このサイトに訪れる方々はエキスパートが多いので、蛇足とは思いますが、私のハイエンド・オーディオマニアの友人が当てはまっていたので一応書いておきます。
オーディオマニアで、「スピーカーをコンマミリ単位で設置している」という話はよく聞きます。
。。。が、しかし。。。。
試しに聞いてみると、まだフォーカスが合っていないというケースが結構あります。
なぜそういう事が起こるか?というと。。。。。
床の平面は、絶対的な平面(面法線)が採れているケースはほとんどない(全くないと言っても過言ではない)
ということです。
前回も書きましたが、床を構成している材質は木材が基本です。
なので、経年で吸湿、乾燥等で少なからず変形が起こります。
さらに、新築だけでなく、
断熱材が経年劣化した住宅では、内部結露で吸湿が進み、同様に木材が変形する事が多々あります。特に旧式グラスウール断熱材は要注意!!
床の絶対的平面に関係してくる部品構成としては、
床束(←木材でない場合は無視)、大引、根太、針葉樹系合板、フローリング、和室の場合は畳ですが、どれか一つ変形が起こっても絶対的平面に少なからず影響を及ぼします。
フローリング板貼り前の針葉樹系合板貼り↓
針葉樹系合板の上からフローリング板↓
和室は、合板の上から畳↓
これらの理由で、どんなにコンマミリ単位でスピーカーを設置したとしても、そもそも床の平面が採れていないので、フォーカスが合わないという事になります。
今回の日記のために、前回の日記で故意に書かなかった事がありますが、左右スピーカーのフォーカスに関係してくることは、
1・スピーカーの位置
2・内振りの場合は内振り角度(0度の場合は平行が採れているか)
3・スピーカー前後の傾き(仰角)
4・スピーカー左右の傾き(傾斜角)
ですが、3と4は、部屋の床の絶対面法線が採れていないと、かなり狂います。
特に1m以上の背の高いスピーカーだと、最下部と最上部では10㎜近い上下左右の誤差が出る事も少なくないので、コンマミリ単位でのスピーカー設置”だけ”が如何に無駄か分かるでしょう。
上下の仰角はスピーカーの真横からレーザーを当てます↓(レーザー設置位置から左右2本同時照射じゃないと全く意味がないので注意)
左右傾斜角はリスニングポイント正面中央から左右同時照射↓
レーザーですが、大陸製は安くて高機能ではあるものの、校正不可だったり壊れやすいので注意です。
オーディオ用途では縦ライン、横ラインがあればOK。本格的なのは20万円とかしますしねw
水平器、足の長さ調節、面法線直下レーザー、レーザー微調節ダイヤルがあるとさらに便利ですが、値段がかなり高くなります(2万円程度じゃ買えません)↓
赤レーザー、2万円しないモノはあまり役には立ちません。
足の長さ調節は、三脚エレベーターがあれば不要ですが、上記を条件を満たすものはほとんど付いています。
リスニングポイントから照射する場合は、三脚エレベーターは必須ですが。
そもそもの話で、自分のオーディオ・ルームの床は木材じゃなくて土間コンクリ打設というヘビーユーザーもいたりしますが、土間コンクリも絶対面法線を出すのは木材同様にほぼ不可能です。
コメント ※編集/削除は管理者のみ