リスニングポイントの耳位置フラッターエコーは退治すべき!?

日記・雑記
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スピーカーから出る音のエネルギーは、出来るだけ活かす方向で音作りをしてきました。だから音響的な処理は吸音よりも拡散を多用しています。狭い普通の部屋なので、平行面が多く「フラッターエコー」は出やすい環境ですが、全てを退治しようとすると吸音の山か、デコボコの壁にしなくてはならなくなるので、ある程度は許容しています。

 

ですが元旦に思いついて実施したことから、『リスニングポイントの耳位置のフラッターエコーは退治すべき』と感じましたので日記にしました。

 

思いついたのは、昨年末のオフ会での出来事がきっかけです。

その時は、Gさんがリスニングポイントでした。Bさんが右側コーナーで椅子に座り、自分は左側のコーナーでカーペットの上に座り込んでいました。オーケストラの曲を聴き終わるとGさんがコメントします。

G:響きが左が強くて、右が弱くてアンバランスです

H:確認していますからそんなはずはないですが、Bさんと自分の位置がアンバランスなので響きがアンバランスとなったのかもしれないですね。身体は大きな吸音体ですから。

そこで、Bさんにもカーペットの上に座り込んでもらい聴きなおすと、響きのアンバランスは解消しました。変えたのはBさんの座る高さだけです。椅子に座っていたときは、Gさんと同じ高さなので右側の吸音体のみが耳位置にかかっていました。この結果から、リスニングポイントの左右壁付近の音響感度が高いことがわかりました。

 

これまでは、耳の高さに吸音材は設置しない方針でやってきたのですが、音響感度が高いことがわかったので、試しに医療用のガーゼを背面空気層を取りながらつけての効果確認をしてみました。するとこれがよかったのです。

ヴァイオリン協奏曲

激しく弦を擦り演奏するところで、「キッ、キッ」と耳障りな音が出たのがなくなった

高音の女性ボーカル

音量を上げると、高音を張り上げるときにうるさく感じた音が滑らかになった

ジャズ

サックスの吹き上げる音がうるさく感じないギリギリのところで音量を合わせていたが、いくらでも上げられるようになった

 

全般には、ステージの音像がクリアになったよい面と、音の厚みが減じたようなマイナス面がありますが、取りあえずは「リスニングポイントの耳位置のフラッターエコー退治仕様」で聴き込みを続けます。フラッターエコーで音の厚みを感じるとは異端に感じますが、料理でも灰汁を取りすぎるとさっぱりしすぎるのと同じことでしょうか。

やったことは、リスニングポイントの耳の高さの左右壁に医療用のガーゼを浮かし付けしただけです。

右側

左側

この位置をガッツリと吸音すると、音がつまらなくなるのですが超薄ものであれば問題なかったです。聴き込みは続けていきますが、『リスニングポイントの耳位置のフラッターエコーは退治すべき』なんでしょうね。

コメント ※編集/削除は管理者のみ

  1. ヒジヤンさん、こんにちは。

    興味深い日記ですね。

    確か6年前にヒジヤンさんとバズケロさんにお越し頂いた時に、フラッターエコーは完全に退治するべきか否かという質問をお二人にした記憶があって、その時の答えは微妙にお二人で違っていたように記憶しています。

    genmiはその後、自分の中でリスニングポジションに関わらずフラッターエコーは絶対に退治すべきものとしてルームチューニングを進めてきました。

    genmiもヒジヤンさんと同じように、拡散メインで取りきれないところを吸音といった考えです。『拡散』と『吸音』は同類語として世間で取り扱われているように感じますが、取り扱いが楽で簡単な『拡散』と比べて『吸音』は非常に取り扱いが難しく玄人向けの調音方法だと個人的には思っています。

    それは、部屋のどこに使っても大きく失敗しない『拡散』ですが、『吸音』は使う場所と量にとってもシビアで、失敗すると一気に音が死んでつまらない音になってしまうと思うからです。少量でもです。その反面、適材適所に使用すれば効果は絶大で一段上の世界に連れて行ってくれます。

    ということで、拙宅でも吸音材は各所で使っていますが、音に違和感を感じた時は吸音メインの箇所を最初に疑うようにしています。

    部屋の響きでその絶妙なところを攻めるのが高音フェチのgenmiにとって最高の楽しみでもあります。

    冬休みの工作(音響グッズ)の宿題が終わったので午後から日記の後編に取り掛かりますか(笑)

    • genmiさん、コメントありがとうございます。

      題名に「フラッターエコー」と書きましたが、最初から原因がフラッターエコーであるとわかっていたわけではないです。対策してみて、どうやら原因は「フラッターエコー」だったんだなと言う感じです。

