仕上げの工程において最初に気になった点の対処が終わりましたので、続いて左右バランス取りを実施します。KaNaDeを採用して当初は気が付かなかった左右バランスが気になり出しました。右の音色が明るく、音像が引っ張られます。
左右バランス取りは簡単なようで難しいです。リスナーに対して、左右のスピーカーの距離や角度が同じなら左右バランスは取れるように錯覚するのですが、再生環境が左右アンバランスなのは普通ですし、再生機器自体も左右が全く同じと言うことはありません。だから、聴感上で左右バランスを整える必要が出てきます。
音像の左右バランス取り
ボーカルがセンターに位置するのは当たり前品質かと思います。周波数帯域の異なる様々な楽器や効果音などの左右バランスも取りたいものです。ですが、ステレオミックスの音源では、ミキシング段階でどこに配置されているかはわからないので、左右バランスが取れているのか、取れていないのかはわかりません。
そこで、モノラル音源を使います。
キャロル・シンプソン /All About Carole
この音源は、バズケロさんのお宅で「モノ盤はモノ針で聴け」のデモとしてレコードを聴かせてもった時に、とてもよかった音源です。モノラル音源ですが、モノラルには聞こえずにステレオかと思いました。響きがいい感じにミックスされていて、部屋いっぱいに空間が広がります。そこで、自宅でCDを聴いたらどうなるかと思い購入しました。CDもよいです。モノラルとは思えないような広がりを感じます。
ですが、モノはモノなのです。ボーカル、ピアノ、ベース、ドラム、オーケストラなど幅広い帯域の音が入っていますが、モノラルですから原理的にすべての音像はセンターに位置するはずです。ですが、反射音や空間の響きがあるのでそうならないケースが普通にあると思います。
<<自宅でも最初は弦楽器とベースが右に引っ張られて聞こえてきました>>
だから調整を実施します。
①スピーカーの位置の微調整
・右のスピーカーの内ぶりを少しだけ外向きにすることで、弦楽器とベースはセンターになりました。ですが背景全体に流れる音の音色が右の方が明るいままです。
②1次反射音の微調整
この音色の調整を、1次反射音で調整してみます。医療用のガーゼを適当な大きさに切って、1次反射部に貼っています。吸音効果は枚数を重ねることで調整が可能なので使いやすいです。今回は、左のガーゼの一部を右に移すことで調整しました。この対策で左右の音色差は、気にならないレベルに落ち着きました。まだ完全ではないですが、音色の左右バランス取りは、この先の課題として先に進むことにします。
響きの左右バランス取り
フェイキー/Timeless
この音源の7曲目の”宇宙のファンタジー”の最後の部分に、残響音だけが左右対称に1秒ほど入っています。この残響音が左右同じに聞こえるように調整します。
自宅では、左の後方から低音の響きが聞こえて来ました。これはおかしいです。固有音が出ていると感じました。そこで、左の後方コーナー下に吸音材を配置します。低い音でしたので、クッションケースに大量に余っているステンレスたわしを詰め込みました。
これが効きます。左のみの低音の響きが気にならなくなりました。
以上の調整で、大筋の左右バランスが取れたと思います。
効果は・空間が大きくなることと、・音像配置の違和感が防止されることです。
※調整の結果で、左右のスピーカー配置はシンメトリーではなくなることが普通ですが、見た目に大きな違和感がなければ問題ないです。物理中心に合わせるのではなく、音響中心に合わせる左右バランス取りでした。
◇この調整は聴感で合わせるのですが、道具が必要です。調整用の音源として適したものなどありましたら情報を教えていただければと思います。
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ヒジヤンさん、こんばんは。
年末のオフ会に向けてのスピーカーセッティングの日記を全部読みました。
私も年末にスピーカーの足元を見直す予定でして、とても勉強になります。
オーディオ三職人の相互オフ会記も楽しみにしてます!
CENYAさん、コメントありがとうございます。
3職人の相互オフ会は楽しそうでしょ!
職人は大抵の場合は「頑固一徹」と相場は決まっているので波瀾が起こるかもしれないですね。
スピーカーの足もとは、想いのほかに影響が大きくて目が白黒します。
良い結果が出ますように祈念しています。