題名に「再び」とあるのは、旧ファイルウェブでも書いた内容であるからという理由ですが、以前書かなかったことも書いていきます。
まずは、前回の訂正から。
Z1ESの電源トランスのネジをM4でと言いつつM3の画像を出していましたが、ただ単に差し間違えただけですw
ソニー製のソース機器は、CDDAの初代光学系固定ピックアップの機材(CDP-XA□ESDシリーズ)から北村機電のRコアトランスを使っており、すべてM4ネジで統一されています。
まあ、Z1ESは残念ながら北村機電製ではなくなりましたが・・・・・
端的に言ってしまえば、日本のオーディオメーカーの電源トランスは既に大半が東南アジア製なんですけどね。
ちなみに、アキュフェーズもラックスマンもエソテリックも日本製ではありません。
話は脱線しましたが、ネジの話です。
オーディオ機材に使われるネジですが、大きく分けて、機械ネジか、タッピングネジかに分かれます。
機械ネジの場合は、ISOネジ(ミリ、インチ)JISネジ。
タッピングネジは、母材ごとに鋼板ネジ、樹脂ネジ、木ネジとあり、それぞれピッチが違うので互換性は基本ありません。
双方のネジはさらにピッチ幅、数など細かく分かれていきますが、全部話していると長くなるので、オーディオ機材に使われることが多い物を取り上げます。
オーディオ機材に使われるネジは、ISOミリネジ(JISネジは統合)、ISOインチネジ(アメリカ、イギリス製に多い)、スピーカーユニット取り付けなどの木ネジ、鋼板用タッピングネジです。
問題が最後の鋼板用タッピングネジ。
アキュフェーズ、ラックスマン、エソテリックなどで使われるタッピングネジは、「三価クロメート・バインドネジ」という名称です。
仰々しい?名前ですが、簡単に言ってしまえば、「クロメート化成処理鉄ネジ」です。
このネジとネジ径、ネジピッチが合う非鉄合金製のネジもありますが、安易に交換してしまうとカジリを起こして筐体をオシャカにする可能性があるので注意が必要です(特にSPCCにSUS系、純チタン系は要注意)。
ただ、大電流が流れるトランジスタやFETの取り付けネジ、電源トランスや電源コネクター周辺に鉄ネジを使うのは個人的には好ましくないと思っています。
IECインレットの取り付けにSUS304を使用↓
大電流が流れる付近に鉄を置くと、磁界が発生し、有害電磁誘導を生む可能性があります。
一つ一つは大したことないかもしれませんが、ネジは1個や2個では済まされないので。
用途に応じて材質も変えた方が良いと思います。
強度を稼ぐなら、タングステン、βチタン。
電気導電性を狙うなら黄銅、または銅合金。
電気伝導性では純銅を使いたいところですが、小径ではネジ舐めやカムアウトが起こる可能性があります。
(鍋屋バイテック社、画像引用)
SUS系の電気伝導率はSS系よりも悪い傾向にあるので、筐体アース目的にSUS系はベスト選択とは言えません。
非磁性体ネジを使うケースもありますが、注意点が一つ。
マグネットドライバーに付かないので、密集部位ではネジの取り付けがやり難い
画像のように、トランス間のネジ交換は結構厄介な作業になります↓
精密系の工場経営の知人がいますが、その人物曰く。。。。。
「人種差別って訳じゃないけど、ネジ締め作業は日本人が一番正確な作業をするんだ」とか・・・・
以前、オーディオ記事でエソテリックの工場特集をやっていましたが、年配のオバちゃんが組み立ててましたね(笑)
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