計画したわけではないのですが、1週間違いでみなとみらいホールのLBブロックとLCブロックの同等席で聴くことになったので、その違いについての感想を記録しておくことにしました。座席表で見るとそれほど大きな差はないですが、実際に座ってみると聴こえ方に大きな差があったからです。最初に今回コンサートの概要をまとめた上で、LB/LC席の比較を整理することにしました。
今回:LBブロック1列-1・・・神奈川フィルMM定期演奏会
みなとみらいシリーズ定期演奏会第399回
指揮者 小泉和裕 ピアノ独奏 清水和音
<演奏曲>
①ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第2番ハ短調Op.18♭
②プロコフィエフ/交響曲第5番変ロ長調Op.100
ホールに到着し席に座ると、LB-1-1は、オーケストラを真上から見るような見え方です。しばらくするとヴァイオリンとコントラバスによるプレコンサートが始まりました。今年入団した二人による小品のデュオです。大ホールでのデュオ演奏でしたが聴こえにくいことはなかったです。フレッシュな二人に活躍の場を与える取り組みは、団員のモチベーションを上げるためのよい取り組みだと感じました。
神奈川フィルは経営が厳しい話はたびたび聞いており、工夫を凝らしながら活動を継続していると感心します。下記は定期演奏会で配布されるオーケストラの配置とメンバー表です。
この配置図は②プロコフィエフ交響曲の時の配置を示すが、①ラフマニノフ協奏曲の時も基本的に同じでした。①が2管編成に対して、②では3管編成に拡大されます。5弦はヴァイオリン1st:14,2nd:12,ヴィオラ:10,チェロ:8,コントラバス:7と中々の規模の編成を組んでいるのに驚きますが、メンバー表を見ると契約団員や賛助でまかなっていることが見て取れました。
①ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第2番
ピアノ協奏曲の中でも最も人気のある曲のひとつで、自分も多くのCDを手持ちにしています。清水和音さんのソロは初めて聴きますが、この位置から聞くバランスはソロと比較して、弦楽合奏がやや強く感じました。弦楽器と管楽器のバランスは特に気になりません。市販のソフトですと、ソロピアノが大きめの音で編集されたものが多いので、その面からはこの位置から聴く協奏曲は、バランス的にソロの聴こえ方が小さいと感じました。
ですが、音量面も音質面も不満はなく、最大で約80dBまで上がっていましたので協奏曲を聴く上では十分と思います。時に重厚に、時に甘く、時に壮大な演奏を楽しみました。
②プロコフィエフ/交響曲第5番
今回のメインはプロコフィエフが第2次世界大戦の末期に作曲した近代曲の交響曲第5番です。これまで殆ど聴いてこなかったジャンルだったので、少しだけ予習をして来ましたが、もう一つ馴染めないでいました。そんな中でも第2楽章は面白いですね。軽快なリズムに乗ってノリノリで聴いていました。この曲では最大音量が85dBまで上がり、豪快に響き渡る様を楽しみます。
この位置から聴くバランスの偏りは特に感じませんでした。真上から見る演奏の様子を楽しんでいた気がします。面白かったのが、パーカッション群の動きと音です。ティンパニー、グランカッサ、シンバル、小太鼓、ウッドブロック、タンバリン、トライアングルと6名の奏者で受け渡しながら演奏する様子に見入っていました。
さて本題のみなとみらいホールのLBブロックとLCブロックの見え方/聴こえ方の比較です。
<見え方>
・LBもLCも上方から見下げることとなり、オーケストラ全体が把握できる
・LBは演奏までの距離 が近く、やっていることがよくわかるが、奏者の顔が見難いことが難点となる
・LCは、LBと比較してやや遠めとなるため細かな動きは見ずらい面もあるが、奏者の顔は見やすくなる
<聴こえ方>
・2階席バルコニーから聴く音は、中高域がきれいな音で、下から湧き上がるように聞こえてくる感覚は共通している
・LBは協奏曲も交響曲も音量的には満足したが、協奏曲では聞こえ方のバランスが、ソロ演奏にやや物足りなさを感じた。交響曲は問題ない
・LCは協奏曲、交響曲共に聴こえ方のバランスはよいが、音量がやや物足りない
・オペラシティのステージ横バルコニーで聴いた時は、オーケストラの中間付近であったこともあり、弦楽器と管楽器のバランスに不満があったが、今回のステージ先端付近であれば気になることはなかった。
・こうしてみるとステージ横のバルコニー席の前後位置は、聞こえ方のバランスに大きく影響するため、ステージ先端あたりまでの位置としておきたいと思った。
結論として、
◆LB/LCの見え方/聴こえ方の比較では、自分好みはLBブロックとなります。聴こえ方は、バランスよりも音量を重視していることがよくわかります。見え方も近いことで、演奏者がやっていること、出番への準備、他の奏者との受け渡しなどがよく見えて楽しいと思いました。
最近お気に入りのステージ横のバルコニー席ですが、ようやくのこと座席表を見ただけでも見え方聴こえ方が思い浮かぶようになってきた気がします。
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