ネマニャ・ラドゥロヴィチ presents ドゥーブル・サンス

日記・雑記
日記・雑記
Sponsored Link

生の音って何だろう?これがオーディオの検聴会だったら「ヴァイオリンの音に聴こえない」なんてコメントをしたのだろうなと思ったコンサートでした。

ヴァイオリンの鬼才と呼ばれるネマニャ・ラドゥロヴィチとグループのドゥーブル・サンスの演奏です。比較的小さな編成の弦楽合奏グループで、第1ヴァイオリン-4、第2ヴァイオリン-4、ビオラ-3、チェロ-2、コントラバス-1に加え、チェンバロ(又はピアノ)にソロヴァイオリンのネマニャの構成です。

 

今年のオーディオ・テーマである感動再生への取り組みの一環として、今回もチケット救済サイトから直前に取得した公演でした。ネマニャ・ラドゥロヴィチの名前は以前から耳にして興味を持っていましたし、馴染みのある演奏曲と最前列のセンター席が取れたので、少し遠くでしたが聴きに行くことにしたものです。場所は三鷹市芸術文化センターの風のホールです。写真で見る限り音響もよさそうだと思えました。ですが、今回の疑問は、このホールに由来していたように思えます。

 

座ったのは最前列のセンターで、ステージの前寄りに配置された編成は本当に目と鼻の先でした。一番前の真ん中にピアノ椅子が置かれているのは、ネマニャが足を怪我をしていおり、座って演奏したからです。

この位置ではちょっと近すぎるかな、と思ったのですが演奏が始まったらそんな心配は吹き飛びました。

 

演奏曲は、・ヴィヴァルディ:四季、・セドラー:日本の春、・リムスキー = コルサコフ / セドラー:《シェヘラザード》 の3曲です。感動的だったのは聴きなれたヴィヴァルディ四季でした。鬼才がアレンジした四季は、どんな音楽が流れるのだろうと様子を伺っていたのですが、近年の現代的な演奏と大きく違うものではありませんでした。速めでシャープな演奏は自分好みですし、時折見せる極端な抑揚も予測の範囲でした。

 

驚いたのは音です。8名の編成のヴァイオリン群の奏でる音が、低い響きと共に迫ってきて圧倒されました。「こんなヴァイオリンの音は初めて聴いた・・・」目が白黒としてしまいます。リーダーのネマニャのソロヴァイオリンは普通に美しくシャープな音色でしたので、なぜ?の文字が頭の中を巡ります。

 

仰け反りながら聴いていると、もう一つ気に留まったのは、始まったばかりなのに「冬」が演奏されたことでした。感動しているときはあっという間に演奏が進むと感じていたのですが、いくら何でも早すぎです。「えっ、もう終わりなの?」なんて今度は頭の中がぐるぐるしていました。後でわかったのですが、演奏順を春冬秋夏に替えていたのです。こんな点も鬼才なんですね。

 

セドラーの日本の春では、「海外から日本はこのように見えているのか」と思いながら聴き、弦楽合奏に編曲された《シェヘラザード》 では、「やはりフルオケ版の方が迫力があるな」と思いながら聴いていました。今回の感動度No1は四季です。

 

感動度

ヴィヴァルディ四季:★★★★☆

セドラー日本の春:☆☆☆☆☆

リムスキー = コルサコフ / セドラー《シェヘラザード》:★☆☆☆☆

※記念に《シェヘラザード》が入った「BAIKA」を購入しました。この曲は、ソロがクローズアップされていて弦楽合奏版のよさが引立つCDがいい感じです。

 

四季だけが特に高い感動度となりましたが、鬼才ネマニャ・ラドゥロヴィチ&ドゥーブル・サンスと、三鷹市芸術文化センター風のホールと、座席位置が生み出した結果かと思います。一番気になったヴァイオリンの音の話は、少し外れた話となりますので、別の日記に書いてみようと思います。中々にシビれたコンサートでした。

コメント ※編集/削除は管理者のみ

タイトルとURLをコピーしました