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GRFのある部屋さん邸訪問

日記・雑記
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更なる高みへのイメージと題して平行法への道程に足を踏み出す決心をしたものの、見様見真似で行った似非平行法のセッテイングではイメージが掴めなかった。
やはりここは本丸で体験するのが一番だ。
ということで、昨日マイミクのベルウッドさんとともにGRFのある部屋さんの門を叩いたのだった。

タンノイGRFがあるリスニングルーム(ご本人はコンサートホールと呼ばれている)だが、他にもハートレーコンサートマスターやジャーマンフィジックスのユニコーンを保有されており、先ずは和室に置かれているユニコーンのサウンドから聴かせていただいた。

機器の説明はGRFさんのブログを隅々まで読めば出てくるが、送り出しはマランツのCD-34のモディファイバージョンをお使いで、プリはA&M社のプリアンプATC-2、パワーはこれも特注の是枝さん製作の真空管アンプと言う構成である。独特のDDDユニットを搭載したフロントロードホーンSPは、音を360度に放射する。
その音はあくまでしなやかでかつ速く、ホログラムのように中空に像を結ぶ。
バイポーラタイプの拙宅のインフィニティよりもはるかに鮮度の良い音楽を聴かせる現代のSPと言う印象。

CDプレーヤーとナグラのオープンリールデッキは特注のミニ座布団風のインシュレーターで振動を遮断されている。

数々のライブラリーをかけていただいたが、ピアノの響きが先日聴いた紀尾井ホールでのリサイタルのビアノ同様に楽器そのものの響きが見事に再現されていたのには驚いたし、必要にして十分な低域の特性も好ましく感じた。
また、ヴォーカルものは特徴的に実在感があったがその中でツボにハマったのがこのDISK。
テノール、カルロ・ベルゴンツィの1990年大阪のザ・シンフォニーホールでのリサイタルライブ。

遅めの昼食は、ご自宅から歩いて直ぐのところにある蕎麦屋さん。
店に入ってから、先ずは日本酒を飲みながら音楽談義の続きを楽しんだ。

再び部屋に戻ってからは、今度はクリスマスに訪問するからと持参したスパークリングワインを飲みだす。
話の中心は機器がどうこうというハードの話よりも、ユニコーンが演奏する音楽を全身で浴びながら、演奏家や演奏そのものについて会話が弾む楽しいひととき。

(撮り忘れたリスニングルームの写真をGRFさんより送っていただきました)

そして、おもむろにGRFさんがコンサートホールと呼ばれている5メートル×8メートルの大きなリスニングルームに移動して、赤ワインを飲みながらハートレーによるコンサートが始まった。
送り出しはSONYのHDD内蔵プレーヤー、真空管プリ、真空管パワーアンプ、ハートレーはウエルフロートボードに乗って、平行法の定位置にセッテイングされていた。

歳末に因んで数々の第九を演奏していただいたが、消え入るくらい微小な音からトゥッティに至る大音量までが破綻することなく再生されていたのには、正直舌を巻いた。
大口径のウーファを持つ4ウエイだが、独特の背面解放タイプのおかげで音のスピードが速い。
ティンパニの打撃音や、ソリスト、合唱団の歌唱のリアルさには、まるでコンサートホール2階正面のロイヤルシートで演奏を聴いているかのようだ。

しかし、何でも’いい音”で聞こえるわけでもなく、録音の良し悪しも全部曝け出す容赦のない一面もあるように感じた。
つまるところ、幾ら一流の演奏家であろうと、凡庸な演奏をすれば容赦もなく観客からブーイングを浴びせられる緊張感がある。

しかし、何と気持ちよくストレスを一切感じさせない部屋なんだろうか。
天井部分は高さ3.5メートル?まで確保され、そこに吸音材料をタップリ貼り付けてそれでも2.7メートル超の天井高が確保され、床はコンクリート床の上に厚い緩衝材を敷き詰めてその上に再びコンクリート板を敷いてから、カリンの無垢材を貼ってある。

演奏の途中でGRFさんが’これが平行法なんです’と嬉しそうに話しかけられたが、ハートレーが気持ちよく鳴るということはこういう事なんだと、得心がいった

結局、11時に訪問してから休憩を挟んで10時間近くも滞在し、泡ものに赤ワインを2本、最後はウイスキーまで舐めながら、音楽談義に花を咲かせてしまった。
ご自宅を辞して駅に向う時、まるでコンサートがはねた後のような高揚感を感じ、満ち足りた気持で帰宅した。
この日記はブログでも。

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