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音楽もオーディオもタテ軸が大事? – 楽器の科学

日記・雑記
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”楽器の科学”を読んで、オーディオ演奏への落とし込みについての感想や考えをまとめた日記の2回目となります。
<目次>
プレリュード──音楽は「五線譜上のサイエンス」
第1楽章 作曲の「かけ算」を支える楽器たち
第2楽章 楽器の個性は「倍音」で決まる
第3楽章 楽器の音色は「共鳴」が美しくする
第4楽章 「楽器の最高性能」を引き出す空間とは?
第5楽章 演奏の極意

第1楽章 作曲の「かけ算」を支える楽器たちでは、主に下記の二つについて語られています。
・音楽には「縦軸」と「横軸」があり、縦軸は「かけ算」によって、横軸は「足し算」によって成立している
・楽器を分類する科学──楽器には5種類ある

楽器を分類する科学は主に下記の区分の話がされています。
・楽器はかつて4種類だった・・・「弦楽器」「管楽器」「打楽器」「鍵盤楽器」
・現在は、HS法(ホルンボステル=ザックス分類法)が定着した・・・「体鳴楽器」「膜鳴楽器」「弦鳴楽器」「気鳴楽器」「電鳴楽器」
→HS法は「楽器が音を出す原理」に基づき分類される


◇上記は「音を出す原理」として、今後の話の中で考えていく必要はありますが、ここでは知識として知っておくだけでよいと思います。

オーディオとの関連で大事なのはもう一つの内容だと感じました。
・音楽には「縦軸」と「横軸」があり、縦軸は「かけ算」によって、横軸は「足し算」によって成立している

ここで「縦軸」としているのは、楽譜上の各楽器の音や音の高さの組み合わせになります。「ある同一時刻において、同時に組み合わさって鳴らされる音のセット」のことです。
「横軸」としているのは、楽譜上の時間軸にそって音が流れていく「メロディ」です。横軸は時々刻々と変化していくので「足し算」である。
「縦軸」は同時に鳴る音で「ハーモニー(和音)」を奏で、単一の音では実現できない音の響きを、複数の音の組み合わせによって可能にするから「かけ算」と記載されています。

この縦軸と横軸を、オーディオ再生に落とし込んでみたいと思います。

オーディオ再生においても、「横軸」は時間軸ですね。「正確な時間を刻む」はオーディオにおける時間軸管理の話です。デジタル再生においては、時間軸は正確であるほどよしとされ、点の情報を滑らかな音楽再生とします。一方で、アナログ再生では、もともとが滑らかに繋がる音の情報ですが、デジタル再生もアナログ再生も時刻を正確に刻むことが理想かと思います。

問題は「縦軸」かと思います。同時刻に複数の音を鳴らす。生の音楽ではピアノのように単一楽器でも和音を奏でたりしています。同一時刻に5個~10個(指の数の最大)の音を鳴らすこともありますが、編成が大きくなるにしたがい同一時刻に鳴る音の数は増えていきます。オーケストラのトゥッティに合唱が加わったら、どれだけ多くの音が同時に鳴らされるかを考えると気が遠くなりますね。しかも、楽器も声も純音ではなく倍音を含む複雑な音になります。

このような、生では複数の楽器が奏でる音を2本~3本のスピーカーで再生しようとする難しさがあることがよくわかります。とにかく音をほぐし固まった音を出さないことが大事です。SNの確保も大事ですね。そして、分離して聴けるように混濁させないことでしょうか。

大編成の再生が難しいのはこのためもありますね。


・スピーカーから出る音をほぐし、SNを上げるために・・・機器の性能確保、電源品質の向上、振動対策の実施 etc
・スピーカーから出た後の音を分離して混濁させないために・・・こちらは、第4楽章の「楽器の最高性能」を引き出す空間とは?の章があるので、こちらで書いてみたいと思います。

もう一つ、音の感じ方の話です。和音のようなハーモニーとは別に、「低音」と「高音」の関係が面白いと感じています。低音を力強く感じるためには高音が必要です。生の演奏でも、グランカッサ(大太鼓)にシンバルを合わせて、強烈な低音を感じさせる手法は使われていますね。オーディオ再生も同じです。いい低音を感じるためには、高音が大事です。低音だけでは、モコモコした音を感じるだけですね。ここに高音が加わると「ドーン」と衝撃的な音として感じますし、中域が加わることで厚みが感じられると思います。低音を聴くにも、帯域バランスが大事と言うことになりますね。

以上、音楽演奏もオーディオ演奏も「縦軸」が大事ということになると思いました。

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