3Dも是非!

    マルチに取り組む際、Auro-3DやATMOSを再生するには、現状AVアンプしか手がありません。プロ用以外ということですが、PCに導入できるデコーダーがないんです。7.1chまでならあります。拙宅の1FのマルチシステムはAVアンプを使わない、ヒジヤンさんの定義でいうと、ピュアーオーディオです。

    2FのロケットシアターはHTP-1というMonopriceのAVプリを導入しました。AVアンプの音は専用DACに比べ音が悪いと思っていましたが、最近の”良くできた”AVプリは、ExasoundのDACに負けない音を出すのには驚いています。

    >良く出来たセッティングは少しくらい頭や耳を動かしてもそんなに変わらない。安定している。ほんの少しで破綻するのはセッティングが煮詰まっていない証拠で不安定な状態。それはそうだと思います。

    私も同意です。

    >nightさんもTomyさんも関西ですよね。関西の友人にいつも来てもらっていることもあり、関西遠征に行かないといけないな、とは思っていました。

    nightさんは関西でしたか?神戸からどのくらいの距離ですか?

    勿論、OFF会OKですよ。但し、友の会の方々と仲直りして頂いてからで、如何でしょう!それと、拙宅の”チープ”な機器(笑)で、どこまで再生できるかを聞いて頂くのと、それでAuro3-Dを結論付けることなくお願いします。

  12. Tomyさん、おはようございます。

    オーディオをやっている人は、個性的で 頭のいい人が多いですね。

    >ヒジヤンさんの定義でいう、ピュアーオーディオ
    >但し、友の会の方々と仲直りして頂いてからで、如何でしょう!

    やはり気にされていますか。
    少し雪解けが必要ですね。

  13. ヒジヤンさん、こんにちは

    そうですよね!
    期待しています。

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