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ミューザ川崎と横浜みなとみらいのホール音比較 – 7.15東響定期

日記・雑記
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「カーテンコール後に写真撮影が出来ます」とアナウンスが流れます。これまでのコンサート通いの中では、初めての出来事でした。東京交響楽団の川崎定期演奏会、ミューザ川崎での公演です。楽団とホールの両者の意思によるものなのでしょうね。こちろん撮影には制約条件がついていました。

「座席位置で撮ること」「スマホや携帯電話で撮ること」「カメラは頭の上に上げないこと」

ですが、撮っている人は少なかったです。


今回のミューザ川崎に足を運んだ目的は、横浜みなとみらいホールの音と比較するためです。大規模改修後のみなとみらいホールで数回のコンサートを聴いて大筋の音が掴めたので、以前からのお気に入りのミューザ川崎と比べてみたくなりました。その狙いから、座席位置を主体に選び、公演内容で決めたものではありません。音楽好きからしてみれば動機が不純と言われそうですが、国内オーケストラなら映画を観るのに少しオンするだけで生演奏が聴きに来れるのでお手軽です。もしかすると、オーディオに投資するよりも生演奏を聴きに来る方が、音楽を聴くだけなら効率はいいかもしれないですね。

ただ、オーディオ趣味には別次元の楽しみがあります。現に、このコンサートに来たのもオーディオをより良く聴くためですから、不純に不純を重ねて、邪心と言われても反論の余地はないです。ですが、この楽しみ方は「一粒で二度美味しい」ので、これからも続けていくことになると思います。


指揮:ジョナサン・ノット  ヴァイオリン:神尾真由子
①エルガー:ヴァイオリン協奏曲 ロ短調
②ブラームス:交響曲 第2番 ニ長調

今年に入ってからの横浜みなとみらいでの席位置と今回のミューザ川崎での席位置を比較すると下記となります。

ちょうど2階席右ブロックのステージ前方が相似なポジションとなりますので比較が可能と判断しました。

①エルガー:ヴァイオリン協奏曲 ロ短調  感動度☆☆☆☆☆
この曲は生で聴くのは初めてですし、オーディオでも殆ど聴いていなかった曲です。渋い印象のある曲ですが、超絶技巧が要求される長い曲なので、演奏するヴァイオリニストも少ないそうです。その点、技巧派の神尾真由子は好んで選曲したのかもしれないです。

演奏が始まると、身体にピタリとしたタイトなドレスに10㎝以上はあると見えるピンヒール姿で、腰を入れて踏ん張りながら演奏する姿に目が留まります。まるでキャリア組の優秀な女子社員が尖りに尖って、男性社員(オーケストラ)と戦っている様相の演奏姿です。演奏者は全身全霊を込めて演奏しているのでしょうが、そんなタイトな姿はふわふわなドレスで包み隠して欲しいと思いました。切ない感じの曲にキレキレの演奏姿はどうも合いません。少なくとも、ピンヒールの足もとは隠して欲しかったです。音の比較をしに来たはずなのに、視覚は聴覚よりも優先してしまいすね。

肝心の音ですが、ミューザのこの位置で聴く音は「音が混じり合いハーモニーを感じやすい」と思いました。反面として、ソロが浮かび上がりにくいです。戦士のように演奏するヴァイオリンのソロも、クラリネットのソロも目立たないのです。相対するみなとみらいホールのこの位置では、ソロが浮かび上がる感じで聴こえて来ます。この点は、好みもあるのでしょうが、みなとみらいホールの方がいいと感じました。

②ブラームス:交響曲 第2番 ニ長調  感動度☆☆☆☆☆
この曲でも基本は同じです。しかもブラームスですから、各種の楽器の音が響き合い分厚いハーモニーが特徴の音楽です。この点では、ステージ横での視聴なので楽器同士のハーモニーはよいのですが、全身に感じるような響きのハーモニーが不足していると感じました。うっとりするようなメロディも感じ難かったです。みなとみらいホールの相対する位置で聴く方が、実音と響きが分離して聴こえるのです。

◇以前からミューザ川崎のステージサイドの席は自分好みではないと感じていましたが、みなとみらいホールとの対比で決着がついたと思いました。

<オーディオとの比較>
①エルガー:ヴァイオリン協奏曲 ロ短調

この曲は手持ちの音源である、ヒラリー・ハーンとロンドン交響楽団盤との比較になります。

生演奏の感想があれなので、ここはオーディオに軍配が上がりますね。超絶技巧もヒラリー・ハーンの得意技です。鮮度の高さは生演奏に分がありますが、協奏曲のソロとオケのバランスはオーディオが上です。ミキサーが音楽を聴く上でのベストバランスと決めているはずですから、ソロ演奏が浮かび上がって来ます。協奏曲のソロとオケのバランスはオーディオに分があると感じます。

②ブラームス:交響曲 第2番 ニ長調

この曲の手持ち音源は多数あるのですが、今回の対比はイヴァンフィッシャー&ブダペスト祝祭管弦楽団盤を選びました。響きがたっぷりと入っているチャンネルクラシックスの優秀録音盤です。

生で不満のあった響きの全身への感じ方は、リスニングルームを作り込んできているオーディオ再生に分があります。ですが、オーディオルームは定在波による響きのうねりがマイナスポイントと感じました。ブラームスの交響曲を聴いても定在波を感じなくなるくらいの追い込みを目指さないといけないですね。うっとりするようなメロディはオーディオ優位でした。やはり元の演奏の力なのでしょうか。

さて、今回のコンサートと座席位置は、みなとみらいホールとの対比からも、オーディオ演奏との対比からも、よい印象は得られなかったです。ミューザ川﨑のステージサイドは自分好みに合わないと判断してよいかと思いました。しかしながら、世間的にも音がいいと評判のミューザ川﨑ですし、自分のお気に入りのホールでもあります。次回は1階席又は、2階席前方のステージ前で聴いてみようと思います。

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