アザラシヴィリのクリスマスプレゼント:試聴記さんへの謝辞に代えて

日記・雑記
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試聴記さんのファイルウェブでの最後の日記は
やはり私もショックでした。。。
ああいう現実が伝えられなければ、私もこの日記を書く気には
なっていなかったと思います。
あまりにも禍々しい現実に出会うと、
何と言いますかその現実との距離感のようなものが失われてしまって
かけるに相応しい言葉が見つからなくなってしまうものですが
あの日記を拝見した時も、まさにそんな感じでありました。。。

実は今年よく聞いたアルバムのひとつに
試聴記さんが年初に薦められていた
チェロのマキシミリアン・ホルヌングの
『ハイドン チェロ協奏曲第1番&第2番、アザラシヴィリ:チェロ協奏曲』
がありました。

当初、チェロも好きだし、ハイドンも好きな私にとっては大好物って感じで
聞き始めたような気がします。
ところがだんだんアザラシヴィリのチェロ協奏曲にも
魅力を感じるようになりまして
この一見、異種格闘技のような感じを受ける
アルバム上の取り合わせに、さらなる妙味を感じるようになりました。

ハイドンのチェロ協奏曲はご存知の方も多いかと思いますので
アザラシヴィリの方をどうぞ。
「Vaja Azarashvili – Concerto for Cello and Orchestra (1978)」
https://www.youtube.com/watch?v=cybdv2eOfIU

私が調べた限りでは、あんまりレコーディングされてない曲ではないかと。
屈託なく歌い上げるハイドンとは対照的な
やや暗鬱で重く、時にタンゴ調になる楽曲
とでも言ったらいいでしょうか。。。
この両者を統一感を持たせてアルバムに収めてみせた
ホルヌングのセンスと力量に感心しましたし
彼のチェロは、実はむしろアザラシヴィリの方に適性があるのかな
とも思うようになりました。。。

で、月日は過ぎ、あの日記を拝見するに至るわけです。。。
またこのアルバムを何となくよく聞くようになって
あらためてアザラシヴィリに興味を感じて
調べてみると、こんなアルバムが出ているのを知りました。

アザラシヴィリのチェロ曲集といってよいでしょう。
だがしかし1936年ジョージア(旧グルジア)生まれのこの作曲家には
前衛的なクラシック音楽作者とは別の顔もあったのだということが
アルバムの後半に明らかになっていきます。。。
M12~14は、郷愁を覚えるような親しみやすいメロディアスな楽曲です。
ちょっと聞いてみてください。
「Vazha Azarashvili – “The Song Wihout Words”」
https://www.youtube.com/watch?v=RykSJ4Ymi5k

こうした楽曲は日本人の心もとらえたようで
たとえば指揮者の山田和樹さんは高校生の時に、この「無言歌」を聞いて
指揮者になることを決心したのだとか。

もう一曲。ヴァイオリニストの髙木凜々子さんは
さかんにこうしたメロディアスなアザラシヴィリの曲を演奏されていて
今や世界有数のアザラシヴィリ演奏者と言えそうです。
彼女の充実した演奏ぶりをぜひご覧ください。


「アザラシヴィリ ノクターン   Azarashvili Nocturne」
https://www.youtube.com/watch?v=UMfVMAv-MdA

詩情豊かで甘美なメロディを書く人なんだな~ということが
よくわかります。
このあたりの曲たちの成立事情についてはあんまりわからないのですが
彼は1960年代からもうこのような二足の草鞋を履いていたようです。
映画音楽も手掛けていたり、
「無言歌」は詞のついた歌謡曲も発表されていたりしますし
とにかくジョージア国民に広く知られた作曲家であることは
まちがいなさそうです。。。

なんか試聴記さんに、ついご紹介したくなってしまい
こんな日記を書くことになったわけですが
試聴記さんのご紹介がなければ
こうした曲たちとの出会いも一生なかったかもしれません。
ありがとうございました!
そして我が家では今年のクリスマスを彩る楽曲として
このアザラシヴィリの曲がかかることになりそうではあるな~
と思う今日この頃なんであります。。。

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