      今回の調整は、今年早々にオフ会予定のソナスファン tonkatsuさんとソナスファベールさんが好きな曲のイメージからの対応です。ソナスがよく鳴る高音の女性ボーカルが、自宅では同じ音程のまま伸ばすと耳触りに聞こえることがあることをウィークポイントとしていました。

      だから、tonkatsu邸でよかったソナスファベールさんの持ち込みDiscもポチるのを躊躇したのです。でも考えてみると、次の自宅オフではそんな感じの音源が多数持ち込まれるかもしれないとの予測から、事前に対策しようとしたのです。

      フラッターエコー対策は、中学の頃に手をパチンと叩いて「ビーン」という響きが出なくなるまで徹底的にやったところ、吸音材(グラスウール)だらけとなって心地よくない音にしてしまった思い出があります。当時は音響と言えば「フラッターエコー」で、吸音材と言えば「グラスウール」だったからです。

      だから、グラスウール系の吸音材は使いたくないのです。(最近タワシやガーゼを使っているのはこのためです)

      今になって思うと、ルームチューニングは初めの環境ありきで、遮音性能が強い部屋では「音を逃がす又は吸音が必要」となり、普通の部屋では「振動対策や拡散が必要」になる傾向があると思われます。思想は経験からの影響が大きいですね。

      ですが、吸音は高域を簡単にエネルギー吸収しますが、低域を吸収するのは大変です。吸音が難しい所以かと思います。そのあたりの、現状の部屋をベースとしたルームチューニングがセンスを試される部分なのでしょうね。

      今回は、高域のエネルギーを可能な限り吸収することなく、2KHz周辺のリスナー周りの音響を整えられないかと思い実施しました。やっているうちに、原因はフラッターエコーだったのだろうと思いましたが確定ではないです。もともと、この辺りで手をパチンと叩いてもビーンは出なかったのですが、単なる部分的なガーゼの浮かし付けで多くの変化が出たので原因はフラッターエコーと判断したものです。

      ビーンが出るのは、部屋の中央の窓とクローゼットの左右部分がありますが、ここは散々やりましたが現状のままがいいです。だから、「リスニングポイントの耳位置」としました。

      年末年始に各邸で聴かせてもらった同じヴァイオリン協奏曲では、「キッ、キッ」と耳障りな音が出なかったのはY氏邸だけでした。Y氏邸のリスニングポイント横の左右壁は漆喰塗りの硬い平行面ですが、「キッ、キッ」が出なかったです。もしかすると部屋が広く、横幅も広いのが有利だったのかもしれないです。

      音響は面白いです。部屋が狭い私とgenmiさんにとっては永遠の課題ですね。

      追伸
      genmiさんは色々取り組まれた経験からコメントされているので、マジ返信をしました。ですが、やったこともないのに観念でものを言う人は基本的に相手にしていません。これから学びたい人には親身に対応しますが、しつこくならないように注意します(笑)

  2. ヒジヤンさん、こんにちは。

    私が一番気になるのが、フラッターエコーの一部である縮退ですね。

    以前、某、秋葉原の有名なオーディオショップで、某アメリカ製の有名ルームアコースティック製品を想定300万円以上使った部屋で試聴しましたが、全く解消されていなかったことがありました。

    現在はAGSを使っているようですが、当時は無かったので、今は如何なっているのか気になるところではあります。

    友人は私に、「貴方は反響音を聞いているのであって、音楽を聴いているのではない」と指摘を受けました。

    まあ、事実といえば事実ですが、私にとっては反響音が気になって音楽を楽しむどころではないので。

    • へっぽこハム太郎さん、おはようございます。

      ハム太郎さんもディープな世界を体験し、実行されていますよね。音響は奥が深くて興味深いです。突き詰めていくとどの世界もみな同じかもしれませんが、音響は解明されていないだけ雑多な意見や見解が示されやすいですね。

      >私が一番気になるのが、フラッターエコーの一部である縮退です

      これは理解不能でした。
      『縮退』・・・辞書をしらべると「量子力学で、一つの系に、同じエネルギーに対応する状態が二つ以上存在すること」とありますが、具体的にどのような現象のことを言われているのかわからないので教えてください。

      さておき、
      ルームアコースティックこそ、お金をかけて解決するものではないですね。専門業者にやってもらう手もありますが、自分の中に財産は残りませんし、何かを変更した時のメンテナンスも自分では出来ない状況に陥りそうです。調整ソフトに頼る手もありますが、自分が体験した範囲ではまだまだレベルは低いですね。
      ・・・その中で、自分が評価しているのはLINNの「SPACE OPTIMISATION」ですが、80Hz以下しか制御しません。

      やはり、自分の手と耳と脳を駆使して技術を身に付けていくしかないのかな?と思います。

      >「貴方は反響音を聞いているのであって、音楽を聴いているのではない」と指摘を受けました。

      これもあるあるですね。自分も同様なことを言われたことがありますが、お金だけ使っているようなオーディオ人は、自分のわからないことになると「この逃げ道」に逃げ込んでいくような気がしています。

      もう一つの事例ですが、クラシック聴きの人たちの間で、「ロックを聴く話」をしたところ、「ロックなど聴くと耳が悪くなるから止めなさい」と言われたことがあります。いろんな考え方がありますね。

      私もどんな音楽であろうが、音が気になって音楽を楽しむどころではなくなってしまうことがままあります。だからオーディオ交流は、慎重に実施しています。

      ハム太郎さんは、自分にとって音響話題が語り合える数少ない方です。

      • ヒジヤンさん、こんにちは。

        > 音響は解明されていないだけ雑多な意見や見解が示されやすい

        以前、懐かしの「FMレコパル(のち、サウンドパル)」誌面で、サウンドエンジニアの及川公生氏がユーザー宅にお邪魔してサウンドクリニックモドキをやっていましたが、後日談で、及川氏だけでは正直手に負えず、専門職の音響エンジニアを同伴して解決させようとした経緯がありましたが、やはりユーザー宅は千差万別故に、結局本音で言えば手に負えなかったそうです。

        私もルームチューニングするのに一朝一夕では出来ませんから、ちょっと滞在した程度では無理というものです。

        > 『縮退』、これは理解不能でした。

        ヒジヤンさんの書き込みを見て、「バイオリンの耳障りな音」というのが、私が気になる縮退ではないかと推察しました。

        縮退とは、割り切れる部屋の寸法比、あるいは、ドライバーユニットから耳の位置までの距離、もっと言えば、エンクロジャー面積の大きめなスピーカーでは、フロントバッフルから耳までの距離などでも発生します。

        「四角いデカいスピーカーは音場空間を出すのは苦手な傾向」といわれるのは、これが原因の一つと言えます。

        仰るバイオリンなどがよく気になりますが、他にも、女性ボーカル、バンドネオン、クラリネット、オーボエなどでも出現します。

        判定方法ですが、気になる響きが聞こえたら、その前後をリピート再生し、リスニングポイントで頭の高さを変えず前後にゆっくり平行移動します。

        この時、その気になる響きが大きくなったり小さくなったりすると縮退が起こっていますが、重症の場合は多少の平行移動では、聴感上で変化しない(感じ取れない)事もあります。

        中高域以上では特定の周波数帯域で、倍音が右側で強く出たり、左側で強く出たりしますが、重症だと基音すら左右に分かれる事があります。

        定在波や縮退が出現する周波数は計算で算出できますが、まあ、計算通りにはいかないのが現状ですね。

        中低域でも出現しますが、元々指向性が高くない理由か、左右に分かれたりはしない傾向にありますが、頭の前後の平行移動で強弱は出る事はよくあります。

        私は検証に音楽信号を使う事もあれば、機材の修理時にオシロに入れて使う周波数別テスト信号をスピーカーから再生し、部屋を歩き回ってたりもします。

  3. へっぽこハム太郎さん、ありがとうございます。

    『縮退』の件、理解しました。
    定在波や反射による右耳と左耳の聞え方の違いですね。
    確かに、辞書の「一つの系に同じエネルギーに対応する状態が二つ以上存在すること」
    オーディオでは、「一つの音に対して、同じエネルギーに対応する状態が二つの耳に別々に存在すること」と読み替えると辞書通りでした。

    我が家でも、今の部屋の初期状態では主に定在波の影響がひどくて、
    ・一定周波数の音を定常的に流すと右耳と左耳で音の大きさが違って聞えました。
    ⇒この現象は、「音を回す」ことで定在波の影響を受けにくくなり、今では殆ど気にならなくなりました。

    最近では、同じ音程で音を伸ばすような場合(歌や楽器でも多少の周波数の揺れがある)と
    ・長く伸ばす音の音量の揺れを感じていました(これが今回の問題意識です)
    ⇒これまでは、定在波の影響だから仕方がないと思っていたのですが、今回の対策で殆ど気にならなくなったので、定在波ではなくて(定在波はガーゼでは抑えられない)フラッターエコーだったのだろうと推定したものです。

    ウチのスピーカーはバッフル面が殆どないので反射影響ではないと思います。
    ソナスの平面バッフル式のストラディバリも、バッフルをラウンドさせて反射影響に配慮されていますね。

    オーディオ機器は、機器単独で出来ることはかなりの範囲で配慮されているので、優秀な機器からよい音を引き出すのも、変な音にしてしまうのも、ユーザーの使いこなし次第ということになりますね。

    だから、オーディオは面白くて止められません。

  4. ヒジヤンさん

    こんにちは。今年も宜しくお願いします。

    皆さんのレスを興味深く拝読しております。
    私も正月休みに色々と動かしてみました。

    私の部屋の場合、設置の自由度が高いので、2台のSPと聴取者との三角形を保持しながら部屋の各所で聴いてみました。同様にその三角形を大きくしたり小さくしたりも試してみました。

    その過程で色々な知見が得られましたが、その中でも直接波と間接波のバランスが再生音場に大きく影響することが分かりました。スケール感を得るために大きめの三角形にしたくなりますが、結果は単純ではありません。

    ヒジヤンさんの部屋の写真を拝見すると、SPをもう少し前に出して部屋の壁面反射の影響を少なく、換言すれば直接音の比率を上げる方向にもっていくと良いのではと思った次第です。

    結果的に三角形が小さくなり、ニアフィールドに近くなるかもしれません。

    フラッターエコー対策の是非はともかく、フラッターエコーが耳に入る比率を下げるという意味で、検討する価値があるのではないでしょうか?

    ヒジヤンさんは、既に十二分に検証され、それも検証済みということであればご放念ください。

    • のびーさん、コメントありがとうございます。

      今年もよろしくお願いします。

      今回ののびーさんのご提案ですが、部屋が狭いせいもあって、後5cmくらいスピーカーを前に出しただけで音像主体のジャズ向きのサウンドとなってしまいます。

      >ヒジヤンさんの部屋の写真を拝見すると、SPをもう少し前に出して部屋の壁面反射の影響を少なく、換言すれば直接音の比率を上げる方向にもっていくと良いのではと思った次第です。

      このご意見は理解します。
      ただし、平面壁であった場合はそうだと思います。
      狭い部屋で、
      ・スピーカーとリスナーの距離を出来るだけ取りたい
      ・大型スピーカーから出る低音を壁に近い位置で直撃させたくない
      そして、
      ・中高域を拡散して、あたかも壁が遠くにあるような音響効果を持たせる
      ⇒自分の解釈では、壁からの単純反射を抑え、拡散することでリスナーに届く時間を遅らせることで、あたかも壁が遠くにあるような効果が得られる。です。

      『そのためのスピーカー背面の音響パネルなのです』

      広くてしっかりした部屋の方は大抵のびーさんと同様なことを言われます。
      「音響パネルを外して、スピーカーを前に出した方がいい」と
      ですが、自分にしてみれば諸々確認済みなんですね。

      ですが、意見をお伺いすることはありがたいことです。少しでも自分の肥やしに出来たらと思います。

      何もやったことがない人が観念で書き込んでくることはお断りなのですが。。。

  5. ヒジヤンさん、こんにちは。

    「部屋が狭い」と書かれているのを見て、改めてプロフィールからお部屋のサイズを確認させていただきました。
    撮影の仕方もあるのでしょうけれども、もっと広いと思っておりました。
    拙宅とほぼ同じですね。

    スピーカーから放出される音響エネルギーはボリュームが同じなら変わりませんから、狭い部屋ほど反射音に対する対策が必要となりますね。
    ヒジヤンさんのようにかなり詰めてやられている方でも、まだまだ向上の余地があるんですね。

    B&Wの8シリーズは、エンクロージャーの形の関係で音が周囲に円滑に回りますから、部屋の対策に対して敏感に反応する気がします。
    以前、N802を使用していたときに色々とやりましたが、やりがいはありましたね。
    まあ、ヒジヤンさんと比較するとその足元にも及びませんけれども(汗)

    ちなみに、単純なフラッターエコー対策ですが、拙宅のスピーカー設置・リスニングポジションは壁面に対して左右対称になっておりません。
    まあ、和室ですし、左右の壁面の条件はかなり違いますから、フラッターエコーは元々起きにくいのですが。

    これからも音質向上についての多様な手法の開発、楽しみにしております。

    • fukuさん、コメントありがとうございます。

      同じ8畳サイズというのは以前から存じておりました。でも、和室なのですね。音が抜けるのがよい面と、低音がキツイかもしれないですね。

      そこにWILSON AUDIOのWATT&PUPPYですから、スピーカーがオーバーサイズで苦労する点が同じでしょうか?

      口が随分と大きい方も、普通の10畳サイズにシステム7ですからね。しかも横使いで、スピーカーと距離を取るため壁にギリギリ配置です。リアバスレフのシステム7ではポートから出る低音が壁に直撃ですごいことになったのでしょうね。だから仕方がなくバスレフポートを塞いでお使いのようですが、散々苦労してきた目から見ると一目瞭然で音まで聞こえて来そうです(笑)

      fukuさんとは、狭い部屋に大型スピーカーを入れた苦労話などが盛り上がれそうです。今年もよろしくお願い致します。

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